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異世界からのスカウト ~光と闇の狭間に立つ英雄~  作者: 城下雪美
3章 日々是修行(49話~107話)
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座学:常識を学ぼう

ここまでのあらすじ


コウは朝の気分転換から始まった朝練?を終え食事に向かう

修行漬けの日々は始まったばかり。


師匠二人と向き合った形で食事をする。

今日も簡単なスープとバターのような食欲を誘う香りのする美味しいパン、それに果物のものと思われる甘いジュースだ。


こんなものがどこから?と思って師匠たちに尋ねると、昨日色々とクエス師匠が街で買ってきているそうだ。

ここは街から離れた山の中だけど、指定した場所に飛べる転移門があるのでそこまで不便ではないとのことだ。


だが俺はその転移門がどこにあるかも知らず、師匠たちがいつ出かけていつ帰ってきているのか本当にわからない。

地球にいた頃と色々と違いすぎて、気にしなくていいところがどうしても気になってしまう。


そう思いながらも食べているとクエス師匠が話し出した。

「コウ、今日と明日はさっちゃんに指導をお願いするから。ちょっとどうしても仕事に戻るのに色々と準備が必要なのよ・・ごめんね」

「あ、はい・・」


とすぐに返事をしたもののどういう仕事なのかすごく興味がある。

クエス師匠は自称すごい魔法使いだし、定番の魔物大討伐などを想像してしまう。

それならちょっと見てみたい。


「では、コウには朝からは座学でこの国の常識などを教えていきます。午後からは魔法の使用ですね」

「はい」

ボサツ師匠が今日の内容を告げ、それを聞いた俺は自分自身に気合を入れる。

この世界で生きていく以上、ここでの常識はきっちりと押さえておかないとな。


これからの座学のことを考えていると、クエス師匠はさっさと食事を終えてどこかへ行ってしまった。

俺がまごついているから結局どんな仕事をしているのか聞けなかった。

このあとボサツ師匠に聞いたら教えてくれるだろうか?



