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5-4. 残念ながら見せられない!!

 

 □□□□□□□□


「はーい、お前ら席に着け」


 いつものようにガストール先生が前のドアを開け教室の中に入ってくる。残念ながら見せたかった光景はもう広がっていない。既に全員希望ということで挙手はやめてもらった後だった。ガストール先生の言葉を聞いて全員席に着く。


「よし。もうすぐ夏季休暇だが今学期終わるまで気を抜くなよ。今回は中等部最後の夏季休暇になるので宿題多いからな」


 何とも嬉しくない知らせである。思い返してみれば前世では中学3年生にはなれなかった。今世で初めて過ごす中等部3年の夏季休暇。前世で考えると受験戦争の真っ只中なのだが今世ではエスカレーター式で高等部に上がるだけだしあまり実感が湧かない。もし受験というものがあったとしても僕が落ちるということはないだろうと冷静に考えてしまう自分がいる。五大家の一員で30年ぶりに生まれた直系男子である僕が。そういう目線で考えてしまう自分がダメだなぁと思う。優遇されたいわけではないけれど忖度されるのはしょうがない。不平等でもあるしスタンツの不満が爆発した要因でもあると思う。だけどそれを規制するのはどこまでいっても無理だろう。わかるけど割り切れない部分なんだと思う。僕にはどうしようも出来ないことでもある。ある意味で僕は蚊帳の外なのだ。周囲が動いてしまうのだ。だけどそれを言い訳にせずにせめて自覚しよう。どうしようも出来ないことだけど把握はしよう。


「郷土史についての宿題もあるからな。時間はたっぷりあるんだからよく調べるように」


 歴史の宿題はどこまでが表に出ている真実なのか見極めるのが難しい。家で伝え聞いている内容と世間一般で知られている内容が違うのだ。これはランと相談しながらこなすしかないな。ランとは同じような立場から物事が見られるので気楽だ。未だあの告白のようなものから何かを迫られるようなこともなく変化なく一緒に過ごしている。彼女の頭に触れる機会はあまりないので何を考えているのかはよくわからないが問い詰められることもないので問題はないのだろう。


「緩むのもわかるがあと少し気を引き締めて過ごすようにな」


 実際夏季休暇が楽しみである。僕の愛すべき妹たちとも学園で会えるようになったものの四六時中一緒に過ごすのは無理だし早く休みになってほしい。夏季休暇になればクラスの皆が遊びに来るのでまたおもてなしの準備もしなきゃいけないな。

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