コレが僕の勇者!?
この作品を読んで頂くにあたって過度な期待はしないで下さいね!
ただただ疲れます(笑)
読んで頂けたら嬉しく思います。
それでは本編をお楽しみください。
ゲームを始める前に注意…いや、正確には忠告しておこう。
まず始めにこのRPGは王道の勇者のゲームである。
最後の結末が分かるから始めにネタバレせて頂く。
この物語は勇者が魔王を倒す王道のゲームである。
シンプルかつ分かりやすい。
だから、もう一度言う。
このRPGは王道の勇者のゲームである。
ただし、一度始めたら最後までクリアしないと
面倒な事が続く為、クリアする気のない方は最初からこのゲームで遊ばない事をお勧めします!
忠告は以上です。
あと一つ、選ばれたプレイヤーは強制的に参加させられますのであしからず。
さぁ頑張ってクリアしてくれたまえ!!
プレイヤーの諸君!!
貴方はこのゲームをプレイしますか?
イエスorノー
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日曜の昼下がり。
僕は必死にとあるゲームの攻略をしていた時だった。
「なぁー、菓子食いてー、持って来てー、なぁー」
「嫌だよ!!って何で出てくるんだよー!!」
「体力回復しに来たに決まってるじゃん」
「勇者だろうが!!なのに一度も戦ってないからな!!」
「モンスター倒すの面倒」
只今絶賛プレイ中の僕に話しかけてきた者が、駄々を捏ねてきた。
そう、コレが僕の勇者である。
見た目は二頭身の………ね。
だって……言わんでも分かるだろ!?(レトロゲームだから…)
「ふざけてないで早く戻れ!!仲間がピンチだろ!?」
「大丈夫だって~何だかんだで生き延びるからさ、あいつらしぶといしノープロブレム♪それに死んだら蘇生したら良いし、リトライ可能だし~」
「そんな事言ったら痛い目に…………」
「……?、どうした?なぜ黙ってるんだ?」
直後にテレビ画面から雷撃と竜巻、火炎弾が勇者目掛けて飛んできた。
素早く僕は部屋を出る。
「ぎゃぁぁぁぁぁー!!」
僕の部屋から悲鳴が鳴った。
「あー…言わんこっちゃない……」
巻き添えだけは回避出来た僕は部屋を覗くと黒焦げた勇者が居た。
気の毒なので取り敢えず回復アイテムを使ってやる事にした。
なんとも不思議な事に部屋は無事である…っと言うのは言うまでもなく結界のお蔭である。
結界事態はこのゲームソフトを持っている家の敷地のみで、敷地の外にでたらアウトなのだ。
想像して欲しい…。
只でさえ見た目は……(二頭身の…)コスプレしてる痛い奴が外で能力を発動させた姿をっ!!
剣まで振り回してる訳だ!!
警察に捕まりかけた事もある。
テレビ画面でプレイした技を観てたそれが現実世界で実際に行われる訳だから…。
炎を手のひらから出しただけで町行く人から放火魔だと通報されたり、雷を出しただけで停電が町一帯を混乱に落とし入れた。
そんな危険人物を預かり受ける僕には彼が疫病神に他ならない。
甚大な被害が出る事になるので早くクリアしたいのだが……。
「うぅ…酷い……」
「自業自得だ!!」
こんなやり取りを勇者と続けて三ヶ月になる。
こうなった経緯を語るとしよう。
ある日の休日の事、暇をもて余していた僕はとある中古屋さんでゲームを物色していた。
いつもなら、ネトゲーに明け暮れているのだが、この日ばかりはやる気がせず、それなら懐かしいレトロゲームでもと思い中古屋さんに探しに来たのだ。
なにかと古い建物の中古屋さんな為に中は薄暗く商品には所々に埃が被っていてなかなかの雰囲気がある店である。
ただ、品揃えは良く目に光るほどのレトロゲームや本が並んでいた。
そこで僕は選び悩んでいたのだが、ふと気が付くと手に取っていないはずのゲームソフトを持っていたのだ。
「なんだコレ …? 」
何だか不気味だが一応タイトルを確認する。
「勇者物のゲームか、けれどタイトルの部分が色褪せて読めないや…」
買う気なかったので商品を棚に戻した。
一通り店内を見て回ったので買うゲームをレジに持って行った時に事件が起きた。
さっき棚に戻したはずの商品がカゴの中に入っていたのだ。
「ありゃ?戻したはずなのに何で入ってるんだ?」
もう一度パッケージを確認して見ると先程の色褪せたゲームソフトである。
「すみません店主さん。このゲームソフトのタイトルって分かりますか?」
すると、店の店主が変な事を言ったのである。
「お前さん、選ばれちまったんだな~、災難だなぁ~、まぁタダでくれてやるから頑張んな!」
「タダで貰えるのはありがたいけど、って何かあるの?このゲーム……?」
