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3-41. 身バレ!!

 

 □□□□□□□□


 月曜日。教室で自分の机に座りながらクラスメイトたちを見る。クラスの女子全員が貴族っていうのも凄いよね。要するにここはもう社交場なのだ。学園を卒業した後も関わる子もいるだろうし円滑な人間関係を築かなければいけない。

 学園の理念はどこにいったのかクラスメイトほぼ全員の身分を知ることになる。ルチカが貴族だったことには驚いたが他はまぁ何となく(にじ)みに出ている子もいる。エレノアなんかは貴族と言われて納得である。ランは滲み出るどころか高貴さが(あふ)れているが元々身分を知っていた上に知らなくても所作でわかるからな。

 ヒューイットは平民だけどお金持ちだろうしこのクラスはお金持ちばかりだな。ポルトも生活に困るなんてことはないだろうし。唯一わかっていないスタンツにあえて身分を聞くようなことはしない。身分を聞かなきゃ友達になれないなんてことはないんだから。他のクラスメイトの身分を知ったのも不可抗力だし。


「にゃーんか見たとあるにゃ」


 ルチカが突然僕の所にやってきてそんなことを言う。


「見たことあるも何も数ヶ月前からクラスメイトだけど」


「そうだよにゃ。わかってはいるにゃ。でもにゃー」


 勘がいいのか悪いのか。攫われてから1週間も経って何も言われないから安心していたのにどうして今頃こんなことを言われるんだろう。


「グリムちょっと立つにゃ」


 言われるがまま立つ。


「んー、ミリムに似てるにゃ。むしろそのものだにゃ」


 まぁその通りなんですけど。何も言わないけど。

 手を広げ抱きついてくる。


「やっぱりグリムはミリムだにゃ。抱きついたときの感覚が一緒にゃ」


「私も気になってたわ。ミリムって名乗ってた子があなたにそっくりだったの」


 反論しようかと思ったところでサリまで参戦する。


「もしあなたじゃないなら妹さんかしら?」


 観念しよう。名乗った名前も悪かった。2年後に入学してくる妹と同じ名前で顔が僕そっくりとかもう言い逃れも出来ない。


「あれは僕です」


 お手上げといった感じに両手を上げて白状する。腰にはルチカがくっついたままだ。


 こうして2回目の誘拐は僕にカルチャーショックと女装趣味の変態という称号を与えてくれ事件は幕を閉じた。

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