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17.ここ掘れワンワン



柴わんこだと思ったのに、チワワだったんか……?


ぷるぷるしてるワンコくんがいたいけすぎた。ていうか、これ下手したら、幼児のメルディアスより庇護欲をそそるんですけど。


メルトはあれでしっかり者っていうか、芯の強いとこがあるっていうか。奴隷商人の手下に檻から引っ張り出されるときにも全身で抵抗してたくらいだし、気が強いのだ。


声が出ないから、積極的に自己主張しないだけで、気に入らなければ頑として折れない。わたしやレンハルトにはわがままらしき態度もとる。


くっふふ。イヤイヤするんだよ、いっちょ前にっ。


面白いのでからかったら、泣いて拗ねてなだめるのが大変でした。はい。おとなげなかったと反省してますごめんなさい。でも感情表現豊かになったなーとちょっとうれしかったなんて思ってごめんねメルたん。


あの後わたしのお腹に頭突きかまして顔中ぐりぐり押しつけて涙と鼻水をぬぐったのはもしかしてふくしゅうだったですか。あきらかに「してやったり」な顔してましたよね。成長著しくて保護者としては頼もしい限りです。


……えっと。


メルトのことはともかく。


ワンコくんはどう見ても大人だ。少年ですらない。ワンコな獣族のなかでは小柄かもな感じで、顔立ちも幼げと言えば幼げだけど……うぅん。


どこか垢抜けないだけで子どもっぽいのとは違うと思うんだよねぇ。


なのに何なのこのいたいけなふんいきは……。






流行り病の潜伏期間も考えて、柴わんこなアルト・テスタくんには最初から少なくとも1ヶ月ほどはうちに居てもらうつもりだった。


ちょっと慎重すぎかも知れない。でも一方的な契約の破棄なんてされた後だし、新しい主を捜すにしたって、せめてすっかり体調が戻ってからの方がいいだろうと思って。



彼の症状が微熱に落ち着いたのは、うちに来てから4日目のこと。


3階の裏庭側の部屋に移ってもらった。トイレが遠くなって申し訳ないけども。2階の部屋にはわたしたちの荷物もあったし、なによりメルトがさみしがってねぇ。


もともとわたしとレンハルトと3人で寝てたのに、急にテレスとふたりで寝かされるようになったもんだから。あぁ、テレスがどうこうっていうより、わたしがいないのがあかんらしい。ふへへ。最初はレンハルトの言うことしか聞かなかったのに。ふへへへ。


そういう事情を話したら、ちょっと笑われた。

顔か。また顔に出ていたのか。



6日もしたら、平熱にまで回復。ごはんも食べてたし順調。


ただワンコなだけに、退屈と「何もしてない」ことへの焦燥感でどうにもならない様子を見せた。しょうがないので裏庭のお手入れをお願いすることに。まったく急ぎじゃない余暇向きの仕事ではある。


ふつうなら病み上がりに庭仕事なんかさせないよ。けど獣族ってば頑丈だし。体を動かしてないと死にそうになるみたいだし。


家のなかで掃除してもらうってなると、メルトを抑えてないといけないんだよねぇ。子どもだけにいきなり飛びつかないって保証がない。せっかく大事をとって会うのを控えてもらってるのに、それは避けたい。



裏庭。すっかり放置してたし、かなり荒れてた。これを草むしりして。土ほりかえして。重労働だ。


そんな草ぼーぼーの庭にワンコくんを案内して、まず「無理するな」と口をすっぱくして言い聞かせた。百回くらい言った。チートのカンがうなる。ワンコくんから尚もうずうずした気配を感じたので、また熱出したら薬代かかるかもーと脅しつけておいた。


薬代って口にした途端、ワンコくん、こくこくと高速でうなずいてた。たぶん「ちょっとくらいがんばっても……」とか思ってたっぽい。ダメだ。がんばるな。


あと心にもないことを言ってごめん。かかってもいいんだ別に。


そもそもほんと言うと薬代なんてタダなの。レンハルトが採ってきてくれた熱さましの薬草でつくった自家製ですから。


裏庭は常識の範囲内なら何を育ててもいいと家主代理の女将さんから了承を得ている。畑あつかいも構わないと。


なので食用の野草ハーブでも植えようかと思うと伝えたら、ワンコくんはうれしそうに尻尾ふりふり。新鮮なものは香りが違いますよね、って。


だよねー! いいよねー!


