表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/240

5-17. 世間は狭い!!

 

 □□□□□□□□


「お初にお目にかかりますわ。私ランと申します」


「あぁ、丁寧にありがとね。あたしはティアナ・ゾームだよ」


「ボクはルチカだにゃー」


「メアリっていいます。よろしくです」


 4人の挨拶が終わる。学園の理念に基づきファーストネームのみ名乗る。僕は未だにルチカのファミリーネームを知らない。ランのファミリーネームは元々知っていてメアリのファミリーネームは誘拐事件の時に知った。知らなくても特に問題はないしルチカもメアリも僕の身分を知らない。メアリは何となく察してはいるだろうけど。

 スタンツの横に僕が座りその横にランが座った。正面にはティアナさん、ルチカ、メアリの順番で座っている。


「3人ともありがとうね。買い物してたのに来てくれて。今日は僕の魔法無効化能力の検証実験に付き合ってほしいんだ」


「説明せずに連れてきたの?まぁ連れてきてくれた、それだけで十分だけどね」


 ティアナさんにとって過程よりも結果の方が大事なのはわかっていた。断られると思ったのに結局彼女の思い通りである。それにしても3人はどうしてあんなにあっさりついてきてくれたんだろう。


「ところでランちゃんだっけ?会ったことない?」


「お初にお目にかかります。ですがティアナお姉様とは親戚だと思います」


 そうか。この2人どことなく容姿が似ているのか。綺麗なお姉さんであるティアナさんと絶世の美少女であるラン。

 ランと親戚ということは僕とも親戚になるだろうか。五大家は血が混ざりあっているから。親戚なのに覚えきれてないや。


「言ってくれればいいのに」


「ええ。失礼致しましたわ。私の母フレデリカとティアナお姉様は再従姉妹(はとこ)でいらしたかと思います」


 そうなるとランとティアナさんとの関係は薄いだろう。ランはティアナさんから見て再従姉妹姪(はとこめい)にあたるようだ。そこまで遠いと僕も覚えていられない。それにフレデリカおばさまはハーミンク家に嫁いで来た人だからティアナさんと僕との関係は更に薄い。だけど上級貴族で王族の親戚なら王城に住む資格は十分だろう。


「ああ、そういえばあの学園にはそんな理念もあったっけ」


 ランがフルネームを名乗らずに母の名前を言ったことでティアナさんが珍しく察した。

 いつもこれくらい察しがよいといいのだがと思ったが別に彼女は察しが悪いわけではなく気づいたところで敢えて無視しているだけなので何の改善もされないだろうという結論に辿り着く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