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子狼と少年と  作者: 陸斗
7/13

おやつ

 今日もガッコーに行ってたタケルが帰って来た。


 「ただいまーッ!」


  僕はタケルの居る玄関に走って行く。


  ”おかえりッ!”


 そう言って僕はタケルに飛び付く。

 タケルが僕を抱き抱えると頭を撫でてくれる。


 いつも言ってるけど、僕はこの瞬間が大好き。

 だって、朝はすぐに居なくなっちゃうし、ずっと待ってたから。


 「お母さーん!今日のおやつなにー?」


 タケルは僕を抱き抱えたままお母さんのいるところへ歩いてく。


 タケルが帰って来るのが僕の一番大好きな時間だけど、その後のおやつの時間もその次に大好き。



 「あら、おかえり。丁度良かったわ。これが出来上がったところなの。」


 タケルと僕の前に置かれたのは…確か『ぷりん』って言ってたヤツだ。


 「え?お母さんが作ったの?すっげー!」


 ん?タケル?


 「多分…成功してるハズだから…」

 

 ”たけるー!”


 タケルはすっかり大好きな『ぷりん』に夢中になってる…。

 確かに甘い匂いとプルプルしてるのを見てると美味しそう…。


 「クーは食べちゃダメ!おなか壊しちゃうよ!」


 そう言うと、タケルは僕を床に降ろすと『ぷりん』を食べ始めた。


 「クーちゃんのはコッチね」


 いつもおやつの時間に貰うお菓子をお母さんが僕にくれる。

 これはこれで好きなのだが、『ぷりん』の甘い匂いがどうしても気になっちゃう。


 ”タケルー一口ちょうだーい!”


 言ってみたものの、タケルが聞いてない!

 どうしても食べてみたくてタケルの足にしがみ付いてみる。

 だって、凄く嬉しそうな顔で夢中で食べてるんだよ?そりゃ気になるよね?


 「ん~も~ダメだってばー!クーのおやつはそっちにあるでしょー!」


 独り占めなんてズルイ!僕もタケルと同じのが食べたい!


 流石にしつこくしてたので、タケルが「もー!ちょっとだけだからね!」って言って、僕に一舐めくれた!


 甘くて柔らかくて、口の中ですぐに溶けて無くなちゃったけど、ずっと甘い香りが口の中に残ってる。


 ”おいしいーーーーーーーーーーーー!”


 僕はもっと欲しくなってタケルを見てみたけど、「もうダメだからね!」って言われちゃった。


 そして、タケルが最後の一口食べ終わるまで、僕はヨダレをばちゃばちゃ垂らしながら目で欲しいと訴えた。


 その後、公園に遊びに行って、友達になった『ばう』とお話したんだ。


 おやつの事を言ったら、『ばう』も昔同じようにおねだりして無理やり食べた事があったらしいんだけど、お腹を壊して『ちゅーしゃ』をいっぱい打たれたって…。


 僕は、『ちゅーしゃ』は大嫌いだから流石に我慢しようと誓った!


 

 でも、タケルと同じ物を食べたい!

 

 タケルと同じ、人間だったら僕もいっぱい『ぷりん』が食べられたのかな?




 









何年振りかの投稿です。。。久々に小説が書ける様な気分になって来たので、もしかしたら続編がいけるかもと…。ドン亀ですいません。。。

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