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講義の項 魔装強化について

 アロウの固有術式オリジナルスペルである、守護系魔法・魔装強化マギ・ゴリアースですが、ここで一度解説させていただきます。

説明だけでまるまる一話使うわけにもいかなかったので、本文内では雑に進みましたから、補足です。


魔装強化(マギ・ゴリアース)について。


守護系魔法(エンチャント)魔装強化(マギ・ゴリアース)


 その正体は、

①体の表面に留める特殊な守護系魔法(エンチャントスペル)

守護(エンチャント)の重ねがけ

この二つを合わせた技術。


 まず、

①通常の〈守護系魔法(エンチャントスペル)〉では、〈異なる魔力同士は反発する〉という、魔法の基礎理論に基づき、本来の強化よりだいぶ弱体化している、というのが前提。

これは、対象が自分だろうと他人だろうと同じで、〈本来身にまとっている魔力〉と〈付加させようとする魔力〉が反発しあうため。


 また、

②複数の守護系魔法(エンチャントスペル)の重ねがけも、同様の理由で弾かれてしまうためにかけることが出来ない。




 これを解決させるためにアロウが考え出したのは、体の外側(・・)に限定して作用させ、擬似的な守護(エンチャント)状態を作ることで、対象との反発を軽減させるという技術。


①については、体の内部ではなく、外部へのコーティングのような状態にするために、体内魔力との反発が最小限に抑えられる。


②については、流石に同時に複数の守護(エンチャント)を与えるのは難しいが、必要に応じて切り替える事で同等の効果を持たせている。




 ただし、外部に作用させているために、当然この効果は剥がれやすく、特に、元々が馴染みにくい他者への強化の場合、その効果は一瞬しか発揮できない。

そのため、実際の戦闘では、

「左前腕部でガードの為に土属性付加」

「ダメージを治癒するため水属性付加」

「カウンターで攻撃、右腕に速度上昇の風付加」

「攻撃のタイミングで火属性付加」

「すぐに離脱するので風属性付加」

のような一連の流れを、数瞬で切り替える必要が出てくる。


 ここで必要となるのが、〈意識共有〉の魔法。

繋魂(コネクト)〉の亜種と言える通信系魔法の一種で、対象と自分の思考を共有することが出来る。

この技術を併用することで、たとえ打ち合わせていてでさえ困難な守護(エンチャント)の切り替えを二人の人間間で行える最低条件が出来る。


 もちろん、これで誰でも魔装強化(マギ・ゴリアース)が使えるかと言えば、そうはならない。

既にここまでの条件でも、一流と呼ばれる一部の魔法使いにしか困難な条件だが、それ以上に、術者が対象の攻撃をある程度予測出来るほどの信頼関係にあり、そして、その攻撃の一瞬を見極められるレベルにあることが必要となる。


 ロボットや戦闘機に例えるなら、他者への強化は、複座式のロボットの操縦に似ていると言える。

〈戦士〉が操縦し、〈魔法使い〉がそれを最大効率でサポートするということだ。




 これ対して、自分へ強化した場合、意思共有が必要ない為、多少難易度が下がるかといえばそうでもない。

まず、非力な魔法使いが直接戦闘に関わるデメリット。

それを補うために、体力増加の土系守護を常に掛けておく必要がある。

となれば、常時展開に必要な魔法がさらにひとつ加わることになり、しかも余計な魔法反発をさらに招くことにもなる。

さらに、直接戦闘に加わる緊張やダメージなどを考えれば、むしろ難易度は高い。


 先の例えで言えば、単座式の操縦に似ており、タイミングを合わせる必要はないが、その操作は困難となる。


 いずれにしろ、精密な魔力制御と戦いのセンスが必要となり、マーマレードが初見で不可能と言い切るのも仕方ない程に、使いこなすことが難しい術式である。

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