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2-47. 箱入り娘!!

 

 □□□□□□□□


「本日から1週間お世話になります」


「こちらこそいつも息子がお世話になってるみたいでありがとう。自分の家だと思って何かあったら遠慮なく言ってね」


 屋敷に着いて玄関ホールで母と妹たちが出迎えてくれた。スタンツが母に挨拶をする。母の両サイドにはミリムとリリムが腕に巻き付くようにくっついていた。


「グリムの妹だよね。2人共よろしくね」


 スタンツが挨拶しても2人は母の後ろに隠れてしまい挨拶をしない。人見知りを発揮しているのだろう。彼女たちはこの屋敷から生まれてからほとんど出たことがない。2人は正しく箱入り娘なのだ。


「ごめんなさいね。この子たちの周りには年の近い男の子が兄以外には居なくて慣れていないの。少し戸惑っているみたいで」


 僕の周りに年の近い男の子が居ないということは2人にも居ないのだ。そして彼女たちはお互いが一番の理解者であるため僕同様友達が居ない。もっともお互いに仲が良くなくてもやはり街では領主の娘だから友達を作るのは難しいだろう。


「いえ、大丈夫です。逆にボクは年下の子と過ごす機会が多いんでこういうことには慣れています」


 普段一人称がオレなのに母に気を使ってくれているらしい。友達のこういう場面は新鮮だな。

 年下の子とよく遊んいるから面倒みが良いのだろうか。やっぱり街で育つと年の近い子たちと遊ぶ機会が多いんだろうな。


「ミリム、リリム。お兄さまの仲のいい友達だよ。いつもお世話になっているんだ。怖い人じゃないよ」


「「...っこんにちは」」


「うん、こんにちは。1週間よろしくね」


「「うん」」


 巻き付いたまま母から離れなかったものの挨拶は出来たので合格だろう。


「じゃあ屋敷の案内をしてきますね」


「グリムに任せるわね」


「はい、お母様」


「私も付いていこうかしら」


「大丈夫だよ。ランはもう屋敷のどこに何があるか把握しているだろうし案内なら僕だけでできるから」


「あのな、グリム。ランさんは多分案内してほしいんじゃないと思うぞ」


「そっか。じゃあやっぱり一緒に行こうか」


 ランがスタンツのことを好きかもしれないと思い至ったばかりではないか。これはやっぱりそういうことなのだろうか。

 まぁ分からないことは考えない。

 考えたところで結論は出ないし本人に聞く勇気はない。多分聞いたらまたバカって言われるだろうしね。

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