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異世界からのスカウト ~光と闇の狭間に立つ英雄~  作者: 城下雪美
2章 下級貴族:アイリーシア家の過去 (18話~46話)
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城内の盗賊たち

ちょっとした幕間。クエスに依頼され場内に進入した盗賊たちのお話です。


その頃、二手に分かれ城内に潜入した盗賊のA班8人は(頭と部下達のチーム)は5人の兵士たちと対峙していた。



「貴様らはなんだ!どこから入り込んだか知らんが生きて出られると思うな」


怒鳴りながら固まって盗賊たちに向き合い、槍や剣を構える兵士たち。

対する盗賊たちは互いに間を開け扇型に展開し、固まった兵士を軽く取り囲む。


盗賊たちが先に動く。タイミングを見計らって一斉に<光の槍>や<光一閃>など遠距離魔法を放つが

5人の兵士はそれぞれ<光の強化盾>で防ぎきる。


兵士たちは盗賊より人数が少ないため無理に攻撃せず防御に徹する。

戦闘音を聞けば援軍はすぐに期待できるので、ここは耐えた方が得策と判断したからだ。

援軍が来れば物量を活かして、こんな賊などあっという間に撃破できる。

兵士たちはそうたかをくくっていた。


援軍が来ることを懸念する盗賊頭のアダマントは

この状況が続くとまずいと判断し、さっさと事態を動かしに行く。



「くそ面倒くせぇ、お前らそのまま撃ち続けろ」

アダマントの指揮で盗賊たちは魔法を打ち続けるが衛兵のシールドは砕けることがなく隙を見せない。


その時アダマントは腰につけていた小ぶりの手斧を両手に持って、自分の周囲に魔力を展開しつつと手斧に魔力を充填

そのまま固まっている兵士たちのうち、やや前に出ている兵士に向かって姿勢を低くして走り出す。


兵士たちのそばに行き展開していた魔法障壁を左の手斧でたたき割るが、兵士は剣でその一撃を受け止める。

だがアダマントはもう一方の手斧を兵士の肩当の上に叩きつけた。

肩当てを貫き骨まで達して兵士1人が大勢を崩す。


別の兵士がアダマントを槍で突こうと狙うが、アダマントは右手の手斧を投げながら上手くかわす。

放たれた手斧は別の兵士に直撃し体勢を崩した。


味方がやられ動揺し強化盾を維持する魔力が乱れたのか、兵士の1人が<光の槍>に貫かれ体勢を崩す。

これで流れが一方的になったのか兵士側は押されて次々負傷していった。



その時一歩引いて守ってばかりいた兵士の1人が、いきなり味方であるはずの兵士を後ろから剣で突きさす。


「お前……気が狂ったか」

兵士が盗賊の攻撃を受けながら非難するが、その隙を狙われ盗賊の一撃をくらい倒れた。

その後一気に兵士たちは全滅した。


アダマントは味方を攻撃し武器を手放した兵士を、不審そうにしながら尋ねる。


「お前何だ。俺たちの仲間入りでも希望しているのか?」

「いえ、私はあなた方の味方です。チャー様の指示であなた方を助けるように指示されています」


マジかよ?と驚き顔をするアダマントだったが同時に関心もした。

「チャーのやつはずいぶんと用意周到のようだな」

「はい、チャー様には侵入者の案内をしろと言われております」

