都市の発展 光と影3
ここまでのあらすじ
食料部門を担当しているジェリスが、農地の拡張をしたいとコウに申請書を出してきた。
今はまだ彼と対立したくないコウが対応にあたる。
そんな状況なので、コウはその場でジェリスの申請書を一通り確認すると
動揺することなくむしろ歓迎すら見せながら、右上のマスに魔力を流して承認しメルボンドに手渡した。
「これは今日中に回して終えてくれ。少々待たせてしまったようだからな」
「わかりました」
コウがあっさり了解すると受け取ったメルボンドはアイテムボックスへその申請書を入れる。
警戒した様子など一切見せない2人の態度に、ジェリスは少し拍子抜けした。
もちろん拒否された場合は、別のものを植えるなどしてこちらも投資に積極的なところをアピールしつつ
コウ側の食糧部門がさらに拡張することのないように立ち回るつもりだった。
いくらもう一つの食糧部門を妹に任せているとはいえ、あまりに向こうが大きくなると部下に動揺が広がり、それが蟻の一穴になりかねない。
既にコウ側につき始めている貴族がいるという話はジェリスも聞いている。
今回は何事もなく承認されたが、これで警戒を解くつもりはない。
ジェリスにとって今の食糧事業を守ることこそが今の地位を守ることにつながる。
コウという新しい都市長が来てからは次々と事業が立ち上がっているものの、従来のように貴族にその事業を任せることはせず、小銭を渡して書類管理などをさせている状態だ。
つまりコウは各利権を手元に置き、自分を中心とする中央集権の構造を着々と築いている。
もちろん最大3年間という期間限定ではあるが、今までの利権構造と違う形を築いているということは
既存の貴族たちから見れば、都市長は今までの利権構造を破壊したいとしか見えない。
ジェリスにしてみれば、この調子だといつ自分の利権が脅かされるか警戒を怠れないのだ。
「そう言えばネネミの様子はどうだ?俺がいないところでもまじめにやっていればいいんだが」
「彼女は優秀なのでとても助かってるよ。まぁ、優秀さはジェリスが一番よく知っているだろうけど」
「ふっ、それもそうだな。あいつの優秀さは俺の配下の中でも群を抜いてるぜ」
妹のことを褒められてうれしいのか、ジェリスは自分のことのように誇らしげだ。
部下扱いとはいえ、兄弟であることからネネミは特別な存在なのだろう。
コウの目的はそこにひびを入れることなので、その様子を見て心の中で申し訳ない気分になった。
とはいえ今の体制では弊害しか生まず、手を加えた方がいいと決断したのものコウ自身。
既に手を打ってしまった以上、今更後戻りはできない。
「それで、これ以上何もないのなら仕事に戻ってもいいかな?」
「その前に、最後に一つ聞いてもいいか?」
「あぁ、構わないが…」
「正直、あれほどの農地を一気に準備したんで驚いたぜ。だが、収穫後の倉庫や輸出に使う転移門はどうする予定なんだ?第1区画の倉庫を使うなとは言えないが、あまり空きはないぜ。
それに転移門自体は都市長の管理だから俺から口出しはできねえが、俺たちも出荷に使うんだし独占されるとさすがに困るぜ」
大量の食糧はそれだけ保管する倉庫が必要になる。
そしてその大量の食糧を輸出するとなると、それだけ転移門の使用回数も増えることになる。
現状この都市のエリア2にある転移門はフル稼働しているわけではないので、増産分の食糧を輸出する余裕はあるが混み合うことになるのは間違いない。
倉庫の問題に至ってはもっと深刻だ。
今まで空きまくっていた倉庫は建築資材やそれに類する備品が占有し始めており、いっぱいになることを危惧して肥料などはすでに別の倉庫を建設したほどだ。
ここは1年中あまり気温が変わることのない良い土地柄だが、さすがに収穫した作物を野ざらしというわけにはいかない。
ものによっては低温保存をするために、手を加えた倉庫も必要になる。
