2-51. 予防線!!
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スタンツがやって来た日ということで本日のディナーは気合が入っている。格好は今回の場合いつも通りだが料理が全て手作りである。数日前からディナーには4人で練習した料理が毎回並んでいた。
6食分のディナーを踏み台に本日が集大成である。スープやフリッタータも何回か作るうちに完成度が高くなっていった。変わったアレンジさえしなければ美味しい物が出てくるだろう。
「えっと、実は普段はシェフが作ってくれるんだけど今日のディナーは母と妹たち、それとランが作ってくれるんだ。味の保証はできないけど恐らく食べられる物が出てくると思うから美味しくなくても優しく接してあげてくれないかな」
いまのところスープにフルーツが入っていたりはしないが何が出てくるか見るまでわからないので先にやんわりと伝えておこう。いきなり出てくるのと覚悟をしているのとでは違う。
「オレのために作ってくれた料理なら何でも美味しいよ」
男前である。何だかどこかで聞いたことのあるセリフ。僕にもそう思っていた時期がありました。
得体の知れない物を食べたとき正体がわかるまでの時間、飲み込んでしまった違和感が気持ち悪い。
とはいえ友人の家で出てくる料理にケチをつけることなんて出来ないよね。上手くフォローしてあげないと。
「学園でも寮の食事美味しそうに食べてるもんね。そういえば好き嫌いってあるの?母に聞かれて嫌いな物は多分ないって答えちゃったんだけど...」
「一般的に出回っている食材や料理で好き嫌いはないかな」
「そっか、よかった」
この言い回しなら4人が作る料理は合格だろう。世の中には物凄く辛い料理や臭い料理があるものの一般的ではない。スタンツが言うのはそういう物以外ならある程度は許容範囲ということなんだろう。
器が大きい。
「もし口に合わなかったらこっそり教えてくれたら明日からは出さないように言うからね。そういえばタピオカって食べたことある?」
「食べたことないかも。あのドリンクに入ってるやつだよな?」
「うん、それ。実は妹たちがタピオカブームらしくてスープとかに入ってる可能性があるんだ。女性陣は美味しいって言って食べてるから不味くはないと思うんだけど知らずに食べるとびっくりすると思うから先に言っておくね」
「まぁ食べられる物なら大概いけると思うぞ。タピオカは女の子に人気あるから使いたくなるのかもな。わかった、ありがとう」
スタンツには申し訳ないけど会話の流れからある程度心の準備をしておいて貰おう。
何も知らずに食べるよりはマシだろう。