家庭菜園ってアコガレる。話のわかるワンコくんだぜ。



それから20日間ほどかけて丁寧な作業でこつこつと整備された庭は土のいい匂いがした。


鳥避けの網をかけた鉢に種をまいて育てておいた苗と、レンハルトが山野で採ってきてくれた野草を植えた。まばらな印象のそれらが育つのが実にたのしみだった。


アイディアひねり出してお任せしたとはいえ、ワンコくんはいい仕事をしてくれたなぁ。これ見せたら引き取り手の気もちもぐっと傾くかも!


……ああー。引き取り手かー。


捜さなきゃいけないんだろうけどなー。


なんだか気が乗らなくて、まだいいよね、と先送りした。






で、当初予定の1ヶ月が経ちまして。


もう病気も伝染らないでしょうと初めて一同そろっての夕飯の席。


ワンコくんに持ちかけたわけよ。そろそろ正式に引き取ってくれる魔術師さんを捜さないといけないよね?って。


そして最初に戻る。柴わんこがチワワ化した。


ぷるぷる震えながら、茶色の目を潤ませ、でも何とか笑顔を見せて。



「そ、そうですよね。いつまでもふらふらしてられないし……」



盛大に誤解されたっぽい。いや誤解っていうか、それだけじゃないんだよってところが伝わってないっていうか。それが誤解か。ええと。


なんにせよあれだ。


わたし悪いことしましたね?


妖艶ヤマネコなテレスの呆れ顔。凛々しいオオカミなレンハルトは困り顔。白子ネコのメルトはきょっとーん。



「病気してたんだから、ふらふらしててもいいんだ。ていうか、君はふらふらしてなかった。お仕事してくれてた」


「……はいっ」



いじましい。かすかに涙をにじませながらも、ワンコくんはわたしに誉められたのを喜んでくれている。また捨てられるけど、やった分は誉めてもらえたよねって。なんともはや。



「あぁー……ごめんっ!」


「……え?」


「遠まわしなことを言いました! 君の気もちを優先させないとダメかなと思って。選択肢を奪うのはよくないかなって」


「え……」


「できれば君にわたしの獣僕になってほしいです。でも他にも君を引き取りたいってひとはいると思うんだ。そういった魔術師さんに逢わせもしないで決めさせるのはどうかと思うから、一旦保留にして――」


「――あなたの獣僕になりたいですっ!!」



ガタンっと椅子から立ち上がって、ワンコくんことアルト青年は叫んだ。いつも穏やかでにこにこしてる彼でもこんな大声を出すことがあるんだってびっくり。


メルトなんかビックリしすぎてレンハルトの頭に飛びついてる。うん。比喩とかじゃなく本当に飛びついてる。さすがは獣族っ子。マジでネコ並みの動き。


レンハルトはビクともしてない。目隠し状態になってたんで、しがみつく腕の位置は調整させてたけど、そんくらい余裕。よかった。あれわたしにされてたら首どうかなってたんじゃないかな。今度ちょっと言い聞かせないと。


