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第七話という名の犬派or猫派?

どうも。ナツルです。

今回の更新は前の七話に加筆した物となっておりますが、あまりにも遅すぎかつ加筆した量がそこそこ多かったので“修正”ではなく“更新”であることをお許し下さると嬉しいです。


遅くなりすぎたのにも最近妙に忙しかったんですが、いろいろとアテが出来たのでこんなに遅い事はもうないと思います。


では、本編どうぞ。

「その‥!

もう‥我慢できなくて‥ごめんなさい!」


なんて出来事が起きている頃。

居間では三日月友華とルビー・ミュラがいた。


―俗に言う場面転換――



「いやー、今頃勇多びっくりしてるだろうなー。」

何をのんきな、と友華は思う。

そんな知識がないミュラだから何も思わないのだろうが、アレを何も前情報なしで目の当たりにすれば、ほとんどの男は勘違いするだろう、と。


まあ、アレの時に組伏せるのは至難の業だから間違いが起きる心配はないだろう。

寧ろ面白い事になりそう。

などと考えているのだろう。


「まぁ、朝一番に聞きに来るだろうね。」

少しワクワクしながら友華が言う。


「そうだな。多分。

さてと、私もそろそろ寝る。友華もそろそろ寝ろよ。」


「分かってるよー。

寝ないと育たないもんねー。

色々と。」

端からみればこの二人が師弟の関係などとは思わないだろう。

もっとも、師弟でありながら友達でもあるのだが。


「う、五月蝿い!」

ペシッ!

目には見えない空気の塊が友華の頭を叩く。

手を使わず、かつ相手に悟られずに叩く事なんてミュラにとっては朝飯前だ。


「いたた…」

大した反省もせずに友華も自室に戻っていく。


そして夜が明けていく。

―俗に言う場面転換――

「‥んぅ‥」

まだ少し眠い。

何故だろう?

昨日よほど疲れた事でもあったっけか?


えーと昨日は霧彩さんや雨色さんに会って…


俺は飛び起きた。

とりあえず簡単に顔を洗う等の行動を済ませ、全力で居間に向かった。


どうやらかなり熟睡していたらしい。

四人ともくつろいでいた。

当然ミカちゃんも。


「お、起きたな。

おはよう、勇多。」


「おっはよー。

おや~? 何か言いたげな顔ですな~。」

友華ちゃんが言う。

まさにその通りだ。


って、何でわかるんだ!?

まさか知っていたのか!?


「何かあったのか知ってるの?」

本当はミカちゃんに直接訊いた方がいいと思う。

けれど、なんとなくそうした。


もしも、友華ちゃんが知っているとするなら、少なくともミカちゃんよりは話してくれそうだと思ったし。


「まーあね~。

その正体は今のミカの頭を見ればわかるんじゃない?」

そう言われたので見る。


!? 何だあれ?


「ね、猫の耳…?」

ミカちゃんの頭にあったのは、紛れもない猫耳だった。


「そ、その‥ごめんなさい‥

私のお母さんには半分獣人の血が流れていて‥つまり私には四分の一獣人の血が流れているんです…

それで、ある一定の周期でその血がどうしても抑えきれなくなっちゃって…

抑えきれなくなると、誰かの魔力を吸収したいって感情が…


びっくりさせちゃって本当にごめんなさい…!」


「だから、今朝妙に熟睡したでしょ?」

そういえばそうだ。


「まぁ、何かしらの後遺症とかさえなければいいと思うよ。

抑えきれなくなっちゃうみたいだし‥


でもどうして俺に?」

別に俺でなくてもいい気がする。


と、今まで喋らなかったミュラが、


「それはだな、魔力にはまったく同じ物はない。

まぁ指紋みたいな物だな。

それで、適当な手順をふめば味も知る事が出来る。

せっかくだから知っておこうという訳だ。」

なんじゃそりゃ。


「さて、勇多の悩み(?)も解決した事だし、今日はお前達にアレを受けてきてもらおうか。」

アレ って何それ。


「ああ、確かまだ騎士団の事は教えていなかったか。

これはだな…」


長くなったので、簡単に整理してみる。


騎士団というのは、正式名称“深紅騎士団”という。

当然この世界にも沢山国があり、それを治める人がいる。

でもって、ほとんどの場合その下に政府組織的な組織がある。

だが、この深紅騎士団だけはミュラが唯一直々に指揮している組織らしい。

名前もミュラの名前にちなんだとか。


主にやっている事は、色々な所から来た依頼(クエストとも言う)をこなすという極単純な物。


なんとこのクエスト一般の人も受けられるとか。(もちろん正式な人が付き添う)


で、友華ちゃん達は修行がてらこのクエストに挑戦しているとか。


「…という訳だ。

だから、今回はお前達に何かしらのクエストを受けて来い。

難易度は任せる。


それじゃあ私は用事があるから。


そうそう、私の弟子として行く訳じゃないから、この家の敷地を出れば変身は解けるようにしておく。


それじゃあな。」

行っちゃった…


「‥とりあえず、皆準備してこようか。」


よし、全員準備完了。

「それじゃあ、行こうか。

誰か道案内お願いできる?」

そう言いながら玄関までいくと、


「のわっ!?

