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討伐開始

私達は街を出ると、東の街道から逸れた場所へと移動する。

街を囲うように存在する森から少し離れた場所で魔物を狩っていく予定だ。

初めての依頼を受けた時に訪れた場所のような場所だ。

どうにもこの場所で魔物の発見報告が多数、ギルドに寄せられたらしい。

確かにちらほらと魔物の影が伺える。


「よし、それじゃ始めるか。ティム、適当に魔物を釣りだしてくれ。ガルシアとエル、それと嬢ちゃんは戦闘準備。」


皆に号令をかけるレギンさんは、その体を生かした体術を得意とする格闘家だ。

ガントレットをしているが、それは身を守る為ではなく、敵を殴り飛ばす為に装備している。


「あいよ、すぐにひっぱってくらぁな」


レギンさんの言葉に答えたのはティムさん。

彼はこのパーティーにおける目の役目をしている。

レンジャーという職についていることもあるせいか、何でも屋のような立ち位置だ。


「さぁーて、今日はどんだけ狩れるかな。」


「ガルシア、静かに準備。」


「へいへーい、わかってますよー。」


気楽な言葉を出すのは、ガルシアさん。

両手斧で敵を凪ぎ払う戦士だ。

このパーティーのムードメーカーだ。

そんなガルシアさんをたしなめるのは、エルさん。

パーティーで紅一点の優秀な魔法使いだ。

口数少ない人だけど、リフィさんとか女性だけで話をすると、とたんにお喋り好きになったりする。


各々が武器を手に持ち、その時を待つ。


「よし、何体かそっち行ったぞ。」


「よし、戦闘開始だ。」


レギンさんの合図で戦闘が始まる。

ウェアラットやハイウルフ、ラビットホーンなどものの数ではないと言うかのように、片っ端から撃破していく。

私も彼らに倣うように、剣を振り続ける。

一体また一体と数を減らしていく。

もうしばらく倒し続ければ、戦いも終わる。

そんなさなかティムさんが叫び声を上げる。


「なっ、ヤバい!ブラッドベアだ!」


「なんだと!」


その声にレギンさんも慌てたような声を上げる。

ガルシアさんとエルさんも表情が少し固くなったようだ。


ブラッドベア?

私は見たことが無いせいで、状況がよくわかっていない。

でも、ベテランの冒険者である彼らがこれだけ慌てているのだ。

相当危険な魔物ということか。


「エルと嬢ちゃんはそのまま周りを片付けてくれ。ティム、お前も嬢ちゃん達にと一緒にあたってくれ。ガルシア、前に出ろ。俺と二人でぶつかる。」


「了解!」


と、私以外はすぐに対応する。


「アリス、言われた通り。」


そういうと、手に持った杖を振り魔物に向けて氷の礫を放つ。

尖った礫は魔物に突き刺さり、あるいは貫通すると非情に命を奪い去っていく。


「ま、そういうこった。いきなりバタバタしだして戸惑うのも分かるが、こんなときこそ冷静にってなもんよ。」


いつの間にか私の近くにまで接近していた魔物を、ティムさんは手に持ったナイフで切り裂く。


「でも、急にどうしたんです?ブラッドベアっていったい?」


「Aランク相当の魔物だよ。本当なら森の中まで入って行かなけりゃ、出くわすわけ無いんだかな。」


私の悩みを解決してくれる。

でもそうなると別の悩みが湧いてくる。

何でそんな危険な魔物が、森から出た場所に出現しているのかということ。

しかも街道から少し離れたくらいの場所だ。

ひとつ間違えば、街にまで被害を与える可能性すらありうる。


「なに、はぐれってやつだろ。たまにいるんだよ。空気も読まんとノコノコこんなとこに出てきちまう個体ってのが。ま、レギンの奴に任せときゃ大丈夫だ。」


そう言ってニヒルに笑う。

どうにも私の不安を取り除こうとしてくれてるみたいだ。

なんにせよ、立ちすくんでいるわけにはいかない。

私も懸命に魔物を倒していく。


私が何匹か魔物を倒した頃、それは現れた。

のっそりと現れたそれは、こちらを見やると小さく鳴きながら、駆け出してくる。

そこにレギンさんとガルシアさんが立ち向かう。

近づいていく二人の姿を確認したそれはその場で立ちあがり、待ち構える。


デッカイ!

あれがブラッドベア!

普通の人間にとって低ランクの魔物でも十分に脅威だと思うけど、これはその何倍も危険な感じがする。


そして、その恐怖の塊のような存在に果敢にレギンさんとガルシアさんが挑んでいく。


「お嬢ちゃん、危ねえ!」


ティムさんが私に危険を告げる。

右脇腹に衝撃が走り、吹き飛ばされる。

ものすごく痛い。

フードに入ったままのナイトが「ふぎゃ!」と変な声で鳴く。

でも、ローブのおかげか目立った外傷は無い。


どうやら私がブラッドベアの姿に気をとられたところを魔物にやられたようだ。

それまで私が立っていた場所の方を見ると、ハイウルフがこちらを凝視していた。

今にも飛びかからんばかりの勢いだ。


剣をそちらに向けようとするが手のなかには剣が無い。

どうも先程攻撃を受けた際に手放してしまったらしい。


「やばっ。」


そうこうしているうちに、ハイウルフは大きな顎で噛みつこうと飛びかかってくる。


「こんにゃろーー!ブレス!」


剣が無いなら魔法でいくしかない。

とっさに使った魔法はブレス。

風属性の下位呪文。

突風を起こして相手を吹き飛ばす魔法。

本来はただそれだけの魔法なんだけど、至近距離から放つと突風による衝撃波が相手にダメージを与える。


鳴きながら吹き飛ぶハイウルフ。

すぐに体制を立て直すと、飛ばされた剣を拾い魔物に斬りかかる。

無事に魔物を倒すことができた。


「アリス、油断大敵。」


「そういうこと。無事だったみたいだからまだいいが、肝を冷やしたぜ。」


「ごめんなさい。次は気を付ける。」


まだ、魔物は尽きない。


一度書いてたんですけど、操作間違えてデータを消してしまうガッカリ凡ミス発生。

そうせいか、当初書いた内容とまるっと変わってしまった。


ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。

また、様々な感想を頂けるとありがたいです。

今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。

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