No.16 変わらぬ日々
今日1日に3話更新に挑戦します!
それでは由梨の過去編、スタァートッ
((((っ・ω・)っ
No.16 変わらぬ日々
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「......り、由梨、ゆりぃ?聞いてる?」
真っ白だった視界が段々と色づき始め、聞こえてくる音もそれに比例し大きくなる。
_____そう、今は放課後でハルとカフェに寄り道していてなんの話ししてたっけ
「うん、後輩の彼氏の可愛さがなんだっけ?」
意識を戻すと同時に最後に覚えているワードで取り繕う。イチか、バチか________
「そうなんだよ!彼は僕との初めてのキスの時にね......」
______イチ!セェェェェェフッッ‼︎
ここで、右手の中指がコーヒーカップの重量により悲鳴を上げていることに気づいたといっても手遅れである。
傾いたカップからダイブを披露し、制服のスカートに着地を決める湯気を纏ったコーヒーを、由梨は豪華スローモーションで一部始終目撃する羽目となった。
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「あ〜また椿に怒られる......」
カンフー映画の名優ばりのホアタボイス(人間語訳:熱いッ)をカフェで披露してから10分。由梨は家に帰ると聞くことになるであろう、実弟の小言に憂鬱な気分を満喫していた。
「由梨って頭いいのに変なとこでおバカだよねー」
「常におバカに言われたくなーい」
「ふふ、僕の頭のことより」
春はいたずらっぽく笑う。
「お叱りだけで済んだらいいね、なんせ椿君はぁ~」
春はそう言いつつ左手で輪を作り、右手の人差し指を輪に差し込む。
「ははははっはっハルッあああああああんた」
思い当たる節があったのか、由梨の自称クールビューティは完全に崩壊し始めた。
「顔が赤いぞぉっゆっりちゃぁん」
「待ちなさいコラただでは置かないわよ止まりなさぁぁぁぁい」
両手を挙げはやし立てる春を、由梨は学年最速の脚で追いかけ回し続けた。
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春が間もなく公衆トイレに連行され、足腰立たなくなるまで自主規制の浮き目にあってから五分経過。
「......いないのかな」
マンションの一部屋、自宅と呼べるかどうかはわからないが、ようやく帰路についたところである。ドアを開け入ったが、全く人の気配がしな
「おかえり姉貴」
振り向こうとするや口に手を当てられ、片手だけで両手を拘束されてしまった。
「なぁにが「今日は遅くなるからぁ♡」だぁ?今日午前中授業だったよねぇぇ」
「あ、いやそれはってかなんでぇ」
少年_______椿は笑顔のまま続ける。
「ハルさんに聞いたんだよ。さあ吐け。どこに寄り道してたの?」
あ、あのやろおぉぉぉ......
to be continued......




