おはようございます
今日も暇だ。
暇で暇で仕方ない。
今日も今日とて、ベッドの上でのんびり眠っていた。
カーテンからもれる光が、かなり明るいのを見るともうお昼頃かな?
そういえば、おなかがすいた気がする。
「う~ん。」
ぐーっとのびをすると、いそいそと起きだす。
着替えは・・・後でいいか。
とりあえずなんか食べたいし、水も飲みたい。
部屋を出ると、階段を下っていく。
一階に下りると、ガヤガヤと騒々しい。
「今日もお客さん、いっぱいなんかね?」
とはいえ、騒がしい方には見向きもせず、奥の部屋へと向かっていく。
私の家は、結構有名な商店だったりする。
お祖父ちゃんが店のすべてを取り仕切り、お兄ちゃんはお店の後継者として日々働いている。
そして私はというと、何もせずだらだらと日々を無為に過ごしていたりする。
ドアをあけ、部屋へと入る。
居間を抜け、台所に向かう。
どうも誰か居るようだ。
あまり上手じゃない鼻歌が聞こえてくる。
「おはよう、サラさん。」
台所で調理をしている義理の姉、サラに私は声をかける。
「あら、おはようアリスちゃん。」
こちらに振り向くと、にっこりと微笑みながら挨拶を返してくれる。
心なしか頬が赤い。
鼻歌を聴かれたのが恥ずかしかったんだろうか?
「サラさん。お昼?何作ってるの?」
「ん?お昼だし簡単に炒め物よ。」
「へー、そうなんだー。」
そういいながら、フライパンの中を覗く。
とてもおいしそうな香りを立てている。
が、見た目に騙されてはいけない。
「一緒に食べる?」
「うーん、今日はやめとくね。それよりのど渇いちゃった。」
そういうと、台所奥にある水がめから、水をすくい一飲み。
少しぬるい水ではあるが、起き抜けには心地いい。
我ながら上手く逃げれたと思う。
見た目はすばらしいし、香りもいい。
しかし、味が壊滅的なのだ。
わたしも、祖父も一口でノックアウトしたのは苦い思い出だ。
この家で唯一この料理を食べられるのは、兄のみだ。
きっと愛のなせる業なのだろう。
コップに水を注ぎ、棚に仕舞われているパンを取り出すと、居間へと移動することにした。
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