「そのゲームで遊ぶか遊ばないかはお前さんが決めれば良いさ、遊ばないならそのゲームをクリアできる人にでもやればいい。っつても、お前さんは選ばれたからムリだがな…」
「ちょっ…ちょっと待ってっ?選ばれたって何に!?僕にはムリってどう言う事?そもそもできる人って、できない人がやったらどうなるのさ!」
「あー…なんだーその~まぁ~そうなったら自分達で何とかしな!」
そう言い残して店主はお店の奥に引っ込んで行った。
仕方がないのでタダで貰っらったゲームソフトを持って帰る事にした。
なぜなら少しばかり興味があったからだ。
ただ単に予算オーバーになる為、除外したのである。
学生の懐は厳しいのだ。
「小遣いで買うにはゲームソフトは高いよな、中古でなきゃ厳し過ぎる!!」
そんな事を考えながらも帰路に着いた。
「ただいまー」
「お帰りーって、またゲーム買ったの?」
「またって、三ヶ月前に買ったのが最後だよ、秋穂姉さん。」
「もう少し考えなさいよ、服とか靴とかさぁ~色々あるでしょ?」
「興味ない」
姉は何か言いたそうだったが返事を待たずに僕は自室に戻った。
僕の部屋は六畳間のフローリング部屋で、所々にゲーム機やゲームソフト、パソコンやら色々収まらなかったであろう漫画などが散乱している。
自室に帰ってから僕は買って来たゲームソフトを早速開いた…っというか貰ったゲームソフトだが、すると中から説明書と思われる手書きの紙が出てきた。
内容はゲームで遊ぶ前の注意事項と言うか忠告事項。
選ばれたプレイヤーは強制参加 である事とやたらと勇者物だと押してくるほどのうざい内容だった。
誰がどうやっても胡散臭いし面倒臭がってやらないだろうゲームに何故か興味が湧いたのが運の悪さだったのだろう。
僕は気にせずゲームをスタートさせてしまった。
後悔する事になる…このゲームはクソゲーだと…。
ゲーム機にソフトをセットしてスタートする。
すると定番の始まり方にちょっとした懐かしいBGMとともに滑り出しは至ってふつうのゲームである。
何故かタイトルが出てこなかったが……?。
「なんだ、ただのレトロゲームじゃないか!ちょっとだけ期待してたんだけどな~」
まぁ定番なのだからあたりまえなのだが…。
などと思いながらも話を進める。
物語の内容をざっくりと説明しよう。
まず、この世界は魔王に支配されようとしていた。小さな村の外れに主人公となる勇者が居たところは遺跡があり調べていた所にモンスターに襲われる。
普段から彼はよく遺跡に行って調べていたのだが、この日に限って表れたモンスターが魔王の手により狂暴化しており、村も襲われる。
仲間を集めて討伐する事にした勇者はこれ以上の被害を出さない為にも魔王を倒す為に旅にでる事にしたのだった…。
とまぁ、こんな感じである。
ありきたりではあるが、大概の勇者物は町をモンスターに襲われたり、遺跡で聖剣を手に入れたり、秘宝を守ったりなどと様々な出だしで始まる。
そのゲームもそれと同じように始まるはずだったのだが、プロローグが流れ終えた後に問題が起きた。
勇者の名前を入力出来ないのだ。
大概の勇者物は名前などを設定できる様になってたりするのだが(レトロゲームは特に)、希に世界観に合わせてキャラネームが決まっているのもあるにはあるがコレはそれがない。
最近のRPGゲームは世界観を壊さない為にキャラの名前は決まってるのもあるしネトゲー(いわゆるオンラインゲーム)はプレイヤー自信が決めるがこのソフトはレトロゲームである。
入力機能が付いているにも関わらず名前を入力出来ないのはおかしい。
人によってはふざけたネーミングだったりするが自分の名前を入力して自分を勇者に仕立て上げて楽しむのが筋の筈だ。
「ちょっ…壊れてんのか?コレ…いや、バグってるだけか?古そうだもんな~このゲームソフト」
入力出来なかったが、話を進める事が出来た。
次にした事は武器選び。
ここでも問題が起きた。
武器が選べないのである。
大概はレベルにあった武器を身に付ける訳だが、それも出来ない。
初期設定では武器は決まってるけどモンスター倒してお金貯めて武器や防具、回復アイテムを買いレベルを上げてボスに挑む。
この流れを無視している訳で…。
「何なんだ!?これじゃぁ、初期武器じゃこの先の強いモンスターもろくに倒せないじゃないか!!どうなってるんだ!?」
僕のテンション下がりっぱなしである。
これじゃあ、何の為に暇つぶしするために買いに行ったのか分からない…このゲームは貰ったのだが…。
一気にやる気を無くした僕は他に買ったゲームで遊ぶ事にしたのだが…さっきのゲームソフトが取り出せない!!
