2-37. まるで何事も無かったかのようだ!!
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自室待機をしていたのだが何事も無かったかのように呼びに来てくれたのは晩御飯のお誘いだった。
どうやら絵は見せてくれないらしい。ランは最初から無理っぽかったが妹たちも失敗してしまったのかそのことについて触れない。まるで絵を描いていた事実さえなかったかのように振る舞われる。
気になるもののあえて聞かない。聞いたところで見せてくれるとは思えないので印象を悪くしそうだし聞くのはやめておくことにした。
ランが来た初日ということで本日のディナーは正装である。
僕はいつも通り適当に白いシャツと金色の刺繍がしてある上下セットの水色の服、それと飾りのジャボをクローゼットから出して着替える。誰がこのクローゼットの中身を整備してくれているのかは知らながいつも助かっている。
扉の外で待っていてもらった3人も正装をしている。妹たちは七五三で着るようなお揃いの淡いピンク色のツーピース、ランは真っ赤なドレスを着ているが見事に着こなしている。
「お待たせ」
「お兄さまかっこいいね」
「ね」
「ありがとう」
頭を撫でようかと思ったが今日は髪の毛もセットされていたのでやめておいた。長い髪をミリムは右側にリリムは左側でまとめてあった。
ランも髪をアップにしていていつもと雰囲気が違う。
「ミリムもリリムもよく似合っていて可愛いよ。ランもいつにも増して綺麗だよ」
今世では恥ずかしげもなくこういうことが言えるようになった。妹たちによく言うというのもあるし周りが恋愛対象じゃないからこそ気にせず褒められる。
「「でしょー」」
「ありがとう」
3人をダイニングまでエスコートする。残念ながら僕の手は2つしかないので本日はゲストのランの手を取る。
ダイニングルームでは扉の前に使用人が立っていて僕らのために扉を開けてくれる。ランを席に案内して僕も席に着く。
こうして食卓には母と僕ら4人が揃った。
長方形のテーブルの短い辺には母が1人座って近い場所にゲストのランを座らせその横に僕正面ミリムとリリムが座った。
「ランちゃん今日は来てくれて本当にありがとうね」
「いいえ。こちらこそお招き頂き光栄ですわ、おばさま」
「今日は歓迎も兼ねて豪華にしたからいっぱい食べてね」
いつも豪華だとは思うが今日はいつもよりさらに豪華らしい。
まずはズッキーニとエビの前菜が運ばれてくる。




