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4-28. 冒険者たるもの!!

 

 □□□□□□□□


「なんや結局互角かいな。うちらがコボルト10匹でそっちがラビ10匹か。バランスはええな」


 実のところ僕たちは途中から狩りどころではなかったのだけど最初に狩ったラビだけで成果が釣り合ってよかった。あの後も結局残りのラビを拘束して予定の時間になってしまった。ドラゴンの咆哮により気絶したラビは戻ってからも気絶したままだったので捕獲はしやすかった。


「でもこの勝負はうちらの勝ちやな。成果は変わらんけどこれから加工したり移動したりすること考えたらあんたら疲れすぎや。冒険者たる者余力を残すんも仕事のうちやで」


 ドラゴンが持つ重圧のようなものだろうか。僕は単純に悩みを1つプレゼントされたわけだから疲れているのもわかるがただ立っていただけのハドレアドも心()しか疲れているように見える。カルミンも心労の為か疲れているようだ。3人が3人とも疲弊していた。

 やはり彼に何も言わずに離れたのはダメだったな。あのときは待っている余裕もなく声のする方に向かってしまったけどどうにか伝えるべきだった。とはいえハドレアドはその任務の性質上伝言の為に1人で待っているなんてことはしてくれないだろうしあのときは手段が思いつかなかったが書き置きくらいはするべきだったと思う。


「今からこれを加工するで。あんたら何かめちゃくち ゃ疲れてるし町で休んでてえーで。今日は助手が2人もいてくれてるからな。あんたらおらんくてもいつもより人数多いしなんとかなるわ」


 なんて優しいんだろう。これが職業実践という授業の一環であることを考えると休んで何もしないというのは如何なものかと思うがあえてそこは口に出さない。いまはゆっくりと休みたい。突然突きつけられた難題に精神的に参っている。


「すみません。お言葉に甘えてもよいでしょうか。ちょっと自分たちは家で休ませてもらいますね。移動にはついていきますんでまた声をかけてくださいね」


 どうやらカルミンも疲れているらしい。


「せやな。休める時に休むんも冒険者の資質やな。分かった、うちに任しとき」


 何とも頼もしい一言である。


 僕らはその優しい言葉に甘えて町にあるカルミンの家で休息を取ることにした。

 ドラゴンの住処といい今日はお宅訪問イベントが多いな。

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