その言葉を聞き、アダマントはにやりと笑った。


「よし、それなら金目の者がある部屋へ案内しろ。できれば金貨や高価で持ち出しやすいものが多く置いてあるところな」

「では、金庫室や武器庫、宝物庫の場所をお教えします」


そう言って兵士は懐から配布されている簡単な地図を広げ、それぞれの場所に印をつける。

そしてその地図をアダマントに渡した。


アダマントは満足し、盗賊たちは彼の指揮の元

さらに勢いを増しやる気に燃えて城内の奥に進んでいった。


裏切った兵士は盗賊たちに見逃されるどころか相手にもされず、その場に取り残される。


「クエス様は混乱を引き起こすことが目的だろうか?それにしてもあれでは……」


そう言って盗賊を見送った裏切り者の衛兵は

生理現象が我慢できずに一旦小隊を抜けたことにしようと、トイレにの個室へと駆け込んだ。



22時を過ぎた頃、交代の時間となり多くの兵士たちは待機所から自分たちの寝室へと帰っていく。

そして、わずかな兵士が夜番として待機していた。


その中にピンクで短い髪をしたやや細身の女性が数名の衛兵と共に歩いてくる。

その女性はラフな格好をしているため、鎧を着た兵士たちに混ざるとその体の細さが際立っていた。


その女性が待機所の前方、1段高い台に立って手を叩き兵士たちの注目を集める。


「今日の夜番は問題ないか!」


大きな声で待機所の兵士たちに活を入れる。

だらけていた兵士たちはシャキッと背を伸ばし、一斉にその女性の方を見る。


「はっ、副隊長様。特に問題は起こっておりません。22時から順次見回りに出発しております」

夜番を取りまとめるリーダーと思われる兵士が元気よく答えた。


「そうか、順調なようで何よりだ。今待機している者はまだ時間ではないのだから力を抜け。腹が減ってるものは軽く食べておけよ」


副隊長と呼ばれたその女性はカリユ。

この国「バルードエルス」の兵士約5000名をまとめる総隊長の側にいる副隊長だ。


今は総隊長が別の都市に行っているため、副隊長がこの首都クロスシティーの兵士の指揮を任されている。

副隊長のカリユは衛兵と共に他の兵士たちがいる長いテーブルにある椅子に座った。


側にいる4人の衛兵は近衛兵だ。装備がその辺の兵士の物とは違い軽めだが魔力を通しやすいものを身に着けている。

魔力を通せば、その辺の兵士たちの装備より防御性能は上だ。


基本王族を守るのが役目の近衛兵だが、今は大事な副隊長の護衛として付いている。

実際カリユも直系ではないがこの国の貴族の一人、それなりに大事に扱われているということだ。


一般的に近衛兵がそのまま兵士と混ざって警備すると、兵士たちが委縮して仕事に支障が出る。

今回はあくまで副隊長の護衛として、この兵士の待機所にいるだけだ。


その衛兵の一人が外で騒ぎのような声を聞き、副隊長に報告する。


「副隊長、外が少し騒がしいようですが……何かあったのでしょうか?」

「ん、何か聞こえたか?特に気付かなかったが……他の者はどうだ?」

「いえ、特には」


副隊長のカリユは少し不思議に思いながらも皆が否定していることだし、騒ぎの件から離れ別のことを考える。

(せっかく隊長がいないときに兵士たちとうまくコミュニケーションを取ろうと思ったのになぁ)


