お前の隣は笑いに困らない
会話無いです。短いです。
短編で上げていたものです。
おいおいおいおい、なんで見つけてやがるんだ?多分直線にして100m先。
ヤツのナッガイ片思いからやっとの事で先日両思いへと漕ぎ着けた彼女がいた。
ヤツが突然会話と歩みをビタッと止め、何事かと視線の先を見やった結果の事だが。本当よく見つけるもんだ、感心するしか無い。
彼女は図書室の北側の窓、椅子にかけて、頭はウマい具合に窓枠へ持たせかけて……
寝てやがる。あれは目を閉じて風を感じていたのだろうけど、爆睡中だ。
俯いて寝るより気持ち良いんだよなあの体制は。
お前どーすんの?
声掛けようとしたら、ヤツ走っちゃいないけど、えっらい早さでロックオンした彼女に向かって行くし。
ありゃ多分俺の事はもう頭に無いね、ダッツ賭けたって良い。
面白いから俺はヤツの後に付いて行くそこは後ろからじゃなくちゃんと全部見収められるよう違う方向へ。悪趣味かもしれないが写メってやろう。上手く撮れれば良い記念だし。
10歩手前の辺りから、足音気にしつつそろーっと近づき彼女の側へ、彼女は頭を持たせかけているからうっすらと口元も開いているようだ。笑っちゃダメなんだがヤツガン見過ぎるだろう。
面白いからシャッターはもう何度か切っているが、本当に何も見えていなくて。もうこっちは腹筋崩壊寸前だ。
結果から言わせてもらう。
ヤツは頑張った、俺は笑いがまだ残っていて脇腹やら顔が何かの拍子に大爆笑へリターンするか分からない状態だ。
しかし、頑張った内容が乙女と云うかヘタレとするか非常に微妙なラインなんだが。
顔を寄せるだけで3度ためらって。
キスまで到着したか!と思えば触れるだけの瞬間もの。
再チャレンジしたかと思えば、下唇を舐めて甘噛みして大満足、全力投球イイ仕事しました!な顔しやがって。
バカかおまえは。そんな中でもちゃんとシャッター切ってやってる俺に感謝しろ。きっちり良い絵は押さえてやった。後で買い取らせる事にしよう。
じゃ、俺はこれで帰るが、日も傾いて風も冷たくなるから彼女を起こしてお前も帰れ。
じゃぁな