食事を終え、後片付けは手伝うつもりだったが、やったのは皿をまとめた・・だけだった。

その後は皿を移動させるのも洗うのもボサツ師匠が魔法でささっと片付けてしまうため、結局俺の出る幕はなかった。


というかあれは洗うと言っていいものかどうかもわからない代物だった。

空中に水の塊ができて皿がそこへ勝手に飛んでいき、しばらくすると水の塊から皿が出てきて台所らしき場所の側に綺麗に積まれていく。


ボサツ師匠はその作業状況を見ることなく操作しているようだし、皿も水の中から水気のない状態で出てくる。

言うまでもないことだが、これでは俺の手伝いは確かに不要だ。


これがこの世界での日常風景だとすると何だか嫌な感じがした。

異世界の貴族様ならメイドが出てきて「お下げします」

なーんて展開こそがベターなのに・・。


っと、心を読むクエス師匠がいないからって、いささか妄想が過ぎたかもしれない。

気を引き締めよう。

そう考えているとボサツ師匠が声をかけてくる。


「ちょっと準備してきますので、コウはここで昨日外で教わった瞑想をやっておいてください」


そう言われて昨日のことを思い出す。

あぁ、あの庭の石の上でやった魔力を維持するあれか。


「はい」

俺はそう了解すると、この大部屋の隅にいつの間にか用意されていた四角の石を見て座る場所を悟る。

いつの間にこの石は用意されたんだろう・・まぁ、そこはあまり気にしても仕方がないか。


直ぐに石の方に移動して胡坐をかいで座ると目を閉じる。

その時ボサツ師匠の声がした。


「その石はずっと置いておきますので、瞑想は毎日朝から必ず行ってください」


毎朝か・・師匠がそう指示したのなら俺はそれが意味があることだと信じてやるのみだ。

俺は閉じていた目を開けて師匠の方を見て尋ねる。


「毎日どれくらい瞑想を行うのがいいんでしょうか?」

「そうですね~、今は毎朝30分をめどとしておきましょう。今日は私が迎えに来るまで頑張ってくださいね」


そう言うと師匠は昨日座学をした図書室へ向かう扉を開け俺はこの部屋に一人取り残される。

30分か、長いような短いような。

そう思いながら俺はそのまま瞑想をして師匠が呼びに来るのを待った。



師匠に呼ばれて昨日と同じ図書室のような場所に入る。

相変わらず机と席が1つずつありその奥にはボサツ師匠が立っていた。


師匠の左右には小さな台が置いてありそれぞれにいろんな本が積み上げられている。

参考資料だろうか?そんなに難しいことを聞きたいのじゃなくて、もっと日常的な常識を聞きたいだけなのに・・

そう思いながらも用意されている椅子に座る。


「それでは始めるとしましょう」


その声と共に師匠の後ろにモニターのような黒いボードが出てくる。正直言ってこれの原理も知りたいくらいだ。

まぁ、それよりも先に常識や国の仕組みなんかを知っておきたいけど。


「では、といいたいのですがコウが何を知りたいのか私にはいまいち判っていないのです。なのでまず、それをコウに聞きたいと思います」


いつもながら丁寧な対応で師匠は俺に何を知りたいのか聞いてきた。

そう来るとは思っていなかったので一瞬びっくりして戸惑ってしまったが、俺が聞きたいことを聞けるんだと理解して嬉しくなる。


急に振られたので何を聞くか色々と考えてみたが、正直何も知らないので聞きたいことが多すぎる。

色々と効率のいい質問を考えても仕方がないので、まずは基本的な時間・日常について聞くことにした。


「えっと、それではまず時間や日付などを知りたいです」

「なるほど、本当に基本的なところからですね。確かにそこは教えていないと色々不便です」


少し意外なところを聞いてしまったのだろうか。

ボサツ師匠は驚きつつも少し残念な表情を一瞬見せたが、すぐに丁寧に教えてくれた。

ここでは教わったことの基本的な部分は箇条書きに書いていく。


60秒=1分、60分=1時間、25時間=1日

35日=1月、10ヶ月=1年


特にうるう年も無いそうだ。

ボサツ師匠はうるう年の概念を知らないようで一から説明するのがちょっと大変だった。


うるう年もなく数字もきりが良いものが多く、妙にきっちりしているのが気になるが、ここは異世界なんだしそういうものだと思うしかない。

時間に関しては全体的に割りとルーズで30分以内は遅れたうちに入らないのが光の連合国では常識だそうだ。


ただあくまで個人間のことなので、公共的なものや偉い人相手だとやはり遅れるのはダメらしい。

さすがにこの世界の住人でない俺でも、それぐらいは常識として理解できる。


しかし転移門という便利などこでもドアがあるのにそんなルーズでいいんだろうか?

日本人だった俺にはちょっと違和感があるが、まぁ慣れるしかないだろう。


学校で言われていた5分前行動は偉い人相手専用と思っておくほうがよさそうだ。

本当に偉い人の前では5分前では足りなさそうだけど。



「さぁ、どんどん聞いてください。次はお金とかどうですか?」


日時を質問するくらいだからという事か、師匠からお金の話題を振ってきた。

今は軟禁状態だし食事は不足なく出てくるのであまり必要性を感じないが、確かに今のうちに知っておいても損はないはずだ。


「そうですね、お金も全くわかっていないのでお願いします」


基本的なお金の単位はルピ

1ルピ=100ヒール=約200円(ざっくり日本円換算)


光の連合国ならどこでもこの通貨で統一されているらしい。

光と闇の間にある中立エリアでも使えるそうだ。


1ルピ銅貨、100ルピ銀貨、1万ルピ金貨の3種類があるらしい。

日本のような5単位のものは無いそうだ。


しかし金貨が1万ルピというと、日本で言えば200万の硬貨ということになる。

そんな高額の硬貨があるとは正直驚きだ。一体誰が何に使うんだか。

俺の住んでいた田舎の周辺なら金貨20枚ほどで家が建てられることになる、なんだかすごいな。


基本的にはルピ硬貨はあまり使われておらず、魔法使いは体内に内蔵できる魔道具でお金のやり取りを一般市民は腕輪みたいなものでやり取りをしているそうだ。

聞いた感じ体内に埋め込んだチップで電子決済している形式に近いと思ってよさそうだ。


ヒール硬貨は1硬貨と10硬貨があるらしいがこれは魔法使いは使わないらしい。

一般市民専用の通貨だそうだ。


「何で魔法使いはヒール硬貨を持たないんでしょうか?」

「魔法使いは収入がいい人が多いので小銭を気にするな・・ということになっています。

 正確にはヒール硬貨は卑しい硬貨とされているので使うだけで貴族や魔法使いとしての格が下がる、というのが現状ですね」


うーん、金持ちが硬貨の釣りは要らないぜというのと似た感じだろうか?

