2-27. 副産物!!
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「もうちょっと威力が強くてもいいよ」
「は、畏まりました」
またジークが僕に向かって水魔法を放つ。
それは先ほどよりも水量が多めで傍から見られていた場合棒立ちしているわけにもいかないのでその水を手で弾く。
僕の手に当たった水は全て下へと落ちていく。僕の手には何の衝撃も感触もなく濡れてもいない。
「全てに有効なのか確かめてみたいから他の属性もお願い」
「では次土魔法を使用致します」
そう言ってしゃがんで地面に手をつける。土が隆起してこちらに向かってくる。と言っても高さ5cmくらいだ。僕のところに辿り着いた瞬間に隆起が止まる。予想はしていたものの土魔法もこうなるのか。
「次は光魔法を使用し、最後に火魔法を使用致します」
光魔法は目眩しや夜の灯としてよく使われる。ジークが光魔法を使ったとき光魔法を使ったのはわかったがいつも通り特に影響はない。あれ?これ光魔法の効果を感じないとかむしろマイナスなんじゃないだろうか。
そんなことを考えている間に火魔法が僕のところにやってくる。きっと大丈夫というのはわかっているが火魔法が体に当たるのはすごく怖い。ライターの火程度の威力ではあったもののその程度の火でも当たると火傷したり服が焦げたりはするだろう。だからこそジークも火魔法を最後に残しておいたのだろう。
毎回の如く火魔法も僕に当たったことによりしゅんとたち消えた。
「5属性全てに有効みたいですな」
「それなんだけど夜の灯として光魔法を使ったとき僕にはどう見えるんだろう?あと思い出したけど学園の調理実習で水魔法で出した水は使えたんだよね」
「魔法として放たれた状態では効果がなくともその後の残った副産物は有効なのではありませんか?例えば木に火をつけた瞬間は平気でも松明にした火は熱いと感じるかもしれませんな」
なるほど。魔力で放たれた直後は無敵の盾を持っているけどその後は他の人と同じということか。やっぱりこの能力は人に知られてはいけないらしい。これが広まってしまっては、この世界の人は魔法が便利だから魔法攻撃を仕掛けてきやすいが僕に魔法が効かないことが広まれば物理攻撃を初手から仕掛けてくるだろう。そういう意味では兄貴とガランは僕に対する攻撃方法を正解したわけか。あんな不意打ちをされては避けようがない。
まだまだ僕は自分のことを知らないといけないらしい。この能力を過信しすぎるといつか痛い目に合いそうだ。
能力は要らないですって言ったんだけどこれは魔力値0の副産物ということなのだろう。




