表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/52

動物園②

僕は初めて動物園ていうところに来た。

たーけもとさんっていう人と一緒に回ってくれるらしい。

僕は初めて見る動物を絵に描いていく。

ここの動物はみんな無口みたいで、あんまり話さないらしい。


「おかあさんあの子動物だよ~」

「そうね~」


親子のぞうさんが会話してるのを見ながら絵を描く。

僕には動物の言葉がわかるんだ。


「動物なのに何で()に入ってないの?」

「そうね~そいう生き物なのよ」


子供のゾウが柵って言うものに入っている事に不思議を覚えたらしい。


「ちゃんと柵まで描いてる!上手じゃん!」


たーけもとさんに言われて分かった。

この棒が柵なんだと。

ゾウの絵を描き終わったので、次の動物に会いに行く。

トラって言う動物の前に来て、僕はまた絵を描き始める。


「あら、ぼく喋れる仔でしょ」

「なんで分かるの?おねぇさんも喋れるの?」

「喋れるけど、みんなには内緒よ」

「なんで?」

「ここに入れなくなっちゃうからよ」


何でだろう?僕は隠さずに生きてるのに何でおねぇさんは隠すの?ここに入れなくなるってなんでだろう。僕は分からず絵を描く手が止まる。


「入れなくなっちゃうの?」

「珍しいことだからね・・・あなたは人間を信用してお喋りしたかもしれないけど、私は人間を信用できないの」

「かぁたん優しいよ!」

「それでいいのよ、私はこの柵の中で生まれたからなんら苦ではないし」

「なんで柵の中に入れられてるの?」

「私が人間より強いからよ」


僕には難しい内容だったけど、おねぇさんは優しく「私を綺麗に描いてね」とポーズを決めてくれる。

僕は新しい紙に黄色のクレヨンでおねぇさんを描いた。

黒い部分が難しかったけど、僕なりに頑張って描いた。


「描けたよ!ほら!」

「綺麗に描けたわね~」

「僕また来るからいっぱい話そう!」

「いいわよ~またお話しましょう」


僕はおねぇさんにバイバイって伝えてかぁたんの所へ戻った。

かぁたんにもこの事は内緒にするつもりだ。

僕しか知らない秘密。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