「嘘だろ…いや、古いから引っ掛かってるのかも!」
そう言い聞かせて再びソフトを取り出そうとするもビクともしなかった…。
「………終わった………」
チーンと聞こえもしない音を想像しながら僕は絶望した。
「ははっ…ははは…どうしようコレ…最悪としか言いようがない…」
空笑いしか出てこなかった僕に更なる追い討ちが掛かる。
テレビ画面が勝手に光だし中から何かが飛び出して来たのだ!!……って言うか上半身…てか首から下がテレビ画面の枠にはまっていた。
どうやら体が引っ掛かってるようだ。
「……………はっ!…………」
「……………えっ!?……………」
目が合った。
「あー…えっと…助けて?」
「嫌だ、知らないヤツを助ける義理はない」
誰だってそう言うに決まってる、得体の知れないヤツに誰が関わりたいものか!!
「うっそだ~、薄々気付いてるだろ?だから助けて?」
「嫌だ!!」
「即答かよ!?」
「当たり前だ!!」
「君はもう関わってるから俺を助ける必要があるんだけどそれでもダメ?」
「……………」
「いいのか?このままで困るのは君だよ?」
「……………」
1分くらい悩みに悩んで仕方なく助ける事にした…不本意だけど…。
「ふうぅ~、助かった~ありがとな!」
「それはいいから説明しろよ!」
「あー…えっと…ちょっと長くなるだろうから何か摘まみながら話さない?」
「腹減ってるならそう言え!!」
「悪かった…お腹空いてるので食べ物を下さい。お願いします!」
言い直した奴を見下ろしす。
言葉は直した、だが態度がなっちゃいねぇ―。
あぐらかいて頼むヤツがあるか!?
「……はぁ~……ちょっと待ってろ!ただし、ソコから動くな!」
初対面の筈なのに図々しいヤツである。
仕方ないから飲み物と御菓子を取りに台所に向かった。
このままで困るのは間違いないからだ。
話を進める為にも仕方ないと自分に言い聞かせた。
「ホントに僕の考えが合ってるならアイツは勇者だよな?(二頭身だけど…)」
こんなことが在るのか?などと考えても仕方ない疑問を抱えたまま冷蔵庫からジュースと御菓子を取り出す。
そこで視線を感じた。
リビングから姉が此方をじっと見つめていたのだ。
「な、何かな?何か僕の顔に付いてる?」
「いや付いてない…。ただ、あんたの部屋から物音がしてさっきからうるさいんだけど…誰か居るの?」
「…へっ?誰かって誰も居ないよ?多分、ゲームの音だよ」
確かに物音がする。
やな予感しかしないが…。
やばっ、早く戻らなければ!!
「ごめん秋穂姉さん、もう少し音小さくするから行くね!」
「あっ、ちょっと待ちなさいよっ!!」
「ホントごめん!」
そう言って、リビングを出た。
姉が追いかけて来なかったのは幸いである。
部屋に着いた僕は目を疑った。
部屋が広くなっている事にもだが、自分の私物が無くなっていたし、代わりに物騒な物が置かれていたのだ。
「おいっ、おまえ、僕の部屋に何をした!?」
「あっ、お帰り~ちょっとばかし狭かったから広くしたよ~」
「広くしたって、僕の私物はどうした?」
「捨てたけど?」
「……………」
一人称僕と言っているが、さすがにバレるだろうから言っておく。
僕は基本口が悪い。
姉に頭が上がらないからああいう口調なだけで俺と言いたいのだがもう口癖になっているから諦めた。
偽るのも面倒だしな。
だから、姉の目の届かない所では素が出る。
だから言動も悪い訳で………気付いたらおもいっきり奴をぶん殴っていた。
「痛ってぇぇぇぇぇぇぇぇ―!!」
「……………」
さすがに姉にバレただろうが構ってられない。
説明は後ですればいい。
どうせバレる事だ。
「冗談だって、痛っ、あたたっ、マジで殴る事ないだろ!?」
「戻せ、今すぐにだ!!」
「広くなったんだから別に戻す必要は、それにコレだって必要………!」
ビクッとなった奴がどんどん顔が真っ青になっていく。
相当僕の顔が怖いらしい、自分じゃ分からないが…。
「戻せ!!」
もう一度言うと今度は戻した、いつも居る風景に早変わりする。
どうなってるんだ?
