4-7. 口は災いの元って言うけれど!!
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1回戦を勝ち上がったのは当たり前ながら20人の半分の10人で2回戦以降のペアは先生たちが決めるらしい。僕のペアはルチカになった。光魔法のルチカがどうやって1回戦を勝ち上がったのかわからないが誰が相手でも僕は負けるつもりはない。
「にゃはー。ボクもしかしたらグリムに勝てちゃうかもしれないにゃ」
ルチカはなんだか僕と戦えるのが嬉しいのかテンションが上がっている。いやこいつはいつもこんな感じか。
「僕はルチカに負けるつもりはないよ」
「わからにゃいにゃ。もしかしたらボクが勝つこともあるかもしれにゃいにゃ」
「可能性はあるかもしれないけど負けないよ」
「そんにゃに言うにゃら賭けをするにゃ」
ビシッと僕の顔を指差して提案される。
「いいけど何を賭けるの?」
「この勝負負けたらグリムは婿に来るにゃ」
うーん。いきなり何を言い出すんだろう。
「婿は無理かも。ルチカが嫁に来るなら大丈夫だと思うけど」
さすがに五大家の長男が婿にはいけないだろう。ルチカが貴族だというなら嫁に来る分には多分問題ない。僕には今のところ婚約者も居ないし負けるつもりもないから勝負してもいいだろう。
「にゃにゃ。お嫁さんだにゃんてそんにゃ...。この勝負受けて立つにゃ」
うん?勝負を吹っかけて来たのはルチカの方だと思うんだけど僕が仕掛けたみたいに言うのはやめてほしいな。
「グリムあなたってば...」
あ、ほらランに誤解されたじゃん。何だか呆れられてしまった。
「勝てばいいんですわ。私に当たるまで負けないでくださいませ」
誰に当たっても負けるつもりはない。
「グリム君に勝てばお嫁さんにしてくれるの?」
「いやそういうわけじゃなくって...」
「え?ルチカちゃんはよくてメアリはダメなのかな?」
「そういうわけじゃなくって...」
あれ何で僕追い詰められてるんだろう。
「グリム勝ちなさい。負けてしまってはおじさまに何て報告するおつもりですの?」
「わかった。負けたら婚約者でも嫁でも何でもいいよ」
ちょっとヤケクソだが男に二言はない。要するに勝てばいいのだ勝てば。
「オレは勝っても求婚しないから安心してくれ」
肩をポンッと叩かれる。
学園の魔法の授業で将来が決まるとか勘弁してほしい。というか今更ながらこの勝負勝っても僕にメリットがないことに気づく。いくらなんでも負けたら妻が決まるのに勝っても何もなしって酷くないかな。