原因のアルトはまだ興奮している。



「おれはあなたがいい!! あなたじゃなくちゃいやだ!! 他の魔術師なんかもういっぱい会った!! 誰にも会いたくない!!」


「はぁ……」


「……おれ、あなたの獣僕が、いいです……」



お、おとこ泣き。


やばい。夕飯どころじゃなくなった。


おろおろと視線をめぐらせば、レンハルトに力強く頷かれ、テレスに顎で「行け」ってされた。メルトは少し不安げ。小さい子の前で対応ミスったことを申し訳なく思う。


それ以上にアルトを追い詰めちゃったことを反省した。



「ええと……、わかった。そうしよう。君をわたしの獣僕にします」



他に何が言えただろう。ていうか、もっと早く言うべきだった。


食事の途中だけど、席を立って、ごしごしと涙を拭ってるアルトの手を止めさせた。


彼の肩を抱いて慰めながら、階段へ向かった。






ここは3階のアルトの部屋がいいだろう。


夕食の時間なので薄暗かった。灯りを点ける。


まだ半泣きのアルトをベッドに座らせた。



「ほんとにいいんだね?」



……うっ。


自分で口走っておいて、不謹慎にも妙な連想をしてしまった。


このシチュエーションでこのセリフ。まるで思い詰めて迫ってきた若い娘さんを頂いちゃうオッサンみたいじゃないのさ!


齢25才、いや、26才。こっち来てから11ヶ月以上経ったからな。誕生日とっくに過ぎたわ。


齢26才にして処女なのにオッサン役みたいな立場ってどーなの!



「お願いします……」



伏し目がちのアルト。もっさり平凡かもしれないけど、くりっとした目が素朴で若々しい。需要はあるよね、この感じ。自分がリードして花ひらかせてあげたい的な……いやいやいや妄想すとっぷ!



「わかった。じゃあ、左腕と左脚。どっちがいい?」



まず契約の証の場所を決めないと。


選ばせてもらえるとは思ってなかったみたいで。アルトはすごく動揺した。勢いでわたしの腕と足をガン見した後、きゃっはずかしい!みたいに顔を伏せて小さくなる。


……若干うぜえ。


じゃなくて!


……乙女の冠はこいつに譲ろうかな。わたしの乙女度って実質「肉体」にしか残ってない気がするしなー。


でもなくて!



「見てから、決めたい?」



ついからかってしまった。腕はともかく脚はね。見るためには服のすそをまくるわけだからして。


アルトは全力で左右にぶんぶん頭振って否定した。おいおい、目がまわるだろ。


案の定くらっときたらしい彼をのばした腕でささえる。うん。やっぱ乙女役はこいつに決定だ。そそっかしい平凡純情ヒロイン。似合いすぎ。


そしたら、わたしの立場は何なのだ。乙女をオトすヒーロー代わり?



「よし。いま君を受け止めた左腕にしよう」



乙女ワンコが目をまわしてほにゃほにゃしてるので、適当にこじつけて決めつけた。


いいよね?と見つめたら、アルトはまん丸な茶色の目をうるうるさせている。さっきの泣きべその続きじゃなく、明らかに上気して。ほっぺの色は見えないけども、ハッハッ言ってるし、尻尾ぶんぶんだし。


……Mなの?


このコってば意見を押しつけられるのが嫌いじゃないっぽいな。もちろん好意的な関係であるのが大前提だとしても。なんかうっとりしてるよね。



「君の方は……どこがいいかな……」



視線をさまよわせるわたしに、アルトはかすかに胸を反らせた。顎があがってる。さわってほしそう。


……まじで?


試しに左手をあげたら、自分から頭をすりよせてきた。


セルーフゥ!