今まで貧しい生活をしていた俺としてはそういう慣習はどうも解せないが、格と言うのは厄介なものだとはある程度知っている。


師匠たちも貴族らしいし俺がみすぼらしい行動をすると、師匠たちの格も傷つく可能性があるかもしれないので留意しておこう。

その為にも常識はきっちりと学んでおかねばならない。



「一応各ルピ硬貨を見せておきますね」


そういうと師匠は3枚の効果を並べる。先ほど説明を受けた銅貨・銀貨・金貨の3種類だ。

あまり使わないといっていたからなのか3枚ともピカピカに輝いている。

特に金貨に目が行っている俺を見て師匠が一言付け加えた。


「どれが金貨とかの説明は不要のようですね」

ええ、金色に輝くものが金貨ですよね。

違ったらびっくりだわ。


そういえばよく見ると金貨から魔力をうっすらと感じる。師匠が持っていたから魔力が移ったとかだろうか?

不思議そうに金貨から漏れ出す魔力を見ていると師匠が指摘する。


「あら、気づいたのですね。金貨は全て特別な魔力が付加してあります。主に偽造防止の為です」

「ほぉ~、そうなんですね」


俺は感心した。偽造防止は地球のお金でも課題の一つという認識があった。

さすがは魔法がある世界だけはある。対策も魔法とは。


「それともう一つ、100年ほど経つとこの内蔵された魔力が消えてしまいます。

 消えると硬貨取扱所に持って行かないと一般的には使えなくなるので注意ですね。魔力切れの硬貨を持っていくと色々と調べられる事もあるので注意です」


100年とはいえ面倒なシステムだなと思うが今のところは関係なさそうなので気にしない。

それに魔法使いは硬貨を使わないらしいからこの先もあまり関係なさそうだし。

この辺は豆知識程度に覚えておけばいいだろう。


「そしてこれが体内のお金保持システムですね」


そう言って師匠は左手の手のひらを上に向ける。その手の上に数字が現れる。

俺は思わずその数字を読み上げてしまう。


「ええと・・・大体1350万。これが師匠の所持金になるんですか?」

「ええ、そうです。これが私の今の所持金となります。魔法使いどうしだと相手に触れるだけでお金のやり取りが出来ますよ」


おぉ、なんて便利な世界なんだ。手のひらタッチで金銭のやり取りとか便利すぎる。

まぁ、俺は使ったことはなかったが、地球にだってカードとかをタッチして支払うシステムはあった。


が、体に内蔵されているのタイプがあるのは財布の置忘れも防げてありがたいし、近未来っぽくって格好いい。

財布を忘れて町まで出かけるなんていうミスはこの世界には無いんだ!と俺は心の中で感動した。


しかし貴族のお嬢様であるボサツ師匠は所持金1350万か。持ってるというか持っていないというか。

と思っているとふと思い出す。あっ、この額って・・単位ルピだよな?


