No.10 加速する戦い
No10 加速する戦い
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______振動刃を十時に構え、由梨は自らを囲む敵をせわしく1周見渡すと、警戒したまま大きく息を吐き出した。
「...そろそろ不味いかな」
由梨を取り囲む群れには、爪猿だけでなく、人式Ⅱ型、蜘蛛型の敵[iron spider]まで加わる始末である。何故[躊躇]しているのかは不明だが、いくら改造人間でも一度にこの数に襲われれば分が悪い。ましてや、由梨の手持ちは近接武器のみである___________________
_______突然、うごめいていた群れが、停止した。
____由梨は5秒間、何が起こったかわからずにいた。構えを一旦解き、先程と同様に見渡す。
と、群れは踵を返し、蜘蛛の子を散らすように去ろうとする。
「えっ」
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着地と同時に右腕を振り下ろす。
相手は両手の鉤爪を交差させ太刀を止めるが、
小刀を打ち重ね、両手の力と体重で上から圧力をかける。それを立ち上がる力で圧し返す。
「ふーん...あんたもかあ」
男は何も答えない。
「改造人間の最新型にはラジコン機能までついてんのか...すごいもんだな」
男は黙ったまま。
「EAGLEお得意の集団戦法なら全員まとめて俺1人にぶつけるんだろうが.....あの能無し共は低給の警備員みたいに巡回してたな?.......[何かを守っている]ように見えるんだけど、正解?」
次の瞬間、衝撃と鈍い痛みが走る。
男が押し返し、右脚で腹を蹴られた痛みだと気付くのにそれほど時間はかからなかった。
蓮は膝をつく。が、それと同時に相手も膝をついていた。どうやら、先程蹴られた痛みに耐えながら刀を押し返していたが限界が来たらしい。
先に立ち上がったのは、蓮だった。
「...立て」
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[code Whiteより本部へ________追加物資[Bパック]をお願いします_______[黒幕]に、接触できるかもしれない!]
無線機をしまい、群れの1つを追い続ける。
_______単に逃げたのでなく、[命令を受けた]のだとしたら、向かっているのは________[こいつらの拠点]、つまり[大将の居所]!!_________
と、上空から走る由梨に速度を合わせ、ゆっくりと輸送ヘリが高度を下げる。
ハッチが後方で口を開け、射出したのは______
由梨と並ぶように走るそれは、大型バイクだった。
走りながらハンドルに手をかけ、そのまま飛び乗る。
(こうして.....こうだっけ)
自動操縦から、手動に切り替え、アクセルを思いっきり回す。
「由梨ッ‼︎」
見上げると、いつの間にか前を飛んでいた輸送機のハッチから春が手を振る。
「これと.......」
左手に持っていた、短機関銃の予備マガジンを投げようとする。
「ちょっ、ちょっとタンマ!」
聞こえていなかったのか、春は由梨に向かってそれを放り投げる。由梨は間一髪のところで自動に切り替え直し、両手でキャッチする。
「これっ!」
由梨がバイクのバックパックにマガジンをしまうと間髪を入れず春が右手に持っていたものを投げる。
今度は難なく左手でキャッチした。
(これって.......)
左手に握っていたのは、白銀色の日本刀だった。
to be continued.............