頭がいいのか。そうか。


しかし、レンハルトとお揃いは……ちょっとなぁ。気がひける。


そだ。耳はどうだろう。石が育つから、先っぽじゃなくて下の方で。あんまり下すぎると動かしにくいかな? うーん。デリケートなとこだしなあ。



「耳、いいな……。よく見えるとこがいい。あなたから」



あ、ダメだ。こいつマジで服従心が強すぎる。


わたしの視線を追って言い出した内容がアレだった。


ぐいぐい行くのは得意じゃない。君臨されたいって願望の持ち主だと対応が難しそう。このコ、わたしで満足してくれるかな。不安になってきたぞ。


こう見えてSではないのよ? って、わたしどう見えてるんだろう。友だちの銀縁メガネ掛けてみた時くらいしか「Sっぽい」なんて言われたことない。


千花ちかはタレ目童顔のくせにSっけあって「ギャップ萌え☆するでしょ」とか自ら堂々とのたまっておったが。



「耳で大丈夫かな? 動かしにくくなったりしない?」


「平気。耳にしてるひと、けっこういるよ。それに、おれの……割られただろ? あれ無くなっても、痕にもなってない」


「そうだったね。体内に異物として存在してるわけじゃないんだ。魔力で出来てるんだもんねえ。よし。なら、お耳にしよう」



手が触れたままだったんで、なんとなく頭を撫でたら、くんくんとかわいく鳴かれた。うれしそう。尻尾のぶんぶんも勢いを増した気がする。



「ありがとう、主! あっ……、えと、もういいよね? 主って呼んでも」


「もちろん」


「――大好き、主っ」



うおっ。


ベッドから立ち上がったアルトにぎゅむっと抱きつかれた。


平凡ヒロインキャラなだけあって天然要素もアリですか! 異性に抱きついちゃいけません! しかもこんなベッドのすぐ傍とか押し倒されたらど――おっとイケナイ。



「早くしよう、主」



かわいい声でおねだりされた。うぅむ……。これが男女逆だったら、えっちなことねだられてるみたいで妙な気分とか男側が思うわけだな。


テレスの直球スケベな誘いと、どっちがマシだろう?


あれもあれで、こっちが乗らないのわかってて挑発してくるから性質悪い。ってか性悪キャラなんだから、あれはあれでいいのか。むしろ飽かずに動揺してあげるのが礼儀かもしれんな。うむ。


この場は……あれか。年上らしく(アルトは22才だっていうし)余裕ぶった態度で受け止めるべきか。



「ええ。しましょうか、アルト。……どうかわたしの獣僕になって下さい」



口調をあらためて、そう申し込むと、乙女アルトは目をまんまるにして尻尾ブンまわした。くるんと丸まった尻尾かわゆし。そういえばこのタイプの尻尾はお初だ。今度さわらせてもらおう。



「あなたみたいながんばり屋さんに選んでもらえるなんて光栄ですよ」



ふふっ……乙女柴わんこよ。めろめろになるがよいっ。


なんてね。


Sっけ無い分、ろまんてぃっくに盛り上げますんで、ひとつよろしくお願いします!


……しかし丁寧語キャラ? チョイスはこれでいいのか?



「主……、そんな、おれ……っ」



よかったみたいです。うれしそうに感極まってぷるぷるされてます。よかった。チワワみたいに哀れげにぷるぷるされると心臓がもたないわ。


さあ、主従の誓約、お願いしますよ!



「思い切って咬んでくださいね?」


「は、はい。……ごめんな、主。痛くしちゃう」


「大丈夫。……――ッつ、ッ……」


「ある――」


「ダメ。途中でやめないで」


「……ん……」



かぷっと咥えなおして、おとなしくぺろぺろと舐めるアルト。



「聞かせて……アルト」



頭なでなでして頼んだ。アルトはすうっと息を吸って。



「アルト・テスタの名において主命を拝する。この命尽きるまで、主の剣となり、盾となり、付き従う影となることを誓う」



とってもひたむきな口調で誓ってくれた。


立っていたわたしたちの周りに魔法陣が現れる。綺麗だ。光の粒子を波頭の泡粒のように舞い上げながら、くるくるきらきらと光っている。


やさしい光はアルトの明るい茶色の毛皮によく似合った。茶色の瞳に星が散る。きれいだ。わたしをまっすぐに見つめる心根の美しさが、彼のもつ穏やかな空気に映し出されていると思う。



「――主よ、我が忠誠に報いを」



アルトは床にひざまずいて、目を閉じて、頭を垂れた。祈るように。


左手の親指と人さし指、中指で、彼の右耳の中ほどをそっとつまんだ。チリッと灼けつくような痛み。手の甲が痺れるほど痛い。


獣僕側には痛みがないのが救いだ。



ふっと光が消える。



見ると、人さし指と中指は根元まで、親指は付け根のふっくらしたとこまで全部、シンプルな草っぽい文様で埋まっていた。色も草色だ。おお、渋い色だ。ようやくわたしのキャラに相応しい色味の模様キター。


……麻の葉文様に似てるような。着物の柄とかのあれ。


柴わんこ柴わんこ思ってたから、和な文様になっちゃったんかなー?


