2-39. おふくろの味?知らないな!!
□□□□□□□□
「男の子だし肉料理を豪華にした方がいいかな。何か嫌いなものあるか知ってる?」
「嫌いなものはそんなにないと思いますよ。毎日一緒にご飯を食べていますが今のところ嫌いだと言っているところを見たことないです」
「そうなんだ。じゃあママ頑張って料理作るね」
家にはシェフが何人もいるがヒューイットの家でポルトの母にお菓子をご馳走になった話をしたら腕によりをかけて料理を振る舞いたいと張り切っている。
それに息子の友達に料理を振る舞うのに憧れていたらしい。母が作った料理というのを息子である僕ですら食べた記憶がないのだが。
「おばさまが作るんですか?」
ランの家でも母親は料理をしないらしい。する必要がないのだから当然である。そういえば調理実習のとき不慣れな手つきで頑張っていたな。
「久々だけど作るよ。やっぱり自分の息子の友達くらい自分でおもてなししなきゃね」
「料理を作れるなんて尊敬しますわ。私学園の調理実習では醜態を晒してしまいましたの」
少し落ち込んだ様子でランはそう言う。包丁も火も普段近寄ることすらないのだからしょうがないとは思うのだがそういう風に思っていたのか。
「じゃあ一緒に作る?よかったら料理の作り方教えようか?」
「いいんですの?ぜひお願い致しますわ」
「ミリムも一緒に作る」
「リリムも」
ミリムとリリムが手を挙げて参加を表明する。2人は料理を習いたいのではなく皆で何かするの楽しそうといった感じだろう。
僕もと言いたいところだが空気を読んで手を挙げない。それに万一手を挙げて拒否られたら立ち直れない。既に今日は部屋から追い出されたことによりダメージを食らっているので追撃は避けたい。
「グリムは何か食べたいものはある?」
急にそんなことを言われても思いつかない。今世で贅沢な食生活をしているが何でも美味しく食べられる舌を持っていると自負している。それこそ前世ではファーストフードを美味しく食べられたし。
「肉料理ならステーキみたいなお肉食べてるって思えるのがいいですね」
難易度が低そうなものを言ってみる。母がどれほどの腕前かは知らないがこれならランや妹たちでも作れるだろう。ミートローフやハンバーグも好きだが試食の役目が回ってきそうなので無難なことを言っておく。
「わかったよ。明日から皆で練習しようね」
「ぜひお願い致しますわ、おばさま」
「「はーい」」
スタンツが来る日までに練習をするらしい。
あれ?僕だけ暇人だ。




