2-35. 来訪者!!
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父とジークが王都に戻りいつの間にか晩夏になる。今日は晩夏の月17日、光曜日である。夏季休暇も残り2週間程になっていた。
僕はジークが帰ってから体力作りのために毎日敷地内をぐるっと1周走ることにしている。1周といっても門から屋敷まで辿り着くのに直線距離で1kmはある気がするし正円ではなく楕円なので結構な距離である。
日課になった1周を走り終えて屋敷に戻った。
「ごきげんよう、グリム」
こんな挨拶をする人物を僕は1人しか知らない。
「久しぶりだね、ラン」
そこにいたのはランだった。会うのは3週間ぶりくらいだ。学園で毎日会っていたことを考えると久しぶりである。
彼女は丁度母と妹たちに挨拶を済ませたところだった。通常門を通るにも少し時間がかかるが彼女は顔パスなので屋敷までスムーズに来れたようだ。
「「ラン姉さま、あそぼう?」」
ランが来ると妹たちの興味はランにいってしまう。いつでも会える僕よりも年も近く性別も一緒でたまにしか会えないランの方がいいのだろう。ちょっと寂しく思うが相手がランならしょうがない。そう自分に言い聞かせる。
ミリムとリリムがランの両手を片方ずつ引っ張って3人が3階に消えていく。消える前にきちんと母に失礼しますと挨拶してから上に上がっていった。
気配りができるのは流石だ。
母と僕だけが玄関ホールに残された。
「ランちゃん夏季休暇いっぱい家で過ごすからね」
「そうなんですか?今回は長いですね」
「うん、パウロはもう王都に居るしフレデリカはいま妊娠中だから今回は長くお泊まりしない?って提案したの」
パウロがランの父でフレデリカが母である。
母と年も近く半年に1回は交流があるのでまぁまぁ仲が良い。使用人も居るしランの父が王都に居ようが母が妊娠中だろうが問題はないだろうけど母もまたランのことを好きな1人であったりする。母に提案されたら余程無茶な提案でない限りランも断らないだろう。
「そうですか。賑やかになりますね」
「うん、それにグリムのお友達も来るものね」
そうなんだよね。まだスタンツは遊びに来てないのでランとスタンツの滞在期間は被ることになる。スタンツは僕の家に遊びに来てそのまま一緒に学園に行くことになっている。
想像してみたけど案外仲良くやれそうな気がする。2人ともケンカするような性格はしていないしランは妹たちと遊ぶことになるだろうし。




