第4章:誤解された救出
三人の旅人が立ち止まった時、埃っぽい道に夜が訪れようとしていた。空気は湿った土と遠くの煙の匂いを漂わせ、まるで近くの村で火が燃えているかのようだった。カイトは鎧を岩に立てかけ、ため息をつきながら地面に崩れ落ちた。ヴァウリアンは若い同行者に借りた気化器に火をつけ、淡い煙を放出して夜霧に溶け込ませた。
レイヴナーはいつものように背筋を伸ばし、真剣な面持ちで立っていた。彼の馬、ノクトゥルヌスが数フィート先で優しく嘶いていた。焚き火の明かりが彼の姿をかすかに照らし、その時カイトは彼の手にかすかな光が灯っているのに気づいた。
「おい」と若い男は身を乗り出し、「それ、何してるんだ?」と言った。
指には、明らかに何かの宗教団体の印章が刻まれた分厚い指輪が光っていた。しかし、それだけではなかった。手袋の下には、二つの結婚指輪が見えていた。
ヴァウリアンは不思議そうに眉をひそめた。
「面白い選択だな…信仰と結婚の象徴を持つ悪魔の裁判官とは?」と彼は皮肉っぽく言った。「それは何か面白い話の匂いがするな。」
カイトは微笑み、緊張を解こうとした。
「どうしたんだ、レイヴナー? 指輪をなくした時のために、予備は持ってるのか?」
悪魔は何も答えなかった。ただ黙り、歯を食いしばった。しかし、カイトが身を乗り出すと、首に何かがぶら下がっているのに気づいた。赤い液体が入ったハート型のお守りだ。
ヴァウリアンは、いつもの大胆さで手を伸ばし、それに触れた。
「そしてこれは? 愛の記憶…それとも、不気味な呪物か?」
レイヴナーは即座に反応した。彼は人間離れした力でヴァウリアンの手首を掴み、引き離した。彼の目は燃えるように赤く輝いていた。空気が重くなり、カイトはその悪魔的な存在感に胸が締め付けられるのを感じた。
「理解できないものに二度と触れるな」レイヴナーは低く、ほとんど唸り声のような声で呟いた。「命を大切にするなら」
二人は唾を飲み込みながら後ずさりした。ヴァウリアンは疲れたように両手を上げた。
「大丈夫だよ、ごめん…ただ、何か理解できないものを見ると、どうしても気になってしまうんだ。」
カイトは何も言わなかった。彼の顔には驚きと、かすかな恐怖が浮かんでいた。
静寂が続くと、遠くで人の叫び声が静寂を破った。そして、さらなる叫び声が上がった。そして煙が上がった。
「村だ!」カイトは立ち上がり、叫んだ。「さあ、俺たちがいかに優れた英雄か、見せつけてやる時だ!」
三人は燃え盛る村まで走り続けた。一軒の家が激しく燃え、中では一家が助けを求めて叫んでいた。カイトはためらうことなく盾を扉に突きつけ、ヴァウリアンは家財道具を掘り返して道を切り開き、レイヴナーは血の剣を召喚して燃え盛る梁の間を切り開いた。
一家は救出された…しかし、まさにその時、村人たちと武装した警備員たちが到着した。彼らが目にした光景は一変していた。
砕けた扉。
地面に散らばる物。
血まみれの剣を振り回す悪魔。
ポケットに物を詰め込んだ怪しい「医者」。
「略奪者だ!」農民が叫んだ。
「彼らはあの可哀想な家族から金を奪おうとしていたんだ!」別の農民が付け加えた。
カイトは両手を挙げて説明しようとした。
「違う!私たちはこの家族を救ったばかりだ!それが起こったんだ!」
しかし、誰も耳を傾けなかった。群衆は棍棒や鍬で武装し、衛兵たちは剣を振り上げた。
レイヴナーは苛立ちながらその状況を見ていた。彼は血の剣をしまい、ノクターヌスに飛び乗った。
「逃げろ。ここで説明しても無駄だ。」
ヴァウリエンはカイトの腕を取り、村人たちが追いかけてくる中、引きずりながら進んだ。石が転がり、叫び声が響き渡る中、彼らはなんとか森の小道を抜け、闇の中へと姿を消した。
ようやく彼らが立ち止まると、カイトは息を切らして地面に倒れ込んだ。
「やった!これでみんな俺たちを泥棒だと思うな…」
ヴァウリエンは苦笑いした。
「おかしなことに、今回は私のせいじゃなかったんだ。」
レイヴナーは首にかけた血の護符を静かに握りしめた。一瞬、彼の目に何かが浮かんだ。怒りではなく、悲しみだった。それから彼は顔を背け、すべての感情を隠した。
夜が再び彼の足を呑み込んだ。
月明かりが森を銀色に染める中、カイトは疲れ果てて木に倒れ込んだ。ヴァウリアンは再び静かにベイプを吸った。まるで怒り狂う村の半分から逃げ出したばかりではないかのように。だが実際には、まさにその通りだった。レイヴナーは真剣な表情のまま、ノクターナスの首を撫でた。
若い男が緊張した笑みで沈黙を破った。
「えっと…ただの誤解だった。きっと明日にはあの村の人たちも、私たちが助けたことに気づくだろう」彼は無理やり笑いを作った。「きっとみんな忘れて、この誤解を一緒に笑ってくれるだろう」
ヴァウリエンは信じられないというように眉を上げたが、何も言わなかった。レイヴナーはまるで真実を既に知っているかのように、ただ黙って見張っていた。
翌朝、近隣の村々に錆びた釘で留められた掲示板が現れ始めた。そこには木炭で描かれた3人の人物像があった。
黒い鎧をまとい、反抗的な眼差しを向ける若い男。
シルクハットをかぶり、歪んだ笑みを浮かべる「医者」。
赤い目をした悪魔の裁判官が馬に乗っている。
画像の下に大きな文字でこう書かれている。
「指名手配:悪魔の三人組」
誤解はまだ終わっていなかった。始まったばかりだった。




