表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第二話

「足、踏まれたんだけど」


大変不機嫌です、と言わんばかりの声色で隣の人が隙間を縫って一歩前進する。まるで私と背後の男性の間に割って入るように歩みを進めた男性に睨まれた痴漢は「あ、う」っと情けない声を出した後、蚊の鳴くような小さな声で「すみません」と謝っていた。


ふんっ、と隣に立っていた男性が鼻を鳴らしたようだった。それと同時に周囲からの無言の視線が集中しているのに気づいたらしく「気を付けろ」とボソリ呟いた。


あっ、と体が揺れ動いたのは電車内でよく起こりうる現象だ。


電車のブレーキに合わせて、痴漢から解放された安堵感から油断した体がバランスを崩しかけた時にふと誰かが私の二の腕を支えてくれた。

ビクッと体が縮こまってしまったのは仕方がないことかもしれない。先ほどまで自分の身に起こっていた出来事から、自分の腕を支えた人物が誰か分からなかったから。


でもその不安はすぐに解消された。


「……大丈夫?」


ふと、耳元に聞こえた囁くような声に私は再び視線を上げる。視線を上げた時にはすでに自分を支えてくれた手は離されていて、ドアの窓ガラス越しに絡み合った視線は、いつの間にか自分の背後に立っていた足を踏まれた男性で。


「……あ、はい。すみませ……ありがとうございます」


先ほどの声色とは全く別次元の優しいトーンに萎縮しながら答えると、窓ガラス越しの彼はフッと笑った。


「そ。よかった」


そう言って男性はふいっと視線を外すとどこか遠くを見つめているように見えた。


……あれ?


隣のペースにポッカリと空いたスペースを見て、それからようやく悟った私はハッと我に返ったようにもう一度顔を上げる。窓越しの彼は既にこちらを見ていなかったけれど、馬鹿みたいに胸が締め付けられた。


大丈夫? という問いかけは、バランスを崩した事に対してではなく、痴漢されていた事についてだとようやく理解した。そうでないと説明がつかない。私の隣に立っていながら、背後に立っていた男性に足を踏まれるわけがない。


助け、られた……?


その事実を自覚した途端、恥ずかしいやらありがたいやらで内心パニックに陥っていた。


謝らなければ……いや、違う、この場合はもう一度感謝の言葉を述べるべきだと分かっていても気持ちが悪いほどぐるぐると頭を駆け巡る思考に行動が伴わない。手にぶら下げていたバックを胸元でギュっと抱きしめながらも、先ほど味わった不快感と恐怖を拭いきれないまま電車に揺られ続ける。


彼が間に割って入ってくれているから先ほどの痴漢野郎と接触する機会はないけれど、ねっとりと絡みつくような視線を背後に受けているような気がしてならない。


どうしよう、どうしようと考えあぐねいている間に、電車が次の駅へ到着した。


自分が立っている側のドアが開く事を理解して、無意識のうちに横へずれる。乗降する人の邪魔にならないよう、電車通勤で培った反応と言えばいいか。


プシュッと小さな機械音と共に目の前のドアが開く。


気持ち悪く感じていた車内に新鮮な空気が流れ込んできたと同時に、自分を庇ってくれた人が背後から電車を降りていくのを感じる。


あ。


どうしよう、と思っていたはずなのに、気が付けば電車を降りてその背中を追いかけた。


自分の降りる駅より前で途中下車するなんて久々だ。


先ほどまで自分に関わっていたはずの背中が、今は無関心なまま去っていく。必死に視線だけを逸らさないようもつれる足でホームを歩いたものの、体力気力共に限界だったらしい。


込み上げてきた吐気で思わず崩れるようにその場にうずくまれば、私の背後に歩いていたらしい人が「おわっ」と小さく驚いて飛びのいた。

座り込んだ私に躓かないよううまく避けてくれたらしいけれど、ぐるぐると目まぐるしく回る思考と視界に謝罪の言葉を零す事もできない。口元を押さえて必死に吐き気を呑み込んでいると、「大丈夫ですか?」と驚いたような女性の声が頭部から投げかけられる。

