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4-53. 血の色!!

 

 □□□□□□□□


「人()らざる者。ぼくは多分この世界で魔人と呼ばれる存在なんだ」


 肩を(すく)め認めたくはないんだけどね、と言う。魔人。上級、特級モンスターとの単体での戦闘が可能な魔力量の多い人物。言われてみればハーティットは当てはまる。


「血の色は何色?」


「え?赤だよ」


 昔、ティアナさんに魔人と疑われて指を切られたのを思い出す。魔人も血の色は赤いらしい。

 ハーティットを不快に思ったのも一瞬だけだった。理由を知れば理解は出来たから。


「僕これからどうしよう。町の人たちには恨まれるよね」


 それを覚悟でしたこととはいえ平気なわけではない。


「大丈夫じゃないかな。ケツァルコアトルは死の間際周辺に向かって思念を送信していたよ」


 僕との内緒話は不可能だったが僕にだけ内緒話は可能だった。


「何て?」


「自分はもう寿命でこうするしか何かを(のこ)すことが出来ないから誰も恨むなって。感謝すべきだと言っていたよ。一応グリムの名前は出してなかったかな」


 有難い。だけどこれでケツァルコアトルが死んだことが誰かに伝わったというわけだ。もう少ししたらここに人がやってくるかもしれないな。


「ここを出ようか」


「いいけどこの後どうする?ぼくはいつもなら色んな国を回って転生者を探したりのんびり観光したりしてるんだけど」


「どうしようか。僕はもう目的を達成出来たからハーティットに付き合おうかな。実は僕って無知だし見聞を広めるのもいいな」


 箱入り娘ならぬ箱入り息子。何でもやってもらえるし何でも揃っている世間知らず。ドラゴンスレイヤーのことだってハーティットが知っているということは僕にもどこかで知る機会があったかもしれない。最終的には同じ結論を選んだにせよこんな騙し討ちされた気分にはならなかっただろう。討ったのは僕だけど。


 ケツァルコアトルを討ってから時間が経った。その場を離れるのが少し遅かったらしい。洞窟に誰かが入ってきた気配を感じる。気配なんて今まで感じられなかったのにわかるようになってしまった。これがドラゴンスレイヤーの能力の一部なんだろう。


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