「えっと、、師匠・・」

俺が言葉になかなか出せずにいると師匠は不思議そうに首をかしげる。


「あ、あの、、そのお金の単位は、やっぱりルピなんですよね?」


所持金が1300万円ほどなら持ち歩く額としてはギリギリ理解もできる範囲だ。

ボサツ師匠は貴族様なんだし。

が、ルピ単位だと・・そう思って思わず俺は聞いてしまった。


「ええ、これはルピ単位しか貯蔵できないんですよ。そういう点でも魔法使いはほぼルピ単位でしかお金を使わないんです」


師匠は俺がルピ単位かヒール単位かを聞いたのだと思ったのだろう。それは違う。

俺は円単位じゃないよねというつもりで聞いたのだった。


1300万ルピ、つまり日本円で26億ほどのお金を師匠は今お持ちという事か。

そんな大金をもぷらぷらと持ち歩いていったいどうする気なんだろう。


うーん、まぁ、でもなんだかんだ言って貴族だしな。そう、貴族様なんだよなぁ。

これぐらいが普通なのかもしれない・・いや、でもんなお金を持ち歩く必要性があるのか?・・・・俺は動揺する自分を必死に落ち着かせる。


俺の様子を察したのか師匠が少しうれしそうに、いや自慢げに?話しかけてくる。


「ん?ひょっとして金額に驚いたのですか?これでも私も一応貴族ですよ。それにクエスなら私の100倍くらい持っていると思います。彼女のお仕事は儲かっていますから」


それを聞いて俺はもう色々と考えるのはやめて「あはは・・そうなんですかー」と乾いた笑いでしか返答出来なかった。

これが金持ちの「私なんてたいしたこと無いよ」という謙遜アピールというヤツだろうか。

クエス師匠の100倍に一瞬たまげてしまったが、俺にとってはどちらもすごい金持ちだという印象に変わりは無い。


そんなお金持ちの貴族様がなんで俺の面倒を見てくれているんだろう?と思ったが

現状当てのない俺には大変ありがたいことなので、そのことは口に出さずに心の中で感謝することにした。

それよりも今は、そんな大金を手に入れられるクエス師匠の仕事が気になる。



「えっとすみません。クエス師匠の仕事って何をやっておられるのですしょうか?」


先ほどの所持金を聞いたせいか、師匠たちが別世界の人に感じて思わず言葉がへりくだってしまう。

2人とも貴族と聞いてはいたものの、自分の感覚とここまでかけ離れているとは思っても見なかった。


立っている場所にすごく大きな差を感じてしまって、俺は思わずへりくだるかのような口調で話してしまう。


そんな俺に対して師匠は少し困った顔をして話し出す。

「そんな距離を置いた話し方はやめてくださいね。私たちはあくまで親しい弟子と師匠の関係なんですから」


師匠の表情とその心遣いにドキッとしつつも、俺は素直にすみませんと謝った。

俺の謝罪に安心したのか師匠は再び笑顔に戻ると説明を続ける。


「クエスは転移門の作成と設置、補修をしていますね。特に大型のタイプや特殊なタイプはクエスがいないと修理できないものも多いので荒稼ぎしていますよ」

ボサツ師匠はそう楽しそうに説明してくれる。


俺がこの世界にやってきた門も転移門の一種なのだろうか?

ふと俺は考えたがよくわからなかったのでその疑問は頭の隅に追いやる。


転移門は簡単に転移門同士を行き来できる魔道具ということはクエス師匠に説明を受けている。

が、実物はまだ見たことが無いのでいまいち想像ができない。


大型の物と言うと門みたいなものが大きいのだろうか?

