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第8話 ギルドの記憶と、今の俺

「勇者様、ありがとう! 村を救ってくれて……」


「いえ、自分はただ依頼を受けただけです」


ギルドの受付嬢が苦笑いしながら言ったっけ。


「またそれ言う! でもね、そういう“誰かのために動ける人”のことを、私たちは勇者って呼ぶんですよ?」


怜音は、ベンチに座りながら空を見上げた。


現代の空は高く、どこまでも冷たい。

けれどその奥には、確かに“あの世界”とつながる何かがあるような気がしていた。


「ギルドじゃ、履歴書なんてなかった」

「実績なんて、依頼をこなせば後からついてきた」

「……そうだよな。あの頃の俺は、“まず動いてたんだ」


魔物退治、薬草採取、荷運び、迷子探し――

どれも地味で報われない仕事だった。

でも、全部“誰かの困ってる声”から始まった。


「今の世界でも、そんな“困ってる人の声”って……あるんじゃないか?」




怜音はゆっくりと立ち上がった。


経験がなくても、学歴がなくても。

まず“自分にできること”を探してみよう。


それがきっと、この世界での“最初の依頼”になるはずだ。


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