第三話という名の初探検
また遅いですね。
ごめんなさい。
今回はいつもより少し長いですけど、クオリティは変わってません。
それでは本編どうぞ。
眠い。
結局昨日はほとんど眠れなかった。
ちなみに朝起きたら、もうミュラはいなかった。
まさか幻覚だったとかじゃないよな‥‥
などと考えながら顔を洗う。
洗面所の場所は、
洗面所の場所が分からずさまよっていたら、自分の部屋で見つけた。
やっぱり女の子が多いからなのだろうか?
とりあえず居間に向かう。
居間に着くと、ミカちゃんがいた。
「おはよう。‥えーっと、犬塚さん。
あれ、他の二人は?」
いつも一緒にいるイメージがあるから少し違和感。
「み、ミカでいいです。
名字で呼ばれるのは慣れていないので‥」
良かった。名前合ってた。
ぶっちゃけ結構自信なかった。
「うん。わかったよ。それなら、俺の事も好きに呼んでくれていいから。
それでミカちゃん、
他の二人は?
…ミカちゃん?」
ミカちゃんがなんだか少しぼーっとしているように見える。
「ひゃ、す、すいません。
男の人に名前で呼ばれるの初めてで‥
多分友華ちゃんは二度寝で、
ラトちゃんはまだ寝ていると思います。」
なるほど。
まだ朝結構早いからね。
「あ、すいません。
朝御飯ですか?
でしたら、この全自動お料理ロボ“作るちゃん”を起動すれば‥」
ああ、そうそう。
なんか違和感あると思ってたら、まだ朝御飯食べてないからだ‥って、あれ?
「人が作るんじゃないの?」
俺はてっきり‥
「えっと、私は不器用で‥
お料理とか作るの苦手なので‥
友華ちゃんは、『面倒くさい』って言って、
ミカちゃんは、火とか使わせるの危なっかしいし‥
師匠は、お料理苦手なんです。
だから…」
なるほど。
要は誰も作れないと。
「‥はあ、わかったよ。
じゃあ、俺が作ってもいいかな?」
料理なら、俺が作れるから。
「えぇっ!?
お料理出来るんですか!?
…す、すいません!
びっくりしちゃって…」
まあ、わからんでもない。
「えっと、キッチンはそこです。
材料も、いっぱいありますから‥
それにしても、すごいですね。
尊敬します‥」
うーん。
料理作れない人は作れる人を尊敬するらしいけど、そこまでかなぁ?
「ありがと。
それじゃ、キッチン借りるね。」
さて、キッチンはここか。
うおっ!
デカッ!
こんなに大きかったら、なんでも作れるんじゃないか!?
冷蔵庫スゲエ!
ていうか、明らかに空間がおかしい!
少なくとも俺の知ってる冷蔵庫には“食材サーチ機能”なんて付いてないって!
さすが(?)魔法使いの家だ‥
イカン。動揺してる場合じゃない。
よし、作ろう。
・
・
・
うし、出来た。
五人分でいいよね?
食卓に持って行く。
ミカちゃんも手伝ってくれた。
「ふわあ‥
すごいですね…」
「ありがと。
それじゃあ、他の三人を…」
そういえば、俺この家の事全然知らないな。
またいつか案内してもらおう。
「おやおや?
何やらいい匂いがするねぇ~。」
「おはよ~。」
「お早う。
む。 いつもと食事が少し違うな。
まさか勇多が作ったのか?」
あ、三人。
「皆おはよう。
朝御飯作ってあるよ。」
てか、なんでラトちゃんはいつもうさぎのぬいぐるみ抱きしめてるんだろう。
「え?
まさか勇多君が作ったの?
すごいねー。
おいしそう‥」
「わ~。
おいしそ~。」
んじゃ、食べますか。
「はい、それじゃあ、頂きます。」
「私が言いたかった‥‥」
「ん?ミュラ、何か言った?」
「い、いや。
何でもない。」
いやしかし、結構緊張するな‥
「どう?
皆の口に合えばいいんだけど‥」
もしこれで、『不味い!』
とか言われたら…
「「「「……」
あれ?