仕組みが分からないが某アニメの秘密道具みたいなのだろうか?
などと考えていたが本題に入らなければ何をしでかすか分かったもんじゃない!!
びっくりする事ばかりが起こっているが取り敢えず奴を取り調べる必要がある。
「さっさと本題に入りやがれ!!」
さっきまでの態度が売って変わって正座になっている。
「はい」
コレが勇者なのか?と疑いたくなる訳で…。
「俺は見た目通り勇者だ。」
「だろうな…(二頭身だけどな…)」
「実はこのゲームはだなぁ~…………………………………………………………………………………………………………………な訳で、宜しく頼むよ!」
「……………嘘だろ!?」
僕は文字通り空いた口が塞がらなかった。
話の内容があまりにも突拍子のない事と理解出来たのがこのゲームソフトをクリアするまでコイツと一生過ごしていかないといけない事実だった。
ヤツの口調が戻っていたが気にする余裕が無いほど僕は混乱しっぱなしである。
最悪のゲームをスタートさせてしまった。
そんな訳で今に至るのだがこの勇者、とんでもないこと言っといて全くやる気が無いのだから困った。
クリアする気が無いって言ってもいい。
此方の世界でだらけているだけでゲーム世界に戻る気ゼロである。
最近ではアニメなんかみてたりゲームまで使始めたほど馴染んでしまっている。
ゲームのキャラがゲームで遊んでどうするんだ!?
と突っ込みたくなるのだがしたら負けの気がするからしない。
だからといってこのままではいつまでも話が進まないから促す。
「コレ食ったらさっさと戻れ!!」
「りょうか~い」
ぬるい返事が返ってきた。
僕の口から深いため息が出た。
こりゃ今日はもうやる気がないと分かったからだ。
大体がこの調子である。
だが僕はそんなヤツと吊るんでいて楽しんでる自分がいる………、不本意だけどな。
このゲーム、いつクリア出来るのだろうか?
そんな事を思いながら僕はヤツを見た。
コレが僕の勇者である。
そんな僕の考えと裏腹に事態は刻一刻と進んでいる事に僕はまだ知らないだけだった。
僕もほとんど自覚が無い。
当然といえば当然なのだが、やっぱり奴が黙って過ごしてる筈がない。
だって魔王だもの!
あっ、そう言えば僕の自己紹介がまだだっけ?
知らなくていいよね?
知られたくないし?
勝手に名前も容姿も想像してくれて構わない。
だって僕になりきって貰いたいからな!
僕と一緒にこのダメな僕の勇者をプレイ…できず苦悩してくれ!
いつか僕の素性は明かすとして。
多分近いうちに分かるだろう。
それでは貴方はこのゲームをプレイしますか?
イエスorノー
読者の皆様、初めましてゆずの里と申します。
この作品を最後まで、又は途中までの方も読んで頂き誠にありがとうございます。
この作品が私のデビュー作品になるのですが、ちゃんと書けていますでしょうか?
なにせ頭の中はバカなのでバカな頭をフル回転させてただ想像のままに書いた為、資料を集める事なく作ってしまいました。
正直、小説家は私には無理だと自負してます。
文章力が欠けてるので…苦手なんですよ国語。
そんな私の作品を読んで頂けたら嬉しく思います。
それではストーリーを作るまでの話です。
ネタはレトロゲームですが、今現在古い作品もリメイクされてる次代です。
やっぱり王道は外せませんよね?
その中で勇者物は愛されていると思うのですよ!
なので勇者と勇者を操作する主人公の話にしました。
変わったゲームないかな~なんて思っていたのですが、なら自分で作ってしまえってな感じでできました。
そんな私の妄想作品を今後とも宜しくお願いします!
PS 自分ひとりでRPGクリアしたことあったっけ?