正直言うと、カリユは近衛兵たちが付いて回るのが疎ましかった。

カリユの理想は愛されつつ尊敬される隊長像だ。


だが普段のカリユは総隊長の付き人状態であり兵士たちと会話する機会は少ない。

そしてそれから解放された今は、近衛兵がこれ見よがしに4人も周りにくっついている。もちろん兵士たちと話せる雰囲気じゃない。正直勘弁してほしかった。


とはいえ今は自分が責任者だ。

仕方ないと言わんばかりに立ち上がる。


「まぁ何もないと思うが、我々が少し外の様子でも見てくるか。皆は時間になったら順次夜間警備に出るように」

そう言って少し硬い雰囲気になっている待機所を出て、近衛兵を連れ見回りへと出発した。



夜間警備ということで、昼間は人通りの多い通路を歩くが特に変わった様子はない。

「誰も音を聞いていなかったし気のせいだったんじゃないですか?」

と他の近衛兵が周囲を見回しながら言う。


「そうみたいですね。総隊長がいないので少し不安になってたのかもしれません」

「おいおい、それじゃ私では頼りないということか?」

見回るきっかけを作った兵士の言葉に、カリユは少しおどけながら笑って言う。


騒がしいといった衛兵は少し焦ったようで「決してそんなことは……」と慌てて頭を下げてる。

その様子を見てカリユは気にするなと言わんばかりに笑った。


しばらくそのまま誰もいない通路を歩き続ける。

夜になればこの通路も通る者はほとんどおらず、誰ともすれ違わなかった。


「うーむ、そろそろ11時になる頃だろう。このままこの1周する通路をしばらくまわり続けるか」

カリユがそう言うと兵士たちも「はっ!」と了解した。


通路を歩き続けていると、ふとカリユは視線を壁の方へ向ける。

「ん?」

カリユは地下におりていく階段付近で石壁にこすったような傷があることに気付く。


「この傷は以前からあったか?だれかわからないか?」

こすり傷を指さすも衛兵たちもよくわからないようだった。


普段の近衛兵は一般兵用の武器庫や金庫などの場所を持ち場としておらず、王族の住居や貴族たちのよくいる場所を警護している。

その為この地下付近にはあまり来たことが無く、傷がいつできたものか知らなかった。


カリユはこすり傷がやや新し目に見えたので少し気になって周囲を見渡すが

他に傷は見つからない。


「うーん、降りてみるか。あまり行かない場所なので新鮮味があり目が冴えるかもしれないしな」

ふふっ、とカリユが笑いながら言うと近衛兵たちも賛同し、5人は地下へ降りる階段に進んだ。


階段を降り切ると広間がある。

その先は前方・右前方・左前方に分かれていて武器庫や不要なものが積まれている倉庫、金庫などがある。

部屋の外周は水路があり、壁の明かりと明かりの間に空いた穴からちょろちょろときれいな水が流れていた。


カリユは歩きながら少し左側の通路を見ると水路の中にあるはずのないものを発見する。

この国で支給されている兵士の兜だ。こんなところに兜を置き忘れるというのはふつうあり得ない。


「おい、皆警戒した方がいいかもしれん」

さっきまでの軽い雰囲気は一蹴され近衛兵たちにも緊張が走る。


「何かおかしな点でも?」

近衛兵の質問にカリユは答える。


「壁沿いの水路の中に兵士が使う茶色の兜が落ちている。落とした、もしくは忘れたという可能性も無いとは言わないが…こんなところにあるのは変じゃないか?」


カリユ副隊長の指摘に衛兵たちも水路に近寄り確認すると確かに兜が落ちていた。

それどころかそのすぐ傍の近寄らないと見えない水路底の内側には剣も落ちているのが発見され、慌てて皆で水路を調査し始める。


「副隊長、大変です!」


大きな声を上げた近衛兵にカリユが反応して向かっていく。

他の近衛兵も副隊長に叫ぶ近衛兵の声を聞き集まってきた。


そこには水路の中に男女1人ずつが剣で水路の底に叩きつけられ固定されていた。

まだ魔石に変わってはいないが、声をかけるも反応はない。



「こっ、これは間違いなく緊急事態だ」

そう言って慌てる副隊長に衛兵が発言し指示を仰ぐ。


「分かれてこの地下を捜索いたしますか?」

「いや、兵士を殺せる程度の腕があると考えると、ここで分かれるのは得策ではないかもしれん。となると、賊はまずはどこへ向かったかだが」


衛兵達はそれ以上の具申などせず、周囲を警戒しながら指示を待つ。

確かに緊急事態ではあるがこの城には大勢の兵士たちがいる。そのため危機感は薄かった。

むしろここはカリユ様を立てておこうと考えたのだ。