何故皆無言?
まさか味付け失敗した?
「美味しい…」
「おいしい!
いやマジで!」
「おいしー!」
「‥美味い。
作るちゃんの数倍美味い。」
うお、まさかの大絶賛?
・
・
・
結局、それほどおいしかったのか、皆かなり早く食べた。
いや、やはり女の子なので少し早くなった程度だが。
「「「「「ごちそうさまでした。」
最後に皆そろって合掌。
「よし。
それでは今から火の魔力の結晶である石を採りに行くぞ。今回は特別に“ファイ火山”を貸し切っている。」
わーい。わからん。
え?貸し切り?
スゲエ。
そうか、考えてみりゃミュラは偉いんだっけ。
それならお金持ちなのも頷ける。
「ファイ火山は、最高品質の火の石が採れるんです。
ちなみに私達も、最高品質の石を使いました。」
最高品質?
石に品質なんてあるのか‥
「そういう事だ。
それじゃ行くぞ。
この輪の中に入れ。」
ミュラがそう言うと、床に光の輪が現れた。
あれ?俺だけ?
「お前達は自分で行け。
私に頼るな。」
あ、なるほど。
「んじゃお先に~。」
「先に行ってますね。」
「お出かけ~。」
あ、三人消えた。
「…コホン。
それじゃあ勇多。
輪の中に。」
「はい。」
む、思ったよりこの輪狭い。
あれ?その輪にミュラも入るって事は‥
「よ、よし。
私も入るぞ。」
やっぱりね。
かなり近い。
まあ、密着はしてないけど。
? ミュラの顔が赤い。
風邪かな?
視界も意識も白くなっていく。
「さあ、着いたぞ。
き、緊張した‥」
着いたのか。
て、暑っ!
火山だから?
「さてと、私は帰る。
三人共、これはテストだと思え。
それじゃな。」
え、帰っちゃうの?
「うーん‥
めんどいけど‥ 新入り君の歓迎がてら頑張りますか!」
めんどいって。
「テストかぁ‥
がんばらなきゃ。」
すごく真面目だね。
失敗するとミュラから物凄いお仕置きされるとか?
「よし!がんばるぞー!」
元気だー。
何故俺がこんなにゆったりしているのかというと、予想以上に火山が暑くて少し現実逃避。
「あ、ごめんなさい。
今、暑さを少し軽くしますから‥」
そんなきもちが通じたのか、ミカちゃんが何やらぶつぶつ唱え始めた。
そして、手を俺に向ける。
おお、少し快適になった。
「ありがとう。
それで、これからどうするの?」
「はい。
まず、四人を“先に行って危険を排除する組” と、“勇多さんを守りつつ後ろからゆっくり行く組” の二人組に分けようと思います。
最下層まで行くとなるとここは一応、かなり危険な場所になるので‥」
ふーん。
え?危険?
「んじゃ、二組にわかれよー。
はい、グーッパ揃えば‥‥」
懐かしい。
地方によって掛け声が違くて学校とかじゃ必ず一度はやり直しになる分け方じゃないか。
グッパの結果、ミカちゃんとラトちゃんが先に行く組で、俺と一緒に行ってくれるのが友華ちゃんに決まった。
「それでは、先に行ってますね。」
「ばいば~い。」
そう言って、なんか超人的な跳躍力を発揮しながら奥に消えていった。
「さてと、そろそろ出発しますか。
カモ~ン。」
カモンて。
「どうだったの?
初夜。」
「ぶっ!
な、なんて?」
「え?
一緒に寝たんでしょ?
じゃあ‥」
「三日月さんが期待しているような事は一ミリも起きてないよ。
多分‥」
まったく何を期待してんだか…
「やだなぁ。
友華でいいよ。
これから一つ屋根の下で暮らすんだから。」
そうだった…
理性耐えてくれよ…
頼むから。
「突然なんだけど、
ゲームや漫画、アニメには詳しい?」
? 何をいきなり。
「ゲームは、少し。
漫画とアニメは‥友人の影響で少々。
でも何で?」
「んっとね。
そちら側の人たちと戦う時もたまにあるから。」
へー。
戦うんだー。
え!?
