表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/52

絵本を読んであげたら

今回はどんちゃんの可愛い具合が個人的に爆上げです!


「二連休どうだった?」

「充実してましたよ」


子犬の部屋を片付けながら答える。

一頭がうんちの状態が悪いので顕微鏡で調べようと爪楊枝でうんちをちょっと取る。


「顕微鏡行ってきます」

「はいよ~」


私も連休取ろうかな~と言っている鍋下さんを置いて顕微鏡のところに行く。

商品ルームを通り抜け診察室に向かう。

毎週月曜日に獣医師さんがきてくれるのでこじんました診察室がある。

そこに顕微鏡がある。

スライドガラスに採取したうんちと生理食塩水をちょっと垂らしてカバーガラスを乗せる。

ピントを合わせて端から端まで見ていく。

倍率を最大にしたときの微生物の動きなどが見れて好きな工程だった。

その時元気に動き回る虫がいた。


「ジアルジアだ」


私は急いでバックヤードに戻り鍋下さんにジアルジアがいたと報告した。


「まじかー消毒徹底して田瀬は病院に電話してお薬貰って」

「わかりました」


ジアルジアは子犬によくみられる虫で、症状として食欲不振や下痢がみられる。

何事にも早期発見が大事だとここにきて学んだ。

先生に電話をして夜から投薬がでた。


「投薬貰いました」

「ありがとう!休憩入って~」

「わかりました」


私は休憩を貰ったら行くところがある。

それは本屋さんだ。同じショッピングモールにあるので休憩時間に見に行ける。

私が帰るころには店は閉っているので、いいのか悪いのか。


「絵本、絵本」


どんちゃんの語彙力を増やすため絵本から読み聞かせをしようと思い、探す。

絵本なんて小さいころ以来だから何を読み聞かせればいいのかわからない。

店員さんに相談しようか迷ったが、一歳未満の犬に読み聞かせしたいんですけど・・・なんて言えない。

有名な絵本買うかと毛虫の表紙の絵本と桃太郎の絵本二冊もってレジに向かう。

残りの休憩時間は三十分ある。結構な時間絵本コーナーで悩んでいたんだな。

喫煙所行ってたばこ吸って戻るかと喫煙所に歩みを進める。


八時半今日も残業を乗り越えて帰宅する。

どんちゃんにご飯をあげて私はミートソースを作りパスタを啜る。


「どんちゃん今日ね絵本あるよ」

「えほんってなに?」

「物語だね」


寝るときに読んであげるねと言ったら


「今がいい!!今がいい!!」

「わかったから静かにしようか」


紙袋から一冊取り出した。

桃太郎を読んであげようとどんちゃんを膝に乗せて一ページ目を開く。


「むかしむかしあるところに」

「昔っていつ?」

「昔は昔です」


あいっと返事が来たので読み進める。

犬が出てきたところで「わんわんだ!ぼくだ!」と興奮して絵本を前足で叩いてた。


「鬼が可愛そうだよ~」

「どんちゃんは優しいね」

「ぼく鬼いじめない!話し合う!」


どんちゃんの優しさがわかって絵本ってすごいな。

私は絵本を読んだ記憶がないが、こうやって疑問に思ったことを母に聞いて困らせてたのかなとお母さんの苦労をどんちゃんで知るのが面白い。


「絵本っておもしろいねかぁたん」

「今度いっぱい買ってあげるね」

「かぁたんも読んでいたの?」

「読んでたと思うよ」


もう一回読んでとせがまれたので頭から読んであげる。

きびだんご食べてみたい!鬼退治だめー!!と一つの絵本で一喜一憂してる。

絵本のほかに動画サイトで子供用動画を観てもらうのもいいかもとテレビをつける。

桃太郎と検索して動画を探す。


「どんちゃんこれ観てみようか」

「なに~?」


再生ボタンを押して動画を一緒に観る。

年配のおじいさんが語りはじめ、おじいさんキャラが動きはじめる。


「動いてる!!かぁたん!」

「こっちの方もいいね」


どんちゃんは真剣に観始めて「どんぶらこ~どんぶらこ~!」と歌ってる。


「かぁたん!絵本取って!」

「はいはい」


絵本を取ってあげる。

前足でページを捲ろうと必死に動かしているが、捲れず「むじゅかしい!」と頑張ってるので後ろから

一ページ目を捲ってあげる。


「テレビと同じところまでやって!」

「今キジが仲間になったからここだね」


絵本と動画を照らし合わせたいのかと、楽しそうに動画観て、絵本を見てと忙しそうにしてる。

これで言葉を覚えて会話が広がればいいなと思う。

何よりどんちゃんが楽しそうにしてくれるだけでも嬉しい気持ちに満たされる。


「ももたろう終わった!」

「じゃぁ寝ようか」

「かぁたんもう一回読んでくれる?」


いいよと返して膝からどんちゃんを下す。

お気に入りのぬいぐるみを咥えながらスロープを上る。

私も絵本を持ってベッド際に置いている間接照明を点けてベッドに潜り込む。


「読んで読んで!」

「読んだら寝るからね」


桃太郎を読み始め、どんちゃんも後から追うように呟き始める。

間接照明の反射でビー玉みたいな目をキラキラせているのを見て本当に買ってよかったと思える。

読み終えるころにはどんちゃんは寝ていて、ゆっくりと布団をかけてあげて私も寝に入る。


「どんちゃん大好きだよ」























最後まで読んでいただきありがとうございます!

絵本を読んであげるというエピソードが早く書きたくて仕方なかったです!

これからも絵本を読んであげるシチュエーションが増えると思います!

ブックマークといいねお星さまお力添えいただけると助かります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