「賊ならば武器庫よりは金庫だろう。よし、金庫の方に向かうぞ。皆強化盾くらいはストックしておけよ」

5人の一行は警戒しつつも詠唱しながら<光の強化盾>をストックし、早歩きで金庫の方へ向かった。


この地下にある金庫はただお金が置いてある場所というだけでなく

兵士や城で働く下位の者たちの給与支払いや両替、立替金の清算なども行っている場所だ。


近衛兵や隊長クラス以上になるとここには来ずに、城内の近衛兵待機所の近くにある金庫に行くのでこんな場所には縁がないのだが。


金庫室にたどり着くとカリユの予想通り、盗賊と思われるものたち数名が護衛の兵士を殺して鉄柵の向こうにある金貨の保管室まで侵入していた。


「おい賊ども!どうやって入ってきたのか知らんが、命が惜しいなら大人しくしろ」


カリユがそう怒鳴ると同時に衛兵たちがカリユの前に出て剣や槍を構える。

それに対して盗賊たちも素早く動く。近衛兵が前に出てくる頃には盗賊たち全員が<光の槍>を放った。


盗賊たちの戦法は先ほどのと同じ、足止めからの頭であるアダマントの一撃作戦だ。

衛兵たちは<光の強化盾>を展開し槍を防ぐ。


そこへ奥からアダマントが突進しながら<斬撃光>で光を帯びた斧を叩きつけようとした。

が、ここは先ほどの兵士たちの時とは違う。

カリユが衛兵の前に出てその斧を剣で受け止める。


「ほほぅ」


アダマントはそういいながら受け止められた左手の斧に力を込め

その受け止める力を利用して右手の斧をカリユの頭に向かってに叩きつける。

が、その前にカリユは両足に<光の強化>を使い、左足でアダマントの魔力障壁を破りながら腹を蹴りつけた。


「なっ」

不意を突かれ驚きはしたものの、アダマントは20㎝ほど後ろに滑る程度で態勢は崩さない。


「やるじゃないか、隊長と思しきお嬢ちゃんよ」

効いてないぞ、と余裕をアピールするアダマント


「ただのあいさつ代わりの蹴りよ」

思ったよりも吹っ飛ばずアダマントの魔力放出による魔力障壁の硬さに驚くも、それを見せまいとするカリユ。


現状は盗賊側が6人+頭のアダマント(さらに1人が金庫の奥で金貨などを漁っている)

対する兵士側は近衛兵4人+リーダーらしきそこそこ腕の立つ女。


数だけ見ると盗賊側が有利な状況だが個々の実力では近衛兵たちの方が上。

だが集団戦となると、衛兵側は少し前に出るものの集中的に魔法を向けられすぐに下がらざるを得なくなる。


一応有利に見える盗賊側にも焦りがある。ここは行き止まりの部屋の上、出口は衛兵と将らしき女性の後ろにしかない。

敵のど真ん中の城の中であり、地下の金庫室で強引な手で脱出する方法もない。

目の前にいる相手もさっきの雑魚兵士とは違い身なりも良く、それを率いる将もそれなりの腕だ。

このままぐずぐずしていては敵の援軍が来て脱出が不可能になってしまう。


アダマントは戦略を練るのは苦手で副頭に丸投げしているが、戦場での状況分析(いわゆる戦術)においてはまだましな方だ。

確実に衛兵を1人ずつ落としていけば、簡単に勝てる流れるだと判断する。


しかしそれはカリユ側も同様に理解していた。

今はとにかく粘りつつ、数の不利を援軍によってひっくり返せば十分勝機がある。幸い個々の実力もこちらの方が上。

時間をかけつつも城内でこれだけ派手に戦えば誰かが気づくはずだった。



だがこの時カリユと衛兵たちは大事なことを見逃していた。

先ほどの兵士が殺された時の戦闘音、ここの護衛が殺された時の戦闘音を

待機部屋にいる時だけでなく、見回っていた自分たちですら全く聞こえてなかったことを。



衛兵たちは中身が近衛兵だけあって他の兵士たちよりも練度が高い。

盗賊たちが攻撃を集中させても互いにカバーし合って、誰一人落ちないように対応する。

さらに隙があれば賊に対して確実にけん制攻撃を放ち足止めをし返す。


カリユは魔法攻撃で足止めさせられている衛兵を狙うアダマントの攻撃を、とにかく受け止めて何とかして追い返す事に専念する。

こいつさえ封じ続ければ賊に勝機などなく、こちらが勝てると確信していた。


何度もアダマントとカリユはぶつかり、カリユのけん制のような追撃にアダマントは仕方なく距離を取る。

数分間この状況が繰り返されていた。


「くそ、こんなんじゃ埒が明かないじゃねーか」

アダマントは悔しそうにつぶやく。


「はぁ、はぁ……あんた、コソ泥にしてはなかなかやるじゃないの」

軽く息を切らしながらもカリユは余裕を見せ続けている。


(このままじゃ夜とはいえ確実に援軍が来ちまうな、危険でも賭けるしかないか)

