3-24. 僕っていつも後で気付く!!
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小瓶には普段なら10個くらい入っている飴が残り5個しか入っていなかった。昨日ハーティットと対峙した後に食べたんだった。いつもなら寝る前に補充するのだが昨日は馬車の中で補充が出来なかった。いや、攫われるのを前提とした行動を取っていたのだから起きている間に補充するべきだった。商店街だって訪れたのだから。予定外のことが起き一瞬頭の中が真っ白になったがすぐに切り替える。とりあえず3個の飴をガリガリと噛みながら消費する。
実のところ僕のギフトにもいくつかの弱点がある。
その1つがこれである。
糖分を異常に消費する。
僕がギフトを使用後にやたら休憩したがるのは糖分摂取のためである。
足音が大きくなり第二弾が到着した。
飴を摂取したことによりまだサイコキネシスは使える。
全員をまずは手を合わせていただきますのポーズにした後に上に持ち上げる。この作業にも慣れたものである。なんだこれはとかどうなってるのとか困惑した声が上から聞こえてくるが気にしない。それよりも僕のこの作業に限界がある以上次の手を考えなければいけない。
「どこかにあの人たちを縛る縄ってないかな?」
「それなら私たちを縛っていた縄がありますわ。数は足りませんけど長さや強度は問題ないのではありませんか」
縛られていた少女は10人なので僕のと合わせて11本の縄がある。後ろ手に縛りたいところだが前から後ろに合わせる手を変えるのは難易度が高い。その間に魔法攻撃を受けないとも限らないし前で縛ろう。僕が受ける分には何ら問題はないんだけどね。
「とりあえず1人ずつ下ろしてガッチリ縛っちゃおうか」
まずは1番最初に持ち上げたお兄さんを下ろす。誰かにお願いして縛ってもらおうかと思ったがこんなときに頼めるのって結局ランなんだよね。でも彼女を誘拐犯なんかに触れさせたくはない。既に触られてはいるもののわざわざ触らせることもしたくない。
手を翳し魔法を使用してるフリをしていたのをやめ自分で縛ることにした。元々屋敷にいた少女や一緒に誘拐された知らない少女には頼めないしルチカやサリ、メアリにも頼めないと思って出した結論だ。
手首と手首の隙間を開けずにまずは縛る。ここを開けると縄抜けが容易に出来ると前世のマジック番組で見た。手首を縛った後で掌をぐるぐる巻きにして魔法を使えないようにして完成である。