行き交う人達は視線だけを向けているらしいけれど、こうやって声をかけてくれる人がいるというのだから、世の中捨てたもんじゃないなと自嘲気味にそう思えて。


柔らかな女性の香りが私の背中に温もりと共に降りてくる。


青白い顔を上げれば、年配の女性が心配そうに私を覗き込んでいるのが視界に入り「すみませ……」と謝罪の言葉を紡いだけれど、最後まで続けることが出来ない。


「大丈夫か?」


ふと、目の前にもう一人の人物が私と視線を合わせるようにしゃがみ込んで顔を覗き込んだ。


さっき痴漢から助けてくれた男性だった。


「……っ……あっ……ごめ……さ……だいじょ……」


大丈夫ですと言いたいけれど、実際は全くの真逆。


こんな様子で大丈夫だと言ったところで納得してもらえるわけがないと分かっていても、日本人の性と言えばいいやら。そう零すことしかできなくて。


私を見かねて助けてくれた女性と男性が何やら会話をしている様子だったけれど、やがて話し合いが終わったのか「気を付けてね」と女性は言い残して去っていく。


男性が私の二の腕を掴んでゆっくりと立ち上がらせてくれたけれど、その時の意識はおぼろげだ。


何か賢明に私に話しかけてくれているのだけれど、あいまいな返事しかできなかった気がする。支えられながら移動し、ようやく重たい胃の中のモノを吐瀉する事を許され、その間、ずっと背中に大きな掌の温もりを感じていた。


スッキリした胃とは裏腹に、ぐわんぐわんと揺れる頭痛に苛まれ。


で、目が覚めたらここはどこ、状態なわけです。


飛び起きた私の目に飛び込んだのはビジネスホテルの一室。


見た事もない簡素な部屋。シングルサイズのベッドの上には私。脇には小さな棚とスタンド。ビジネスホテルだと分かったのは、特融の小さな冷蔵庫が備わっていたから。いかがわしさのない壁紙とカーテンが閉じている窓際で遠くに聞こえる車の走る音とクラクションを聞けば、さすがにラブホと呼ばれる類の場所ではないだろう。ああいうところにこんな広い窓は滅多にない。あるのは小さな排煙窓くらいと言えばいいか。


そういう知識が活かされるということは、まぁそういう事だけれど、今は関係ないのでおいておこう。


現状把握とばかりにキョロキョロと視線を泳がせ、自分が昨日身に付けていた服をちゃんと着ている――しわになっていたけれど、その事実にホッとし、記憶がなくなる時までに身に付けていた鞄が枕元に置いてあることにも再びホッとして。


いやいや、ホッとするのはまだ早いかも、と再びあたりを見渡せば心臓がドキリと跳ねる光景が広がっていた。


窓際のテーブル。その横に並んでいたチェアにその人はいた。


足と腕を下で組んで、腹部だけに薄い掛布団を当て、チェアに座ったままうな垂れて寝ているように見える。思わず息を潜めれば、スースーと規則正しい呼吸が聞こえた。


電車に乗っていた時とは違う服装。黒いTシャツに、こげ茶の短パン。薄い掛布団の下から延びる両手両足はほどよい筋肉質。黒くて少し長めの髪はしっとりと濡れていて、カーテンの隙間から差し込む日差しにキラキラと反射している。首元からTシャツの下をくぐって左の二の腕には大きな火傷の後があったのが印象的だった。


あれ程気怠く思えた体調が嘘のようになくなっているのを確認し、恐る恐る音を立てないようにベッドを降りる。ゆっくりとその人に近づけば、私と同じかそれ以上ほど年齢を重ねていそうな印象を受けた。


電車内で見た時よりもはっきりと確認することができた顔立ちは、やっぱり過去に、やんちゃな時代があったことを彷彿させる。


絶対に元ヤンだと誰が見ても分かるチャラそうな姿。


たぶん、普通に生活していたら関わりなんて一切持たないような人。


ふと、寝ていた彼がもぞりと動いた。


ゆっくりと開いた瞼からおぼろげに向けられた視線に思わず息を呑む。思考停止した私を見た男性は「ああ、起きたか」と小さく零して目をこする。


「は、はい……あの」

「くっ……ふあぁ……」


いざ話しかけようと口を開いたものの、彼が発した欠伸を伴った背伸びに遮られた。ぐぐぐっと両手を上にあげ凝り固まった首を捻りながら口をむにゃむにゃとさせる。


冷静ながらも結構混乱していたらしい私は、そんな彼の様子に少しだけ警戒心をほどく。


「覚えてる?」


と、ようやく姿勢を前かがみにした彼が私を見ないまま尋ねた。彼が求める記憶がどこまでかわかりかねたため「少し」と正直に零せば、彼はまだ目覚めたばかりの目を瞬かせながらもフッと笑う。


