サッカーしたい!
昨日の夜、僕が突然人間になっちゃった訳だけど、今日の朝、目が覚めてもまだ人間のままだった。
寝たら戻っちゃうんじゃないかって思ってたけど、大丈夫だったみたい。
だったら…
「タケル!公園行ってサッカーしよ!」
今日は、《とようび》っていう日だから、タケルがずっと家にいるのは知ってるんだ!
だったらタケルと思いっきりサッカーしてみたいって思うよね?
「あー…うん…クーとサッカーしたいのはしたいんだけど…」
「?」
タケルがなんか乗り気じゃないみたい…。
嫌、なのかな?
「嫌だった?」
「ん~、そうじゃないんだけど、耳と尻尾をどうしよっかな~って」
そっかー、みんな耳とか尻尾とか無いもんね…。
それに、人間になったばっかりだから、自分の身体でも良く分かんないしなぁ…。
「悪の組織みたいなのに狙われて、クーがさらわれたりしても嫌だし…」
「岳琉の帽子、貸してあげればいいじゃない。尻尾はちょっと我慢してもらって服の中にしまってもらうしかないけど」
さすがお母さん!頭いい!
・・・・・・
「ん~…なんか変な感じ~」
「サッカーしたいなら我慢!」
タケルに帽子を貸してもらって被ったんだけど、中で耳が押されてペタンってなって、ちょっと窮屈な感じ。
尻尾はなんとかお腹に巻いてズボンも普通のを履いてみた。
これもちょっと2本足で歩くのにバランスが取りづらくて歩きずらい。
けど、これでタケルとサッカー出来るんなら我慢する!
「うん!サッカーしたいから我慢する!」
「じゃあ早く公園行こっか!」
「おー!」
「車に気をつけるのよー」
よーし!タケルより早く着くぞ!
ちゃんと車に気を付けながら全速で僕は走り始めた。
「クー!4本足になってる!!」
あ、そうだ!今は人間だから2本足で走らなきゃ。
これが意外と難しい…。
尻尾が使えないから転びそうになるのを何回も繰り返して、なんとかタケルと一緒に公園に着いた。
「あそこら辺でやろっか?」
「うん!」
ちょうど人がいない所があったから、そこに陣取った。
「クー、二本足慣れた?」
「うん、なんとか慣れてきたかも…」
ここに来るまでに何となく慣れては来たんだけど…
「ボール蹴れる?」
さらに片足浮かせて一本足になるのは、できるかな?
「やってみる!」
「うん。じゃあいくよー」
タケルが軽く僕にパスをしてくる。
コロコロ転がってきて、僕が今までの見よう見まねでタイミング合わせて蹴ってみる。
「あれ?」
見事に空振りした!
それで、足振った勢いでバランスが崩れて転びそうになる。
「んー!」
なんか変な声出ちゃったけどこらえた!
思ったより難しい!
「おー!転ばなかった」
タケルが笑ってるー!
転ばなかったんだから笑わなくったっていいじゃん!
次はちゃんと蹴れるよ!
「笑わないでよ!」
気を取り直して、ボールを取りに行こ。
「今度は、ボール置いてコッチに蹴ってみてー」
ボールを取ってくるとタケルがそう言ったから、ボールを置いて蹴ってみる。
「お!うわ!」
ボールは蹴れてタケルの方に転がって行ったんだけど、バランスが崩れて尻餅ついた。
痛いよぉ…。
「ははっ、大丈夫?」
タケルが笑いながら僕の手を引いて立ち上がらせてくれる。
んー難しい!
「ほら、もう一回!」
タケルがボールを置いてくれる。
「いくよ!」
蹴った瞬間、よろけちゃったけど、転ばなかった!
今回は成功だよタケル!
「クー!尻尾!尻尾!!」
「え?あれ!やばい!」
転ばないように必死になってたら、思わず尻尾を使っちゃったみたいで…。
すぐに服の下にしまって、周りを確認してみる。
タケルも周りを気にしてキョロキョロしてた。
「誰も見てなかったみたいだね」
「もー!気をつけてよね!」
「ゴメンナサイ」
もしバレて悪の組織にさらわれても嫌だしね!気をつけなきゃ!
その後、何回も蹴る練習をして、お昼くらいにはなんとかタケルと歩きながらパスしあえるくらいにはなれた!
もちろん尻尾は気をつけて、二回くらいしか出なかったよ!
「クーお昼だから帰るよ~」
「うん!僕、お腹ペコペコ~」
お昼を食べた後も家の庭でタケルとサッカーの練習をしたり、二本足で走る練習したりしたんだ!
おやつの時間には、タケルとプリンを一個づつ一緒に食べたんだよ!
人間サイコー!すっごく楽しいし、タケルと同じことができる!
お風呂でも体の洗いっことかもちゃんとできたし、もの凄く楽しい一日だった!
明日は一緒に漫画も読んでみたいなー。
明日も人間のままでいられますように。。。
さて、クーちゃんはいつまで人間のままなんでしょうね?
書くモチベーションが不安定なため中々更新が安定しませんが、なんとか書き上げられるように頑張っていきます。