「その点はネネミとガラドリアから指摘されてすでに第7区画に結構な数の倉庫を建築中だ。後発組の我々がそちらの倉庫を圧迫するような真似はしないさ」
「さすがは都市長様だ、手が早ぇ。しかし第7区画なら第1や第5区画にある中型の転移門には遠いぜ。いいのかよ?」
「まぁ、そこは仕方あるまい。別の手も考えているがそれは交渉しなければならないしな…。今は第1区画にある転移門を使わせてもらうよ」
「じゃ、かち合わないように調整は頼むぜ。悪いな、仕事の邪魔をしちまって」
そう言うとすぐにジェリスは出ていった。
満足した表情だったので、コウも不満を持たせるようなことにはならなかったと一息つく。
今のところいい関係を築けているが、ジェリスはこの都市内では子飼いを多く持つ権力者の1人だ。
明確に対立した場合は強烈な嫌がらせを受ける可能性だってある。
最終的には仲良くできない関係だったとしても、他の貴族をある程度取り込むまでは友好的にふるまっておくしかない。
とはいえ、何でもかんでも譲歩する姿勢を見せていては、その噂が一気に広まりコウへの求心力もなくなってしまう。
そんな慣れないかじ取りに疲れたのか、コウは座ったままもたれかかり天井を見上げ大きく口を上げる。
「はぁぁ、上手くいったよな…」
「はい。私が助言をするまでもなく上手く話を進められたと思います。こういうことにまで才能がおありだとは思いませんでした」
「お世辞はほどほどにしてくれ。そもそもこんなやりとりは今まで経験なかったし、本当に胃が痛む思いだよ…」
「初めてでここまで上手く対応できるのなら素晴らしいですよ」
「そりゃ、指南役が優秀だからな。さっ、書類の確認に戻るから説明を頼む」
「わかりました」
コウの指示を受けメルボンドはうれしそうに執務用の机への正面へと向かう。
なぜうれしそうにしているのかわからないコウは少し不快に思い、先に休憩を入れるかとエニメットを呼び気持ちを落ち着けようとした。
コウにとってエニメットは気を落ち着けるのに最適の存在になっている。
ある程度主人として立派な姿を見せなきゃいけないという意識により気持ちを切り替えられると同時に
素直に愚痴を吐露しても情報を漏らすこともなく、聞き役に徹してくれる相手という点が大変重宝しているのだ。
もちろん、メルボンドみたいに良くない点を指摘してくることもない。
エニメットが入ってきてお茶を持ってくると、ずっと部屋の隅で立ったまま黙って様子を見ていたマナが急いで席に座る。
先ほどまでジェリスが座っていた側にマナとメルボンドが座り、コウの横にエニメットがしゃがんでお茶を入れる。
「ふぅ~、落ち着くなぁ。エニメットの入れるお茶は心地いい」
エニメットはコウの気分に合わせて温度や茶葉の配合を微妙に変えたりしている。
コウはお茶が好きでよく頼んでくることから、専属になるため1年間あの道場で神経を使って対応してきた成果が出ていた。
実際、コウにとってエニメットは替えの効かない存在にまでなっており、専属にした理由の一つがお茶にあるくらいだ。
その正面でお茶うけに出された菓子を嬉しそうにつまむマナ。
それを見てコウは呆れて笑ってしまうが、良くも悪くも雰囲気を気にしないマナの態度がコウの心を癒してくれる。
そのことをメルボンドもおおよそ理解しているようで、2人の行動に口をはさむことはなかった。
「あのジェリスって人、今のところ師匠を邪魔する気はないみたいだよね」
菓子を摘まみつつ先ほどの光景を思い出しながらマナは語る。
「じゃないと困るよ、今は仲良くやっていきたい時期なんだから。まぁ、枇杷の件はメルティアールル家に説明する必要はあるけど…面倒ごとにはならんだろ」
「コウ様、こちらをどうぞ」
「あぁ、貰おうか」
間髪を入れずエニメットが赤色のクッキーを差し出すので、コウはそれを受け取り口に運ぶ。
