4-19. いつもの流れ!!
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「じゃあ得意魔法を見せて貰ってもいいですかね?」
そう言われてランが火魔法をスタンツが土魔法を見せた後に僕の番がやってくる。ちなみにハドレアドは中級魔法士程度の魔法は使えると自己申告していた。中級魔法士とは中級モンスターを単独で倒せる程度の実力である。ラビやコボルトで苦戦することはないだろう。
「えっとですね、僕魔力値が0で魔法が使えないんですよ。その代わりにギフトが使えるんです」
風魔法が使える設定にしようか悩んだが正直に言うことにした。いまは学園でも周知の事実だし風を起こせといわれると出来ないことはないけど難しいから。
「なんや、ほんまに足手纏いなんか」
「ギフトが使えるんで足を引っ張ることはないと思いますよ」
「ほんまか?どんなんなんや?」
いつものようにミカをひょいっとサイコキネシスで持ち上げる。ちょっと意地悪されたので意趣返しとして足側を持ち上げ顔の高さで体を地面と並行にする。ぐいっとただ上に持ち上げるだけよりも女の人には効くだろう。今まで気にしなかったのはティアナさんくらいだ。ついでに足側をカルミンの方に持っていく。知り合いに見られる方が恥ずかしいだろうという判断だった。森に入るというのに短パンというか下尻が見えるレベルのショートパンツを履いているために思いっきりサービスショットがカルミンに披露されている。
「えっ?なんやこれ?あかん、ちょっと降ろして」
カルミンに顔の高さで足側を至近距離で見せていることに気づき手で押さえているが押さえきれていない。
「待って待って。わかった、わかったから。早う降ろしてや」
僕の方には顔が向いているんだけどキツく当たられていたのに困り顔になったかと思うと頬が色づいて涙目になったりして何だか可愛かったので見ていたかった為まだ降ろしていない。
「う、うちが悪かったんはわかったからいい加減勘弁してや」
泣き出しそうな雰囲気になってきたのでそろそろ引き時だろうと思い降ろす。
あと横のランの視線がとても冷ややかだったのも降ろした要因だった。
サイコキネシスで浮かせるのをやめるとその場にぺたんとへたり込んでしまった。
あ、ちょっとやり過ぎたかな。
「あんたが戦力なんはわかったわ」
「僕グリームって言います。グリムって呼んでください」
「わかった。うちはグリムのこと認めたるわ」
そう言ってひっそりと涙を拭いてミカが何事もなかったかのように立ち上がった。