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2-43.どれから食べよう!!

 

 □□□□□□□□


 随分と呼びに来るまでに時間がかかったみたいだが料理って慣れていないと時間かかるよね。

 4人でダイニングに向かう。


「何作ったの?」


「「いっぱい作ったよ」」


 料理を聞けば難易度が何となくわかるかと思ったけどこれはもう諦めて出てくるのを待った方が良さそうだ。

 皆で食べるんだから周りに合わせながら食べれば何とかなるだろう。

 調理実習のときのランの様子を見ていたので少し不安である。彼女は創作するという行為が苦手なのかもしれない。絵を描くのも苦手だったし料理も得意じゃないみたいだし。


 ちょっとドキドキしつつもダイニングに着いた。


 今日は既に出来上がった料理がテーブルの上に並んでいた。空の器とパンが各席に置いてある。これはビュッフェ形式なんだろうか。

 こんなこと今まで一度もなかったのになんで今日に限って自分で選ばなければいけないんだろう。いや今日だからこそなのかもしれない。

 こういうのも家庭的で良いとは思うけど今日は順番に定量出てきて欲しかった。


 フリッタータにマタンブレ、コンソメスープにブロッコリーときのこのサラダ、デザートにフルーツポンチがテーブルの上には並べられていた。

 ステーキ食べたいという意見は見事にスルーされたらしい。


 さて何から食べようか。これはどれからどのくらいの量食べるかも重要だ。


「グリムどれから食べます?」


 横に座っているランに聞かれる。周りに合わせようと思っていたがそうもいかないらしい。

 何となくフリッタータはランがフルーツポンチは妹たちが作ったんじゃないかなと思う。フリッタータは調理実習で一度作っているしフルーツポンチは小さな子でも作れる定番だから。


「じゃあフリッタータから食べようかな」


「そうですの。お皿に(よそ)いますわね」


 ランが僕の方に手を出してきたので目の前にあるお皿を渡す。出来れば自分で装いたかったがやってくれるというものを断る理由も思い浮かばずお願いすることにした。


 フリッタータを4分の1サイズにカットしたものを皿に乗せられた。ちょっと欲張り過ぎじゃないですか?5人居るのに4分の1サイズって。

 しかし人にしてもらっておいて文句を言うわけにもいかない。


「ランは何から食べる?ランの分装うよ」


「いえ、私は自分の分は自分で装いますので大丈夫ですわ」


 まさかの返答だ。

 僕もそう言えばよかった。少量ずつ試しに食べる計画がいきなり頓挫(とんざ)した。

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