第2話:捕虜になった魔物
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「こ、コウネリウスさん?!これってどう言う作戦のなんですか??!」
「前線舞台の兵でお主を囲み、一気にあの姫の元まで押し通る作戦だ!!!」
いやそんな事見たらわかるわ!!!本当に勝てるの信じてこんな無理な手を打ってるのかって聞いてるんだよ!!
「行けー!!!我らの救世主を守れー!!」
もうどうにでもなれ!!
「ってあれさっきのじゃないのか?!」
「やばいホーリーブレスだ!!!」
やばいじゃねえだろ!死ぬだろ!
「うおっ!!」
痛っつ...って、カスってこれかよせめてあの姫だけでも....
「オンキリキリ・・・」
「魔術を使う奴がいるぞ!早くトドメを!!」
これじゃ術を展開する前に死ぬな.....
「待ちなさい、これまで前線に魔術を使う者がいましたか?捕らえて尋問するべきです」
「ですがサラシャ様!!こいつは魔物ですよ!!」
サラシャ....あいつらが言ってた人間の姫か...。
「いいから捕らえなさい、敵軍ももう退きました城へその魔物を運ぶのです。」
異世界の姫か....なら敵側でも一度は拝んでおきたかったな。
そして俺は身体を動かされるのを感じながら意識を失った。
死んだのか....俺。
「おき....なさい....」
ん?誰かの声がするな、天使が俺を迎えにきたのか?いや、魔物に生まれ変わった俺は地獄行きなのか?
「おきなさい!!!」
「ん????」
誰だこの人...綺麗な人だな。
「貴方はこれから見せしめとして民の前で公開処刑されてしまいます」
「しょ...けい??」
ダメだ傷口が深い、俺が陰陽師の時にあんな技が使えれば妖に遅れを取ることなんてなかったのにな。
「けれど貴方からは邪悪な気配が一切感じられないのです、貴方は本当に魔物ですか?」
「転生....した....」
次生まれ変わるなら争いのない世界にでも生まれたいな。
「転生者?!本当ですか?!通常、転生者と言うのは人間に生まれ変わるはずです!!」
「・・・・」
またこの感覚だ、意識が遠のいて死に近付いていくのがわかる。
「私のせいで貴方を殺したくはありません!どうか生きてください!!!」
「んっ....」
なんだこの感覚、全て洗い流されるような、それに唇に柔らかくて熱い感覚が....
「うわっ!!!!!」
「よかったです、回復されて」
い、今この人俺にき、き、キスしなかったか?!それに、身体が軽いし傷口もない。
「俺を治してくれたんですか?」
「はい、自分で貴方を傷つけて自分で救うなんて少し失礼かもしれませんけどね」
じゃああのホーリーなんとやらで魔族を滅してたのってこの人なのか?つまり姫さまってことか?
「ともかく、救ってくれてありがとう」
「はい、それより貴方は転生者なのですよね?」
あぁ、死にそうになりながらそんなこと言ったっけ俺。
「うん、信じられないと思うけどこれでも転生する前は君のような魔を滅する仕事をしてたんだ。」
「そうなのですね!だから貴方からはこれっぽっちも邪悪な気配が感じられなかった!!」
そうなのか?でもそれって....ん?どう言うことだ?
「でも俺、魔物に仲間って思われてましたよ?一応友達もできましたし。」
「はい、そこは間違ってはいないと思いますよ?別に他の魔物が見間違えた訳でも無いと思います。」
じゃあ、なんでだ?
「通常、転生者は人間に転生します、ですが貴方はその輪廻の輪から外れた存在、ですから実際は人間でもないし魔物でもないかと」
なるほど、じゃあ魔物達は俺が人間の気配を纏ってないから魔族だと思ったって訳か。
「それと公開処刑がなんとかって」
「はい、貴方はこれから処刑されます」
いや、ドストレートかよ!!
「ですがそんなことは私が絶対させません」
「なんでですか?」
俺を生かすメリットでもあるのか?
「私は魔物と言えど争いたくないのですよ、でもそれには私たち人間と魔族側、それぞれの理解がないと実現しません、ですが貴方には何か可能性を感じるのですよ」
「可能性、ですか」
確かに俺は妖との戦いの中で分かり合えれば戦わなくて済むのにとはおもってたな。
「これから貴方を連れて王族と貴族の前で公開処刑の中止を直談判しに行きます」
「えぇっ?!大丈夫なんですか?」
さぞ冷たい目で見られるんだろうな。
「ていうか貴方は王族の方ではないんですか?魔族の間では貴方を姫だと言ってました」
「私はこう見えて騎士なのですよ?鎧や剣を使って戦ったりはしないですけどね、名はサラシャと申します。」
なるほど、戦姫ってことか。
「サラシャさんも魔法を?」
「いえ、魔法を使えるのは魔族だけです、私が使えるのは聖魔法です、似てるけど違うのですよ」
この世界でも陰陽術が使えたと思ってたけどやっぱり魔法が源だと違うのか、陰陽術はサラシャさんのいう聖魔法寄りだな。
「そんなことより早く行きましょう、早くしなければ死刑執行の時間になってしまいます」
「それは困りますね急ぎましょう!」
とは言ったものの他種族でしかも疎まれる存在の俺が王族と話をするとか立場的に怖すぎる!!!
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