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クレヨンと入園

「ここは人間の幼稚園みたいなところです」


高橋さんに案内してもらいながら教室を遠目で見てみる。

教室内では先生がひらがなの書き方を教えているのは犬相手だ。


「小型犬と中型犬は同じ教室で大型犬や超大型犬は別の教室で学んでます」

「お昼はどうなっているんですか?」

「お母さんにお弁当を持参してもらいます」


普通の人間の幼稚園みたいだ。

どんちゃんは物珍しそうに教室内を見ている。

今の時間はお絵描きらしくみんな色とりどりのクレヨンを器用に持って思い思い絵を描いている。


「どんべぇくんもやってみるかい?」

「いいの?」


空いている机に座らせてもらいクレヨンを()に取る。


「かぁたんなにこれ?」

「これはクレヨンって言ってこうやって絵が描けるの」


青いクレヨンを持つ手を重ねて線を描く。


「お空の色だ!」

「そう!お空だね!」


どんちゃんは紙の半分を青色で塗りつぶして赤色のクレヨンに持ち替えて太陽を描いている。

家では絵本と動画しか経験させてなかった。

こんなに楽しそうにしてるのを見ていると胸の真ん中が暖かくなる。


「何かいてるの?」

「たいようだよ!」


ブラウンの色が綺麗なチワワがどんちゃんに話しかけてくれた。


「黄色のお花描いたらもっといいよ!」

「おはなってなに?」

「こんなやつ!」


自分が描いた絵を見せてくれるチワワが可愛くて笑みが零れる。

どんちゃんも上手だね!と笑顔で答えている姿が見れてよかった。


一時間ほど見学させてもらい、最初の部屋に戻ってきた。

どんちゃんは絵本のところに行き、続きを読み始めた。


「どうでしたか?」

「どんちゃんに色んな経験をさせたいと思いました」

「では、登園のルールを説明させていただきます」


高橋さんはそう言って紙を取り出した。


「リクの里では他の仔達と社会との共存を目指しています。

私共の園では八時にここまで送ってもらい、お迎えは二十時までお預かりできます。

もし、遅れるようであればお電話頂けると延長という形になります。

園を利用するにはワクチン接種証と狂犬病のワクチン接種証が必要になります。」


「わかりました」


「あとは、こちらの紙に必要な物が載っていますので、ご参考になってください」


私は紙を受け取り一覧を見るが揃えるものが多くて驚いた。

お洋服は必ず着せなくてはならないらしく、トイレトレーニングが出来ていない仔はオムツが必要とのことだ。


「あと、どんべぇくんはおトイレできますか?」

「犬用のトイレなら完璧です」

「では、人間用のトイレの練習をしてもらってもよろしいですか?」

「わかりました」


この後買い物地獄だなっと思いながら貯金下さないとだ。


「かぁたん!絵本持ってきていい?あとぬいぐるみ!」

「大丈夫ですか?」

「失くしたり破損したりしても一切責任が取れないので・・・」


どんちゃんが「え~だめなの?」と残念そうだったがいっぱいあるからいいか!っと自分で切り替えていた。


「これからどんちゃんと一緒に買い物って大丈夫ですかね?」

「大丈夫ですよ!どんべぇくんなら人と紛れる力を持っていますよ」


その後もリクの里の利用方法や月額料金の話で頭が痛かったが、仕方ない。


「最短で来月から入園でも大丈夫そうですか?」

「大丈夫です」

「あ、電車で来られましたか?」

「そうです」

「電車賃は子供料金でお願いします」


どんちゃんの手を握って外にでる。

本当にどんちゃんと歩いて大丈夫か心配になるが、高橋さんが大丈夫です!と言っていたので、堂々と歩く。駅に着き、どんちゃんの分の切符を買う。

道行く人はなんら変わったことがないように通り過ぎていく。


「ぼく切符いれたい!」

「わかったよ」


どんちゃんを抱っこして切符を入れてもらう。どんちゃんを下して自分のSuicaをタッチする。

電車に乗りどんちゃんを座らす。

靴など買わないと足が真っ黒になるなと考えていた。


「これから買い物?」

「一旦家に帰ってこのケース置いて買い物行こうか」


こんな普通の会話をしても周りはこちらを見ず、皆自分の空間を過ごしていた。

これで気兼ねなくどんちゃんと会話が楽しめるなんて思ってもみなかった。


「よし!降りよう!」

「あい!」


家まで徒歩十分になる私たちのお家に向かって手を繋いで歩く。

家に着いた時にどんちゃんの試練「階段」が出迎える。


「足届くかな?」

「届かない!!」


泣きそうなどんちゃんを抱っこして階段を上る。

成犬になっても二足歩行で階段を上れる気がしないなと思ったが、どんちゃんには内緒だ。


「買い物ついてくる?」

「行く!絶対行く!」


どんちゃんの好みもあるから着いてきて欲しかったので助かると同時に時間がなくて焦る。

どんちゃんを抱っこして駅まで歩く。


「ぼく歩けるのに~」

「帰りは歩こうね」


入園グッズを買いにショッピングモールに着いた。

どんちゃんを子供用カートに乗せて小走りで探す。











最後まで読んでいただきありがとうございます!

今回は入園までの説明などで終わらせました!

次回はお買い物編です!お買い物が大好きなので書くのが楽しみです(笑)

皆様のブックマークといいねお星さまレビューお力添え頂ければ幸いです!

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