甘酸っぱい味が口に広がり楽しんだ後に、お茶で口の中をすっきりさせる。
「おぉ、ラズベリー?」
「はい、なかなかいい出来に仕上がったのでお持ちしました」
こうやってちょっと思い出してムカッとし始めたコウの気をクッキーの味に向けさせて意識を逸らさせる。
「やっぱりエニメットの料理の腕は最高だな」
「いえ、まだまだです。これからも精進いたします」
それを聞きうれしくなったのか、コウはエニメットを横に座らせ一緒にお茶を味わう。
こうして穏やかな休憩時間が過ぎていった。
楽しい休憩時間はあっという間に過ぎ去り、エニメットは退出しマナも目立たない場所に待機する。
仕事に戻るかとコウが立ち上がった時、大事なことを思い出してメルボンドに話しかけた。
「そういえば、貴族への支給金を上げる発表…そろそろやる予定だよな」
「そうですね、なぜか向こうからスケジュールを早めてもらい、採掘機もあと10日ほどで稼働することになります。そろそろ良い時期だと思います」
いよいよこれで最初に決めていた事業の全てが稼働することになる。
これからはさらに発展させていくと同時に、新しい事業も考えていかなくてはいけない。
このままの状況を維持するだけでも、コウの進める事業からの収入は税収扱いで都市の資金となるので
開始から1年半後の税収目標はクリアしたも同然なんだが、これから2年半以上何もせずに維持するだけというのはコウの性に合わない。
「さて、これからますます忙しくなりそうだな」
メルボンドを見ながらそう発言し、コウはまだまだ物足りないとアピールする。
「ふふっ、どん欲な方なのですね、都市長様は。ですがまずは、一歩離れて見ているだけのテレダインス家の者たちをこちらに引き入れなければなりません。
足元をおろそかにしては大きく育て上げても支えきれず瓦解してしまいます」
「そうだな…なら、出席者に主要な面子がそろっていたら明日にでも発表するか」
「では夕方には原稿を用意しますので、それを元に都市長様の言葉で説明されるとよいと思います」
それを聞きながらコウは考えていた。
貰える金が増えるのは誰だってうれしいことだろう。
だが、金になびいて支持してくれるものが本当に自分を支持していると言えるのだろうかと。
反発されるよりは遥かにましなのだが、それを自分たちに協力してくれていると言うのは違うではないかと。
難しい顔をし始めたコウにメルボンドが話しかける。
「都市長様、お金はきっかけにすぎません。でも目的にもなりえます。試しに指示し、動いてみて、結果が出ればさらに収入が増える。
市民をそうやって一生懸命働く者たちへと変えたのが都市長様です。そして、それは貴族とてそう変わりはしないのです。
この荒城都市では戦後数十年支給金が減ることはあっても増えることはありませんでした。今回はあくまで盛り上げるきっかけとお考えください」
「…わかった。そうだな、そうかもしれん。だが、メルボンドはよく俺の考えが見抜けるな?」
「都市長様はまっすぐなのでわかりやすいのです」
「ふふっ、そっか。誉め言葉として受け取っておくよ。さぁ、先ほどの続きで資料の確認だ」
コウが執務用の机に向かって座り、隣にメルボンドが立って説明を始める。
そんな光景をマナは少し羨ましそうに部屋の隅から見つめていた。
エクストリム城内、某所。準貴族たちが数名、いつものように暇を持て余しつつ話をしていた。
ここに左遷のごとく配置されて、あまり贅沢の出来ない暮らしをしている貴族や準貴族たち。
同じ国内の他の都市に行っても、エクストリムにいるということが身なりでばれることもあり、ここの者たちはあまり外の都市には出かけない。
そんな引きこもる生活を続けているうちに、次第にやる気が無くなっていき今に至っている。
