「お前のような無能は番ではない」と狼王に捨てられた私、さらに上位の『破滅の神竜』に極上溺愛されて、元婚約者が絶望しています
「サーシャ、お前のような魔力も持たない無能な兎族が、我が狼族の王たる俺の番であるはずがない。
偽りの婚約は今日限りで破棄する!」
満月の夜。
獣人国の王宮で、私の元婚約者である狼王レオンは、新しい愛妾の狐族の女を抱き寄せながら冷酷に言い放った。
私、サーシャは生まれつき魔力を持たない。
獣人の世界では魔力が全て。
だから私は「偽りの番」だと罵られ、着の身着のまま夜の荒野へと追放されたのだ。
「うぅ……冷たい……」
凍える夜風に吹かれ、涙がこぼれ落ちたその時。
突如、夜空が割れるほどの凄まじい地鳴りが響き渡った。
ドォォォォン!!!
漆黒の巨大な影が舞い降りる。
それは、世界を滅ぼす力を持つと神話に記された、伝説の超上位種――『破滅の神竜』ゼオノレスだった。
美しくも凶悪な一対の角。
夜空を溶かしたような、冷徹な紫の瞳。
ああ、私はここで食べられてしまうんだ……
ぎゅっと目を閉じた私に、地響きのような低い声が降ってきた。
「――見つけたぞ。
我が真なる伴侶、愛しい俺の番よ」
「え……?」
恐る恐る目を開けると、とてつもない絶世の銀髪美丈夫に変化した魔竜が、私を強引に、けれど壊れ物を扱うように優しく抱き上げていた。
「魔力がないだと? 馬鹿め。
お前の本質は『万色の加護』。
世界の全ての魔力を従える、至高の器だ。
我が神竜の魔力と交わることで、初めてその真価を発揮する」
ゼオノレス様は不敵に微笑み、私の耳元で囁いた。
「お前を捨てたあの出来損ないの犬め。
今さら後悔しても遅い。
――サーシャ、俺の妻になれ。拒否は許さん」
その瞬間、私の中に底なしの魔力が流れ込み、背中に虹色の美しい紋章が浮かび上がった。
◇◇◇数日後◇◇◇
魔竜の城に、血相を変えた狼王レオンが兵を率いて押し寄せてきた。
私の『万色の加護』が目覚めたことで、獣人国の土地の魔力が完全に干上がってしまったからだ。
「サーシャ! 戻れ! お前は俺の番だ! その魔力は我が国のために使え!」
身勝手な叫びをあげるレオンの前に、ゼオノレス様が悠然と立ちはだかる。
その瞳は氷のように冷たい。
「ふん、我が番の爪の垢ほどの価値もない雑魚め。
その汚い口で俺の女の名を呼ぶな」
ゼオノレス様が軽く指を弾いた。
それだけで、レオンを包んでいた狼の魔力が、ガラスのように粉々に砕け散る。
「あ、あ、あああ!?
俺の魔力が……消えた……!?」
「お前たちから魔力を剥奪した。
二度と魔法も獣化も使えぬ、ただの無力な獣として、一生その地を這いずるがいい。
それが我が番を泣かせた罪の対価だ」
レオンは絶望に顔を歪め、その場に崩れ落ちた。
かつての傲慢な王の面影はなく、ただの哀れな敗者だった。
「さあ、サーシャ。
あんなゴミのことは忘れて、城へ戻ろう。
今日は最高級の木の実のタルトを用意させてある。
俺の隣で、一生甘やかされて暮らすがいい」
さっきまでの冷酷さが嘘のように、ゼオノレス様は極上の甘い笑みを浮かべて私を抱きしめたのだった。
拙い文章に目に止めてくださってありがとうございます!
心より感謝ですm(_ _)mm(_ _)m
※「破滅の神竜」…しっくりこなくて、カッコイイ二つ名が思い浮かばず、どれがいいかAIにお手伝いをしてもらいました。どうしてもF◯さんの魔竜ゼノス様がよぎってしまうのです。