そう思ったアダマントは一番遠い左奥の衛兵の傍の壁をめがけてナイフを投げた。

ナイフは青い光を残しながら衛兵の前を通り過ぎる。


何かの魔法の道具か?と衛兵やカリユがナイフに釣られた瞬間、アダマントはストックしていた<光圧突進>の詠唱を終え発動。

アダマントの正面、一番右側の衛兵に対して突進した。


その発動と同じタイミングで投げたナイフが眩しく光りを発し爆発する。

盗賊たちは眩しい光を受けぬように目を閉じながら、アダマントが突進した対象の隣の衛兵に対して<光の槍>を集中させた。


ナイフが近くで爆発した衛兵は目の前に障壁を展開していて無事だったが、眩しい光のため状況把握が出来ず対応が遅れる。

衛兵達の一番右側とその右隣の兵士は、自分たちに向かってくる魔力を察知し<光の強化盾>をそれぞれ自分の前に展開。


やや遅れてだがカリユはアダマントに狙われた衛兵の前に<光の集中盾>を展開する。

一瞬アダマントの突進を止めることを成功するが、すぐにシールドは破られてそのまま衛兵が胸に突進を食らった。


突進を受けた衛兵は後ろにいたカリユをも巻き込んで壁に叩きつけられる。

そのまま接敵しているアダマントは突進の体制を解くと<斬撃光>の効果の残る両手の斧で衛兵の両肩を叩き割った。

後ろにいるカリユも左肩に少しアダマントの一撃が食い込む。


「貴様ぁ!」

そう叫ぶとカリユは重傷を負っている衛兵をどかし

<斬撃光>を帯びた剣を突き出しアダマントの左腕を切ろうと振り下ろした。


「ぐぅ」

苦しむ声と共にアダマントは至近距離で<光の球>を4発出して後ろに飛ぶ。

カリユの剣は左腕の上腕に食い込み、骨までは達していないもののアダマントは大きな切り傷を受けた。



「しぶといな、このクソ女」

左腕に<輝く保護布>を使って止血しながら距離を取ったアダマントが吠える。


「クソ女じゃない、カリユよ。貴様が死ぬ前に私の名ぐらいは覚えてほしいものね」

そう言ってカリユは壁際で盗賊たちの動きを警戒する。


カリユの傷はアダマントより浅いものの<輝く保護布>で左肩を止血しながら状況を確認する。


カリユから見て右側の2人の衛兵は先ほどより少し下がってカリユの近くに来ていて無事。

一番左の衛兵は突進をもろに食らった上、両肩にも大打撃で行動不能。

その隣の衛兵はシールドを貫いた<光の槍>を2発腹部と右わき付近に食らっていて右手が垂れ下がっていた。


「これはまずいわ、皆引くわよ」

行動できる衛兵3名とカリユは状況の不利を悟って後退する。

未だ援軍が来る様子はないが、それならば先にこの地下から出て援軍さえ呼べばいいだけだ。

地下への入り口は1つしかないので、そこを押さえてしまえばこれ以上この場で無理をする必要はない。


通路に入るとともに<百の光矢>を放って追撃をけん制する。

そして全力で走り出した時に通路の先に人影が見えた。


「助かった、私は副隊長のカリユだ。負傷してるものもいる。今すぐ援護……」

そう口にした時点でカリユは気づいた。相手が兵士とは全く異なる服装をしていたことを。


「あらそう、ならばここで確実に死んでもらいましょうか」


その人影は最初に分かれたもう1グループの盗賊であり、そのチームリーダーであるミスリーだった。

ミスリーたちは先ほどの爆発音を聞きつけてここにやってきたのだった。


盗賊たちはミントの使った魔法の影響を受けておらず、周囲で起きた音が聞こえるため様子を見に来たのだ。


「今だ、一斉に攻撃しろ!」

ミスリーの一声に7人の盗賊たちが<光の槍>をミスリー本人が<100の光矢>を放つ


「くそっ、強引に行くぞ。狙う目標はあの女リーダー、そして突破だ」


衛兵達にそう告げると魔法を放ちながら後ろに下がるミスリーめがけて

魔力を全力で放出し魔力障壁を高めつつ武器を構えて、カリユと衛兵たちは突っ込んだ。


いつも読んでくれている皆様、ありがとうございます。

今回は強引に1話に収めたので、ちょっと量があるかもしれませんが。

ブクマ・評価など戴ければやる気も出るので、気が向けばよろしくお願いします。


魔法紹介

<輝く保護布>光:光の包帯。止血・微回復の効果があるが過剰な期待はできない。光っているのでペタペタ貼ると目立つw


修正履歴

20/05/08 表現がおかしい部分を一部修正。

20/07/21 さらに表現を修正+追加。

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