またかよ!?」

そう、また俺の体が光り出したのだ。


「‥まぁ、可愛いからいいじゃん。

せめてこの家の敷地出るまでは我慢しなくちゃね。」


「う~、これ色々と慣れないんだよね~。」

これ、いつかは慣れないといけないのかなあ…

服がスカートになっているせいかやたらスースーするんだよね、この姿。


敷地内をテクテクと歩いていく。


そういや俺、ここに来てからあんまり外に出たことないな。

まさかこんなに広いとは。

どれくらい広いかって言うと、普通に地平線が見える。


「いや~、それにしても面白いでしょ?ミカちゃん。


犬塚なのに猫とはこれいかに、ってね。」


「もー!

やめてよ、友華ちゃん…


‥変ですよね、勇多さん。」

「いや、変じゃないと思うよ。」

むしろ可愛いくらいだと思う。


「あ、ありがとうございます……!」

なんか知らんがお礼言われた。



「着いたよー。

ここで色んなクエストを受けるの。

ドラゴン退治から、中にはおつかいや子守りまで幅があるんだよー。」

幅ありすぎじゃね?


「それで、結局どれにするの?


一応言っとくけど、俺ド素人だからね。」

実戦なんてしたことないに等しい。

そもそもこんな所来た事がない。


「ん~。どうする?


お、コレ面白そう。

これやらない?」

三人で相談してる。

まあいいか、俺わかんないし。


と、三人が帰って来た。


「決まったよ。

どっかの村の魔物退治。


なんか今無料で目的地まで転送してくれるキャンペーンやってるんだって。

せっかくだから使おう。」

案の定戦闘系か…

ていうか何だそのキャンペーン。


受付(?)らしいお姉さんに案内される。


「こちらが転送装置となっております。

少し足元が揺れますので、足元にご注意下さいね。」


うお、眩しい。

どこだここ。 森?


「着いたみたいだね。

情報によるとこの先に魔物で困ってる村があるみたい。」

森の中に村、か‥

何だかRPGみたいになってきた様な気がしてきた。


「そういえば、正規の騎士団の人がいないと一人付くんじゃなかったっけ?」

今この場には俺達四人しかいない。


「それはですね、師匠が何かしてくれているみたいで、私達が正規の騎士団になっているらしいんです。」


「まあ、私達は家だとあんまり魔法使えないからね~。」

そうなのである。

家‥というかミュラのポリシーらしくて、

例えば、朝面倒臭くて魔法を使って着替えるとか。

とにかく、魔法にあんまり頼るのはダメ ってのがポリシーらしい。


まあ、ミュラらしいと言えばミュラらしい。


「着いた。

多分ここだと思うよん。」

見ると、村らしき所の入口に人が立っている。


「ようこそいらっしゃいました、深紅騎士団様。

アラウル村にようこそいらっしゃいました。」

変な名前。

さて、俺達は今村長さんとおぼしき人の家にいる。

ご丁寧に入口で俺達を出迎えてくれていたらしい。


「よくぞ来て頂きました。

まあお茶でもどうぞ。」

皆お礼を言う。


「それで、どの方が騎士団の方で…?」

村長さんが友華ちゃん達三人を見る。


そういや忘れてたけど、深紅騎士団には女性(身体と精神どちらも)しか入れないんだっけ。

ミュラが仕切ってるからね。


「あ、私達三人共です。」


「へえ~。若いのにすごいですね。

さてと、それでは依頼の話に入らせてもらいますね。


実は、私どもの村の近くに洞窟があるんですが、最近そこに魔物が住み着きまして…」


「でもそれなら、わざわざ依頼しなくても良かったんじゃないですか?

まさかこの村に防衛手段がまったくない訳じゃないでしょう?」


「はい。一応あるにはあります。

ですが、村に来る者だけを追い返していても埒があきません。


やはり元を叩かなければ…!」

一応あるのね。


「わかりました。

それでは、その洞窟までの地図があれば頂けますか?」

しかし手際いいな、友華ちゃん。

やはり慣れているんだろうか?