逆か。先入観が和っぽいって思わせてるのかも。リーフェ先輩に聞いても、模様の意味だの関連性だのはまだはっきりしてないって話だったしなぁ。



アルトを見やると、なにやら期待のまなざしを向けられた。


ん? 自分のも確認しろってことかな?


なら遠慮なく!


右耳にあらわれた契約の石を親指の腹で撫でる。綺麗な草色だ。艶があって深みがある。おいしそう。濃い目に淹れたお茶みたいだ。それをそのまま濃縮して飴にしたみたい。ちょっと舐めてみたいなぁ。


しかしそれはさすがに、せくあ・ら・もーど!


舐め衝動と戦いつつ、石を撫でていると、なんだか興が乗ってきた。少しでも嫌がられたらやめるつもりで、耳のなかの方までこしょこしょといじってみる。


アルトはびくんと肩を竦めただけで、すぐに機嫌よく目を細め、むしろもっとどうぞと耳を差し出してきた。自分で頭の位置を調整して。かいかいされるのが気もちいいらしい。


前足、もとい、手で空を掻いて、心もとなかったのだろう、すがるようにわたしの腰の辺りをつかんできた。ぎゅっと。


なにこのかわいいイキモノ。




あ、あかんっ!


――このままではなにかが目覚めそうだ……!


わたしは慌てて目をパチパチさせた。見惚れてる場合じゃない。お耳かいかいもやめる。断固やめる。名残惜しくてもやめる。きゅうんと啼かれそうになってもやめる。


冷静になれ! 冷静になるんだわたし!


このままイチャイチャしてていいわけないだろう!!


ゆうはん食べにもどりなさい!!!



……獣僕があんまり従順なのも考えものかもしれない。


ある意味こっちが調教されてしまいそうです!

新たな属性ひきだされて!



「あの……これから末永く宜しくお願いします……」


「うん。おれ、大した取り得もないけど、がんばります」



不束者ですが、って言われた気がする。結婚式かーい……。






翌日わかったんだけど、アルトは家事万能ステキわんこだった。


性格的に戦闘であまり活躍できないからって、あらゆる家事仕事を押しつけられてたそうで。掃除洗濯は当たり前、料理まで上手で、子どもの面倒見もよかった。


最初は警戒気味だったメルトもあっという間に懐いた。


ほんとに庭仕事しかしてもらってなかったんだよね。本人が自己卑下しがちだったもんで、他に何ができるかなんて詳しく尋ねることもできなかったし。


もう自由にしてもらって構わないよ、と告げた途端。



「よかったら、朝ごはん作り、いっしょにさせて」



という、おくゆかしい言葉から始まり、あれよあれよという間に……。



おかげさまで、メルトが家に居たいときには居て、つきてきたい時にはついてくるっていう理想のお仕事態勢がとれるように。


そうなんだよ! メルトがおうちに居たがるようになったんだよ!


前はさ、朝起きれないときとか置いてかれるのはイヤ、でも起きれないってんでぐずっちゃったりしてさ。かわいそうだったんだよ。そりゃ子どもだもんね。


でもアルトがあやすと落ち着くのが早い。居残ってもアルトが遊んでくれるなら、オヤツあるなら……で無理しなくなった。


あっ、そうそう。彼のつくるオヤツがまた素朴なパンケーキとかなんだけどおいしくてねぇ。



なんか理想の主夫みたいなヒトを掘り当てたようです。


わんわん!




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