「た、戦う!?
どゆこと!?」
「厳密に言うと少し違うんだけどね。
例えば、世界一有名な青いロボット。
わかるよね?」
「ああ、ねずみ嫌いの。」
「そう。
それでそのロボットの公式設定を、全て再現した生命体がいるとしたら?」
え?
それは最早‥
「外見、身長、体重、性格、能力、その他全て。
それらを再現すると、限りなく本物に近い。
たしか、二次元の世界に行く事を諦めた学者が、その術の基礎原理を編み出したんだっけ‥‥
もっとも、あまりにも強い能力を持つキャラクターは師匠に能力の制限されてるけど。」
なるほど。
魔法って何でもありだな。
「いやー。
しかし、見事に何もないねー。
ミカ達頑張りすぎだねー。」
確かに。
暑い以外は普通だ。
いや、火山の中に入ってる時点で普通ではないんだけど。
「ん?」
? 友華ちゃんが眼を細めてる。
俺には何も見えないけど。
「…勇多くん。
少し離れてて。」
何やら顔が神妙。
とりあえず言われた通りにする。
「‥そこのあなた。
出てきたら?
今ここは貸し切りのはずだけど。」
!?
何もないとこから男が出てきた!?
「はっ、よく見破ったな、嬢ちゃん。
どこぞのボンボンが貸し切ってると思ってたが、そこそこはできるみたいじゃねーか。」
「そこそことは言ってくれるね。
こんな浅層にしか来れない三流が。」
お二人共、顔が怖いですよ。
「ケッ、見たところ嬢ちゃんもモンクか。
何か言いたい事があるんだろ? 来いよ。
ガキと大人の違いを見せてやる。」
「‥わかった。
三流と一流の違いを教えてあげる。」
同時に両方が地を蹴った。
駄目だ、速すぎる。
微かに見えるのは、おそらく拳がぶつかる時に出るであろう光。
バトル漫画か。
「左脇腹もーらい!」
「しまっ‥」
あ、友華ちゃんの技が決まった。
そして男が倒れる。
「ふう。
やっぱ三流だね。
さてと、こいつは然るべき所に送っときますか。」
その後は特に何もなく進めた。
途中で友華ちゃんが『貧乳は好き?』 とか、『四人の中で誰が一番好み?』 とか聞いてきたくらいで。
あ、先に行った二人だ。
「お待たせ~。」
「遅くなってごめんね。」
疲れた。
歩く事より道中での質問に答える方が疲れた…
でもって、石(見た目が赤くて少し暖かい以外は割と普通だった)を採って家に帰って来た。
「「「「ただいま~。」
「お帰り。お前達。
ではさっそく、儀式を始めるぞ。
ミカ、友華、ラト。
陣を描くの手伝え。」
「ほーい。」
「はい。」
「はーい!」
うーん。さっぱり理解できない。
文字とか。
「よし。描けたな。
それでは、儀式を始めるぞ。」
「勇多。お前は質問に答えるだけでいい。
汝、火の力を極め、火の加護を受け、魔法の技術を学ぶか?」
「はい。」
「よし。
では火の精霊よ。
この者に永遠に消えぬ聖なる炎を授けよ!」
と同時に、床の魔方陣が紅く光る。
その光は俺を包み込み、その形は炎へと姿を変えていく。
暖かい…
「よし。終わったぞ。
おめでとう。勇多。
これで晴れて魔法使いとして、私の弟子として、仲間入りだ。」
「いやー、めでたい!」
「おめでとうございます。」
「おめでとー!」
拍手喝采。
「あはは。
少し照れるね。」
というか、もう少し長いと思ってた。儀式。
正直、語り(?)の部分やキャラのセリフがわかりづらいのは、
どうにもなりません。
いつか、成長するのをまつしか…
いつもながら誤字脱字、ご意見ご感想、お待ちしております。
本当にあれが一つ変わるだけでやる気がものすごくあがります。
1.3倍くらい。
嘘です。ごめんなさい。
本当は多分2.4倍くらいです。
ではでは。