「それじゃ、行くよ三人共。


ごちそうさまでした。」

地図らしき物を友華ちゃんが受け取り、出発する。


「えっと、地図によるとそこそこ歩かなきゃならないみたいだね。


まあのんびり行こうよ。」

いいのかそれで。


「歩いてる間暇だし、師匠の伝説でも話そうか?」


「そんなのあるの?」

俺がそう言うと、友華ちゃんが笑いながら言った。


「もちろん。

ありすぎる程あるよ。

例えば戦争が近くで起こってて、それで師匠が『うるさい。』って両国に言った途端に和平、さらに合併にもなったって感じの伝説。」

そりゃすごい。

というか無茶苦茶だな。


「あ、そんな感じの話なら私も知ってます。」

負けじ(?)とミカちゃんが手を挙げる。


「私が知っているのは、小さい頃に武道のトーナメントみたいな物に乱入して、『めんどくさいから全員かかって来い。』って言って全員ボコボコにしたらしいです‥。」

それもえげつないな…


「はいはーい! ラトも!」

さらに負けじとラトちゃんも元気に手を挙げる。


「このまえね。シチューを食べていたら、

なんと! ニンジンがいつの間にかふえていたんだよ!

きっとあれはししょーが何か…!」


「‥それは横にいる誰かが入れたんじゃないのかな?」

ミカちゃんが冷静に指摘する。

そしてラトちゃんはうなだれながら『そっかぁ…』と呟く。


何もそんなに落ち込まんでも。

今度こそとラトちゃんが考えこんでいると、


「着いたよん。

多分ここだね。」

どうやら着いたらしい。


前を見ると、分かりやすいくらいぽっかりと穴が開いていた。


「ここがその洞窟?」


「そうみたいだね。


それじゃ、行ってらっしゃい。」


「…へ?」


「あ、お弁当先に食べたい?」


「いやいやいや!

そういう意味じゃなくって!


行ってらっしゃいってどゆこと?」

それじゃまるで俺が一人で行くみたいじゃないか‥


「いやね、今回のクエストは元々勇多君の研修みたいな物だから。

私達ならこんなのちょちょいのちょいだからね。


それじゃ、行ってらっしゃい。」


「え、えと、頑張って来て下さい…。」


「行ってらっしゃーい!」

ひでえ。


「せめて何か助言くらい…!」

少し‥というかかなり情けないのはわかってる。

けど、不安過ぎる。


「う~ん…

助言としては‥


ん?」


「どうかしたの?」

何か目を細めて洞窟の方を見ている。

俺も見てみる。


「‥霧?」

そこにはうっすらと霧が発生していた。


「いや、ただの霧じゃないねコリャ。


ミカ、属性わかる?」

ただの霧じゃない!?

‥て、何かヤバいのかそりゃ。


「‥えーっと、多分“水”ですね。


‥まさかとは思いますけど、勇多さん“魔霧”を忘れちゃった、なんてことはないですよね?」


「‥すいません。

忘れました。」

ミュラの授業で習った気がする。


「‥もう、ダメですよ忘れちゃ。

魔霧っていうのは、普通の霧に何かしらの属性が付加された物(ただし現在基本の五属性が付加された物しか発見されていない)です。」


「‥うーん。多分思い出した。」


「そういうのは思い出したと言わない気がするんですが…」

まさにその通り。


「‥う~ん、たしか魔霧はそこで魔法が頻繁に使用されて発生するんだっけ…


コリャ勇多君一人じゃ不安かなぁ…


よし、ラトちゃんをお供に付けよう。」

お供って。


「そんじゃま、行ってらっさい。


私達はここでサンドウィッチ食べとくから。」

ハイキング気分か。

一応そのサンドウィッチ俺が作ったんだけどな‥

別にいいけど。


「‥それじゃ、行ってくるよ。

ラトちゃん、付いてきてくれる?」


「はーい!」

そう言って、俺とラトちゃんは洞窟へと進んで行った。


―俗に言う場面転換――


その少女二人――

三日月友華と犬塚ミカは、洞窟の入口で勇多が作ったサンドウィッチを食べていた。


「いや~、美味しかったね。

さすが勇多君だ。」

どうやら一足先に食べ終わったらしい友華が言う。


「本当にそうですね。

羨ましい‥私も今度教えて貰いたいな…」

そしてミカもようやく食べ終える。


「…さてと、腹ごしらえも済んだし、食後の運動といきますか。」

ミカもそれにうなずく。


「――隠れてないで、出てきたらどう?

村長さんと、村の皆さん?」

いかがでしたでしょうか?

しかし、本来なら今回の話でクエストをクリアする予定だったのになあ…


後書きを書くのが久しぶり過ぎて何を書けばいいのかわかりませんが、とにかく、

いつも通り、ご意見ご感想、その他も色々と募集しまくっています。


ではでは。

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