「体調は?」

「あ……お、おかげさまで……」

「そ。よかった」

「ご、ご迷惑おかけしてすみません……」


今更ながら恥ずかしさに萎縮しながらようやく念願かなって謝罪すると、彼はんーっと首の筋を伸ばすように横に傾けながらようやく私を見た。


「どこまで覚えてるか知らんけど、冷静に話聞く気ある? アンタにやましいことは何もしてねぇし、俺も身の潔白を証明させてもらいたいんだけど」


私が警戒するのがまるでいけないことのような口調で言う男性に、私は勢いよく頷いて。男性はそんな私の反応にホッとした様子を見せた後、すぐに質問を繰り出した。


「それよりアンタ、今日仕事とか大丈夫か?」

「あ!」


彼の言葉に思わず声を上げる。そういえば今日って何曜日だと慌ててベッドに駆け戻って鞄を手繰り寄せると、彼はそれを察したのか、私がスマホを取り出す前に教えてくれた。


「今日、土曜日」

「あ……じゃあ休みです」


連日の忙しさに曜日感覚がなくなっていたのをこの時ばかりは痛感した。でも確か、昨日電車に乗った時には明日は休みだと思って気が抜けていたのを思い出す。


「そっか。じゃあ、何か飲む? 腹減ってない?」


次から次へと繰り出される質問に、私はしどろもどろになりながら答えた。


「お腹は空いてません……喉は、ちょっと乾いてます」

「ん。コーヒーとお茶どれがいい? ジュースでもいいけど」

「コーヒーで」

「砂糖とミルクは?」

「ブラックで」

「了解。椅子一つしかないから、ベッドにでも座ってて」

「はい、すみません」


私の回答に彼は小さく頷いて、立ち上がるともう一度背伸びをしながら備え付けのドレッサー上にあった財布と部屋のキーを手に取ると、スリッパのままスタスタと部屋を後にした。


あ、コーヒーって、ビジネスホテルだから缶コーヒーの事かとようやく理解する。それなら自分が買いに行けばよかったと後悔したものの、部屋に取り残された私は、その間に借りていたベッドを綺麗にしてそこに鎮座する。

膝に鞄を抱えてしまったのは仕方がない。白い胸元にフリルがあしらわれたワイシャツに紺色のカーディガン。タイトなスカートはどれも自前。制服の無い会社だから本当はもっと自由にしてもいいんだけど、服装がだらしなければ気合も入らないという私のぐーたらな性格からピシッとした社会人スタイルを貫いている。


数分もしないうちにガチャリとドアが開いて、片手に缶コーヒーを二本持った彼が入ってきた。


「ん」


と、彼が呟きながら私にブラック缶コーヒーを一本差し出した。「どうも」と小さく会釈しながら両手でそれを受け取ると、彼は既に自分の缶コーヒーのプルタブをあけ、口を付けながら先ほどまで自分が寝ていたチェアに再び座った。


ふぅっと彼が一息ついたところで即座に話し始めた。


「とりあえず、昨日の事はどこまで覚えてんの?」


初対面にも関わらず敬語なしで話してくる気軽さに不思議と嫌な感じはしなかった。固いプルタブを押し開けながら、視線を漂わせて記憶を手繰り寄せる。


「駅で体調の悪さから座り込んでしまった辺りまでは……その後はおぼろげで……」


思わず肩を竦めながら素直に答えれば、彼は「ふーん」と理解したのかしてないのか微妙な言葉を零してコーヒーをすする。私もソレを横目にコーヒーをコクリと一口飲めば、口の中に目が覚める苦みが広がった。

コトッと小さく音を立てて缶コーヒーをテーブルに置いた彼は、静かな口調で説明をし始めた。


「先にアンタに声かけた女の人居たけど、急いでたっぽいから俺が駅員に声かけるからって。けど、近くに駅員いねーし、アンタに話しかけたら相当顔色悪かったし。吐きそうって言われたから慌てて駅の共用トイレにアンタ押し込んで吐かせた」


そう言って彼はまた一口、コーヒーを口に含んで。コクンッと彼の喉仏が小さく上下したのを見ながら、居た堪れない気持ちがこみ上げてきた。


「吐いてスッキリしたかと思えばアンタは意識朦朧としてっし、年頃のねーちゃん置いてくとかコエぇし。ケーサツか救急車呼ぶか? ってアンタに聞いたら、大丈夫だからって頑なに拒んだの覚えてっか?」

「……すみません、覚えてません」

「まぁ普通はそう言われて素直に頷けるもんじゃねぇけどな」


そう言ってもらえて、ちょっとだけ安堵したのは内緒だ。


「連れて帰るぞ? つったけど、結局それ以上アンタからは反応なくて。仕方ねーから連れて帰ってきたんだ。アンタはベッドに寝かせて、俺はこの辺で適当に寝たからマジで手ぇ出したりしてねぇからな?」


念を押すように続けられた言葉に「すみません」しかすでに呟けなくなっていて。


「体調悪いなら無理すんなよ? 俺は気にしねぇけど、他人に迷惑かけるのは気ぃ使うだろ?」

「はい……ホント、すみません。ありがとうございます」


萎縮しながら何度も何度も繰り返し謝罪と感謝を述べれば、彼はふぅっと大きくため息を漏らして、それからまたうーんと背伸びをして。


「まぁ、災難だったな。体調悪い時にあんな目に遭ったんだから仕方ねぇって」

「あっ……うっ……そのっ……その節についても……ありがとうございました……」


ふと思い出したのは自分の身に降りかかった痴漢という犯罪行為。

あの時感じた気持ち悪さは嫌悪感に変わっていて、なんであの時ちゃんと動けなかったのだろうかと自分を叱咤したくなる。体調が良ければなんて言い訳で、結局彼に助けてもらったことには変わりない。


