4-30. 罪悪感!!
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「ところでグリム君。どうしてケツァルコアトルは君を呼んだんでしょうか?」
もちろん気になりますよね。スタンツにはケツァルコアトルと会っていたことはまだ話していなかったのにこれでバレてしまった。スタンツの視線がああまたいつものかという感じで痛い。
「何か近くに子供が来たのが珍しかったみたいですよ」
僕が初代王の末裔だからです、とは言えない。
「そうなんですね。町の子供は森には入らないように教育されていますから確かにそういうこともあるかもしれませんね」
あっさりと信じてくれて何だか少し罪悪感にかられる。スタンツやハドレアドには僕が呼ばれた理由は何となく察せられているかと思うと余計に気まずい。
「それにしても羨ましいですね。ドラゴンはこの町の住民からしたら崇拝対象なんですよ。自分は今日初めてお会いすることが出来ましたがこの町に住んでいても一生会うこともないというのに今日初めて来たグリム君が会えるとはなんて運がいいんでしょうか」
会うのは2度目ですなんて口が裂けても言えません。
「そうなんですか。そんな貴重な体験が出来たなんてよかったです」
自分で言いながらスタンツとハドレアドからの視線が気になってしょうがない。これが僕の猿芝居だと思われていたりしないだろうかと。実際のところドラゴンにはちょっとだけ会ってみたいと思っていたのでこれに関しては本心である。やましいと思う心がそう思わせているただの被害妄想だろうか。
「それにしてもドラゴンってやっぱり特級モンスターなんですよね。お会いして初めて実感出来るといいますか今までモンスターを狩ってきてあんなにも対峙したしただけで敵わないと思ったのは初めてですよ」
「そんなに凄いんすか?」
この4人の中でスタンツだけがケツァルコアトルに会えていないのであの何とも言えない感覚がわからないようだ。
「何と言えばいいのか難しいですけど狩る気にならないというかそういう存在じゃないんですよね。心地よい重圧と言いますか」
僕にはその感覚はよくわからない。そもそもモンスターを狩る対象として見るという感覚がわからない。モンスターが凶暴だったり攻撃的だったなら倒す気にもなるけれど狩るというのは苦手だ。結局ラビも拘束は出来たが狩れたかどうかと言われると微妙だし。




