宣言します!
いつも通りの所定の位置に座ると、もさもさとパンを食べ始める。
我が家で取り扱っている商品の一つでもあるこのパン、結構おいしい。
意外と売れていないようだけど、家の中の評判は良いためしばらくは入荷を続けるようだ。
さて、二つ目を食べようかと手を伸ばしたところで、誰か部屋に入ってきたようだ。
「ん?ようやく起きたか。」
「おはよー。」
「ばっか、もう昼だっつーの。」
それはお兄ちゃんだった。
昼食をとるために戻ってきたようだ。
私の対面の椅子に座ると、
「またパンだけかよ。何か他には食べないのか?」
「お昼だからいいの。起きたばっかだしそんなに食べれないって。」
「あっそ。」
「そう。」
私がお昼はいつも簡単に済ませてしまうことを知っているからか、特に興味は無いようだ。
「んで、午後の予定は?」
「特に決めてないよ。」
「そんなら、店を少しは手伝えよ。」
「えーっ、やだよー。」
「やだとはなんだ。お前誰のおかげでメシ食えてると思ってるんだよ。」
「ん?お祖父ちゃんのおかげ?」
「お前な・・・。」
どうやら毒気が抜けてしまったようだ。
説教をするつもりだったのだろうけど、そうはいかない。
こちとら何年妹やってると思ってんだ。
キャリアが違うのですよ。
「お前な、学校卒業したんだし、いい加減何かしろよ。」
「何かって?」
「家の仕事が嫌なら、他所で働いたっていい。花嫁修業の一環として、何か手習いしたっていい。やりたいことはないのかよ?」
頭を抱えつつ、そんな質問を飛ばしてくる。
でも、何やっててもいいなら、家でダラダラしてたっていいじゃん。
いや、怒られるの目に見えてるから言わないけど。
「本当に何でもいいの?」
「ん?何かあるのか?何でもいいぞ。」
それなら、前から考えてた事を実行させて貰おうじゃないか。
「それなら私、冒険者になりたい!」
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