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SAKs  作者: 秋月
1/1

始まり

4月、寮の前に咲いている桜は満開。


今日は高校の入学式だ。今日から高校に入学する泉 楓 (いずみ かえで)はクルクル回ったり、飛んだりと嬉しさを体全体で表している。

その度にふわふわと揺れるピンクの髪がなんとも可愛らしい。


「あ、カイセンパイ!どうです⁉︎制服似合いますか⁉︎」


楓は寮から出てきた銀色の髪の男、仲原界人(なかはら かいと)に抱きついて聞く。


界人は少し驚いたようだったが、すぐに笑顔になり、はしゃいでいる楓を見て目を細め、髪を撫でる。


「すっごい似合ってるぞ〜!か〜わいい可愛い!そんな可愛い楓くんに、界人お兄さんからプレゼントだぞ〜」


界人は制服のポケットに手を入れると、中から飴を取り出し、楓の頭の上にポンと置く。


楓は頭の上の飴を受け取ると、袋を開けて口に入れる。


「ん〜、イチゴ味だぁ!ボクね〜イチゴだぁい好きなんだっ!カイセンパイありがと〜〜‼︎」


再び抱きついてきた楓に、それは良かったと再び笑う。






「朝から仲良しだなぁ、2人は。俺もまっぜろ〜〜‼︎」


寮の玄関から更に1人出てきて、2人の方に向かって突っ込んでいく。


界人はドンっと背中を押され、倒れそうになるのを堪える。


「ちょっとケン〜、イキナリ突っ込んでくるのは危ないよ?」


「いやぁ、羨ましくてつい…ね?」


えへへと笑いながらケンと呼ばれた男、日比谷健人(ひびや けんと)は頬をかく。


突然、楓はあれ?と健人の顔を覗き込む。といっても、楓の方が身長が低いので、実際には見上げている。


「ケンちゃんセンパイ、今日は目の下にクマが無いですよ⁉︎どうしたんですか⁉︎」


「人間、クマが無いのが普通だけどな」と界人が冷静な突っ込みを入れる。


健人は自他共に認めるゲーマーだ。

寝る間も惜しんでゲームをしているので、いつも目の下にクマを作っているのだ。


しかし今日は、健人の目の下にクマが見当たらない。

体調でも崩してゲームができなかったのかと楓は心配したのだ。


「昨日の夜はなー、一応ゲームしてたんだぜ?けど、勇さんに見つかって怒られちまって…」


やっちまった、と健人は頭をかく。


「共有ルームでやってるからだバカ」


後ろから少しバカにしたような声が聞こえてきた。

玄関から出てきてみんなの方へ向かう夕日のように赤い髪をした男は暁秋人(あかつき あきと)だ。


「ゲームなら、自分の部屋でもできるだろ?」


「やるなら大画面でやりたいじゃんかー‼︎」


一人一人の部屋にもゲームはあるが、共有ルームにはその何倍も大きいテレビが置いてある。

ゲーマーとしては、大きな画面の方がやりがいがあるのだろう。


「ふっ、そんな小さい事を気にしているからゲームが取り上げられるんだろ?」


「なっ、なんでお前取り上げられたこと知ってんだ⁉︎もしかして見てたのか⁉︎」


健人は勇という人に怒られたことはさっき話したが、取り上げられたことは話していないので、驚いたようだ。


「コーヒーを飲もうと思って台所へ行ったら、ちょうど怒られているところが見えたし」


健人は見られていたことが恥ずかしかったのか、顔が赤くなっている。


「ぅおおっしぃ‼︎そろそろ学校行こーぜー⁉︎いつまでも寮の前にいたら遅刻すっし⁉︎」


「まだ全然大丈夫ですよ〜。センパイ、話し逸らそうとしてます?」


「まぁまぁ、ここは話を合わせてあげるのが優しさってものだよ」


楓の肩に手を置いて界人が言う。


「まぁ、遅刻するよりは早めに行ったほうがいいだろうし…。そろそろ行こうか」


界人の言葉に続き、秋人も言う。

楓も2人の言葉を聞き早めに着けば学校探検ができるかも!ということで3人は学校へ向かった。





学校に着くと、楓は学校見学をしに行った。


秋人が付いて行くと言ったのだが、もう高校生だから一人で大丈夫だと断った。


残った3人はクラス発表の紙が貼られている場所へ向かう。


「ふ〜ん、オレは1組ね。リョーカイリョーカイ」


3年生である界人は先に教室へ向かう。


「お前ら、ケンカすんなよ?」


そう釘を刺して。



「健人が余計なことを言わなきゃ別にケンカなんかしないけどな」


「余計なことなんか今まで言った覚えないけど⁉︎

...お、アキ!お前2組だぞ、ほら‼︎」


健人は秋人の背中を叩きながら紙を指差す。


「なんで自分よりも先に僕のを見つけるんだよ。普通逆だろ」


「だってどのクラス見るにしても上から見るだろ?お前の名字は暁だから、すぐ見つかるんだよ」


「…ま、探す手間が省けたから良いけど…。でかした、健人」


「あーうん、感謝しろよ?お、俺も2組だ‼︎」


健人は2組の名簿の下のほうを指差す。


「去年はクラス違ったからなーー!うおおお…‼︎スッゲー嬉しい‼︎

よろしくなアキ〜‼︎」


健人は感激のあまり、秋人に抱きつく。


「ちょ、抱きつくな暑苦しい!それにいろんな人が見てるだろ⁉︎新学期早々変な誤解されるのは嫌だからな!」



確かに周りの人たちは秋人たちを見ている。が、男子たちは『またやってるよ…』という呆れた目、一部の女子たちは『キタコレ‼︎』とカメラのシャッターを光の速度で押しまくっている。






「まったく…」


健人の腕からやっとの事で逃れた秋人は、黒板に貼られている座席表を見て自分の席に着く。


(前々から思ってたけど、あいつはスキンシップが激しすぎんるだ!もしも本当に変な噂が立ったらどうしてくれる…‼︎)


遅れて健人も教室に入ってきた。


「アキ〜、怒った?

ゴーメン、アキが抱きつかれるの嫌いって忘れてたぜ。でも、今度からは言ってから抱きつくから!な?」


そう言い、後ろから秋人に抱きつく。

秋人は健人の手をどけると立ち上がる。


「だから!抱きつくなっていつも言ってんだろ⁉︎それに、宣言すれば抱きついて良いってわけじゃないから‼︎」


「じゃーどうすれば抱きついて良いんだよ‼︎」


「抱きつかなきゃいいんだよ‼︎」


周りから『いつも抱きついてんだ…』や『やっぱ2人って…』など、既に噂が立っていることはまだ2人とも知らないのだった。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


どうだったでしょうか?

気に入ってもらえれば嬉しいのですが



完全私得でした。


まだまだ続きます!

どこまで続くのかは正直私にも分からないです…(笑)

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