あまり大きい門なんて維持する効率が悪そうなんだけどなぁ。


とは言っても、大型があるんだから何らかの使い道はあるのだろう。

とても巨大な商品の運搬に使われているのかもしれないし。


色々考えてみるとこの世界は物流も転移門を使って一瞬なのだろうかと驚ろかされる。本当に便利すぎる世界だ。

通販で注文した商品が発売日になっても来なくて「田舎はこれだから・・」と愚痴っていた友人には最高の世界かもしれない。


物流や移動の常識を変える超便利な魔道具、転移門。

クエス師匠が関わっているその転移門の詳細を知りたくなって師匠に聞いてみた。


「転移門ですか。私は詳細までは知りませんが私の知っている範囲でしたら教えますね」

そういってボサツ師匠は説明を始める。



転移門

宙属性を使った魔道具の一種で都市などに設置してある。

便利な魔道具だが、セキュリティーや維持コストの面からも誰でも自由に使用ができる代物ではないそうだ。

門といわれているが常時つながっている門ではなく、転送&受信装置であり転移門内の指定の範囲を相手側と入れ替え、または一方的に飛ばすことによって移動している。

主に都市-都市間を移動するために使われているが、都市以外にも重要な場所に設置されていることが多い。

人の移動だけじゃなくもちろん物流にも使われている。

個人用~特大までの6段階のサイズがあるが、飛ぶ元と先の両方比べて小さい方のサイズまでしか飛ばせない。

本格的なメンテナンスには宙の属性持ちの魔法使いが必要だが、簡単なメンテナンスは道具を使い慣れている者なら出来る。



「本当に便利ですね、転移門は」


かなり便利な存在だというのはわかった。

これなら交通機関も要らなくなるし移動時間も要らない。

まぁ、ちょっとした移動の為の車くらいは必要だと思うけど。


「ええ、それの管理の多くを引き受けているのでクエスの作った会社は儲かっていますよ。私も羨ましいくらいです」


そんな便利なものを管理しているとなると、そりゃ儲かって仕方がないだろう。

これってひょっとすると、クエス師匠はこの世界で結構な権力者になるんじゃないか?そう思いつつも今は言わないことにした。



「では最後に、この光の国の仕組みをざっくりと説明しますね。詳細は流しますので必要になったら聞いてください」


これはここで生きていくうえで大事な情報だと思う。

ここはと思い日本から持ってきたノートを取り出してメモの準備をした。



光の連合国は闇属性の国家に対抗するため主に光属性を主とする国が集まってできた大きな連合国家となっている。

それぞれの国や都市が独立して運営しているが、中央とされる宗主国のルーデンリア光国に税収の一部を治めている仕組みだ。


そうやってルーデンリア光国に集められた税金は主に闇の国に近い都市の兵士駐留費や、特別な対応の必要な都市に配分されているらしい。


それは各国が独自にやればいいのでは?と思って聞いてみたら

誰がどれだけ金を出すかでもめるらしく、色々と考えた結果ルーデンリア光国から出す形になったらしい。

俺はこれを聞いて、この連合って団結力が低いのではと嫌な予感がした。


軍事面に関しては個々の国が持ってはいるものの、大戦時には宗主国であるルーデンリア光国が中心となって指揮する組織になっている。

さらに光の連合全体の方針を決めるのが光国の女王と7人の上級貴族の当主だ。


上級貴族は下に中級貴族を持っており、中級貴族は下に下級貴族を持っている。その1グループを門閥という。

その門閥は3つの派閥に分かれており、住民をある程度理解し発展を目指す融和派が2グループ、住民は貴族の奴隷でしかないという支配派が2グループ

そしてその中間の貴族と住民ははっきりとした区別をすべきだが住民は使いつぶすべきではないという中間派が3グループで計7門閥となっている。

そうやって全体が運営されているらしい。



ひとまず全体像はざっくりと理解した。思った以上にでかい組織で正直びっくりした。

小国が色々とあって闇に対して集まっているだけかと思っていたがどうやらきっちりとした組織体で運営されているらしい。

ただ住民に対しての考えを聞いていると、日本で過ごした俺とは感覚がずいぶん違うみたいだが。


「大まかな説明はこれだけですね。各貴族の話をしだすと夕方になってしまいますのでここまでですが質問はありますか?」


質問と聞かれても、ある意味聞きたいことが多すぎてどうしたものかと思う。

色々と悩んだが、住民に対する考えがいろいろあるみたいなので師匠が所属するのがどこの門閥なのか聞いてみることにした。


今までの雰囲気から支配派とは思い難いが、絶対とも言えない。

支配派だったら俺も腹をくくって自分の今までの考え方を改めないといけない気がしていたからだ。


「あの、ボサツ師匠とクエス師匠はその・・どの派閥に属しているのでしょうか?」

「コウはどの派閥に属していると思いますか?」


おっと、逆質問で返されてしまった。

流石に真逆だと角が立ちそうなので無難なものを選んで逃げの一手を選択する。


「えっと、中間派だったらまだいいかなと、思ったり・・」

ふぅ、と師匠に軽くため息をつかれてしまった。少し言い淀んだのがまずかったのだろうか?


「まぁ、ここで見抜くのは難しいでしょうがあやふやで場を流そうとするのはあまり感心しませんよ。外しても害が無いのなら飛び込む意気込みを見せて欲しいです」

「はい、すみません」


困ったものね、そういう表情で俺を見る師匠。

意識的にあやふやで逃げようとしたわけじゃないけど、無意識に波風立たないように中間派で逃げたのは確かだ。

素直に融和派だといいと言っておけばよかった。


「答えを言いますと、私もクエスも二人とも融和派です。ただ門閥が違いますので私たちには上下関係はないですよ」


笑って答えを言う師匠を見て、俺は安心した。

良かったと思っている俺を見てか、師匠が付け加える。


「融和派といってもそれぞれの派閥内でも結構温度差があります。さらに同じ門閥でも温度差がありますから。この辺はみな敏感なので注意はしておいてください」

そう言って午前中の座学は終わった。


前々回辺りにあげた設定の項目と被る部分もありましたが

座学部分はこんな感じで進めたいと思っています。

(文章力+アイデアがあればもっと面白く出来るのでしょうが・・)


読んでくださった皆様、ありがとうございます。

風邪からなかなか脱出できませんが、症状が重くないのが幸いです。

重くないので仕事にも行けるのが幸いです・・・


修正履歴

19/03/31 タイトルを変更 座学の時間→座学

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