4-34. 討伐報酬!!
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「値段は一緒くらいでも品質が違うんですよ。こちらのお店の方が布地がよく縫製が丁寧なんです」
奥から帰ってきたカルミンに疑問をぶつけたら答えてくれた。
「品質なんて考えたことなかったです。そういう見方をしたことがなかったです」
考えてみたら僕の服は高級品ばかりだろう。あれを基準にしてしまうとほとんどの物が低品質になってしまう。今世での生活が長くなってきて庶民感覚がどこかに行ってしまっている。生まれ持った性質は庶民であると自負しているのに。
「まぁまだ品質にこだわったりするのは難しいかもしれませんね。自分で稼いだお金を使う時に少しでも安くていいものを手に入れたいと思ったりするものですよ」
「というわけでお昼の時間やで。ラビとコボルトの討伐報酬で1人1000エクウス支給するのでこれで各自ご飯食べてや。追加支給はないからよく考えて決めるんやで。身銭切るんもなしやからな。1000エクウス内でやりくりするんやで。これも実践の内やな」
そう言われて1人ずつに1000エクウスが配られる。
1000エクウスはお昼ご飯を食べるには丁度いいくらいの金額だろう。屋台で食べようと思うと足りないかもしれないがきちんとした定食屋さんに入ればお腹いっぱいになれるはずだ。
「1時間後に門近くに集合でいいでしょうか?」
「大丈夫っす」
「大丈夫ですわ」
「大丈夫です」
各々返事をしたのを聞いてカルミンとミカが去って行く。
「俺は君たちについて行くからな」
「あー、はい」
まぁそれが仕事なんだからしょうがない。想定の範囲内だ。
「どこに行きましょうか?とりあえず飲食店が並ぶエリアに行きましょう」
「そうだな。1000エクウスあれば食べるのに困ることはないだろうし食べたい物があるとこ入るか」
「何か食べたい物ある人いる?」
「キッシュが食べたいにゃ」
しれっと会話に参加して何事もなかったかのようにルチカが合流する。
「お仕事はいいんですの?」
「店長さんから友達が来てるなら休憩していいって言われたにゃ。てことでボクも入れてにゃ」
「じゃあ一緒にご飯行こっか。そういえばルチカは昨日もここで過ごしたの?」
「そうにゃ。ボクは昨日からサシュハに居るにゃ」
「どこか美味しいお店知ってるか?」
「昨日は遅くに着いたから昼はここで食べてないからわからにゃいにゃ」