「あーいうのに遭った事なかったからどうしたらいいか分かんなかったけど、ケーサツに突き出した方がホントはよかったんだよな?」


確認とも取れる彼の口調に思わず顔を上げると、彼の視線がジッとこちらを見つめていた。正真正銘、私に尋ねているらしいと気づいた時にふとよぎったのは仕事の事で。


「……その……変な話ですが、泣き寝入りしてしまう女性の気持ち……少しわかってしまったかもしれません。仕事関係の周りの人に変な目で見られたくないって気持ちとか、親に心配かけたくないって気持ちとか……」

「……でも見逃したってのはいい話ではないわな」

「はい……。あの不快感を、他の女性に味あわせてしまうかと思うと……やっぱり現行犯で捕まえた方がよかったっていうのは分かるんですけど……」


気持ちは、やっぱり……ってなってしまう卑怯な自分が凄く嫌だった。


「今度は……自分でも抵抗できるように、安全ピンでも持ち歩きます」


苦し紛れに無理矢理笑顔を作ってそう答えると、彼は一瞬大きく目を見開いてハハッと笑った。


「痴漢に続いて俺みたいなヤツにホテル連れ込まれるなんて最悪な経験しかしてねぇけど、男連中に変な偏見持たないでやってくれ。そう言うのは俺らだけで充分だから」

「そんなことっ――! 痴漢はホント死んじゃえばいいと思いますけど、貴方は助けてくれたじゃないですかっ! 痴漢は最悪でしたけど……男性に偏見を持たないでいられたのは貴方のおかげだと思います」


自嘲気味に呟いた彼の言葉に思わず声を大にして主張してしまった。持っていた缶コーヒーをギュっと無意識に握りしめるほどに。

力説してしまった私がようやくハッと我に返った途端、穴が開くほどまっすぐに向けられていた彼の視線がふいっと逸らされた。


「……わりぃけど、俺まともに寝れてねぇんだ。寝るからソレ飲んだら帰って」

「あ……えっ!?」


突然冷たく突き放された言葉に、私が戸惑う間もなく、彼は立ち上がって私に歩み寄る。ドキリとしたのもつかの間、彼が歩み寄ったのは私ではなく、さきほどまで私が滞在していたベッドだった。

彼の唐突な行動に思わずベッドから立ち上がると、彼は二度と私を見ないまま整えたシーツに潜り込んでしまう。慌てて彼の近くに立てば、彼は布団の中で寝返りを打って私を見上げた。


「何?」

「あっ、えっと、そのっ……お礼させてくださいませんか?」


先ほどまでの優しい声色はどこへ行ったのか、寝不足からかいささかぶっきら棒な彼の物言いに、私は恐縮しながらもそれを口にする。しかし彼の表情はますます険しくなる一方で、ビクビクとしてしまったのは仕方がない。


いくら痴漢から助けてくれた恩人とは言え、彼の雰囲気は見るからに元ヤンだ。


今はともかく、昔はバイク乗り回してましたと言わんばかり。正直、彼が私を介抱してくれた人というのも、私に手を出さなかったというのも疑いたくなる容姿や態度であることは違いない。こういう類の人と出会う機会なんてめったにない私にとって、偏見しかないのは本当に申し訳ないけれど事実だ。


お礼をさせてほしいのはもちろん感謝をしているからだし、けれど同時に後悔もしていた。彼とこれ以上関わる必要があるのかと言われれば、彼自身が私をこの場から追い出そうとしているのに、私が追いすがる必要なんてどこにもない。


それでもやはり社会人として礼は重んじるべきだと私が口にすると、彼は微睡に落ちかけている瞳で必死に瞬きを繰り返しながら不機嫌な口調で言った。


「わりぃけど、頭働かねぇから後でいいか? ……今日、夕方は時間ある?」

「あ、はい。予定はないです」

「じゃあ、そん時また来て。礼も考えとく」

「……五時くらいでいいですか?」

「ん…」

「わかりました」

「……おやすみ」

「はい……おやすみなさい」


そういって寝息を立て始めた彼はよほど眠たかったんだと思うと申し訳なくなってしまった。同時に、赤の他人の私が居るにも関わらず寝るなんてある意味凄いなとも。


……私が言えた義理ではないけれど。


スースーと規則正しい呼吸を繰り返して目を閉じてしまった彼を見つめ、内心バクバクだった私は思わず安堵のため息を漏らしてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