ここに移動を受けた最初のころは、彼らもこの都市を盛り上げてゆくゆくはその功績をひっさげ首都に凱旋するぞと意気込んでいた者たちも多かった。
だが、現実はそう簡単に上手く運ばない。
予算も少なく新規に何かやろうとするにも都市長に全て押さえられ提案すら受け付けてもらえず、ただただ日々を過ごすことに次第に慣れきってしまう。
そんな中、新しい都市長が来てから徐々に雰囲気が変わりつつあった。
あくまで最大で3年間という短い期間で赴任してきた都市長ではあるが、積極的に動いては新しいことをやり始めている。
都市長が入れ替わると発表を聞いたときは、何か国同士の思惑だけでやって来るボンボンだと馬鹿にしており、誰もが期待などしていなかった。
新都市長が赴任した直後も、どうせすぐにいなくなる者があれこれやったところでと、逆らうことも賛同することもせずただ遠目で見ているだけだった貴族たちも
数月経った今では、次第に期待の声がどこからか湧き始めてきている。
『ひょっとして、国王もこの都市を見捨てるつもりはなく、なんとか発展させようと彼をよこしたのでは?』
『これはもしや、われわれが数十年待ち続けた豊かになるチャンスなのでは?』
そう内心思う者は多かったが、それでもほぼ全ての者が積極的に動くには至らなかった。
なんせ今度の都市長の任期が短すぎるのである。
最短1年半なんて、適当に何かやって借金だけ作って放り出すには最適な期間だ。
下手に協力しようものなら、さすがに全額とは言わないが借金の責任の一部を負わされかねない。
そんなものを負わされれば、今までさほど余裕のない生活を強いられてきた貴族たちにとっては即破滅となりかねないので、あくまでつかず離れずの距離を保っていた。
逆に万が一優秀だったとしても、そんなコウに気に入られるように努力したところで3年後にはいなくなってしまう存在。
下手に周囲のやっかみを買う方が後々不利益になる未来が見えるというわけだ。
だがここ1週間ほどは空気が違ってきている。
自室に集まった3人の準貴族たちは、外に侍女を立たせ見張らせたうえで、大きな声を出さないようにして話し始める。
「聞いたか?あの噂」
「あぁ、俺も聞いているし他にも聞いたという者もいる」
「俺は財政管理部の周囲を警護している兵士が盗み聞ぎしたと聞いたぞ。貴族たちの支給金を数%上げる計画のことだろ?」
「兵士からか!?」
「声が大きい!落ち着け…」
流れてくる噂は妙な尾ひれのついているものもあるが、大まかにはこうだ。
『魔石採掘が始まれば都市の収入が安定して増えるので、貴族への支給金を増やしたらどうかという案が出ている』
たかが数%と思うかもしれないが、この荒城都市では大ニュースである。
瞬く間に水面下で話が広がっていき、今では出所がはっきりとは掴めないにもかかわらず
その期待の大きさからか多くの者が知っている噂となっていた。
「もう俺が来て20年くらいこの都市の収益は変わらないままだからな…そりゃ噂にもなるさ」
「だが、たかが数%だろ?ありがたいっちゃありがたいが…」
「お前は考えが足らんな。あの都市長が来てから半年もせずに支給金が上がるんだぞ。3年間あればもっと期待できるじゃないか」
「おぉ、そうだな。そう考えると、俺も頭を下げに行くべきだろうか…」
「まぁ待て。まだ決まったわけではないし、これからも期待できるとは限らん。慌てると足元をすくわれるぞ」
「しかし、すでに都市長様に取り入ってる者もいるし、あまり出遅れるのもな…」
「あぁ、俺も聞いた。水面下でこっそりと忠義を誓っている者が出ているらしいな…そういやノットリスの野郎は早々と取り入ったようだし、くそっ」
「都市長に対して貴族連中があまり興味を持ってないときに、朝食会の席が空いたって飛び込んだ奴だろ?ったく、乗り換えの上手いやつだ」
「最近はまた朝食会の席争いが厳しくて、俺たちに回ってこないんだよな。都市長様に自分を印象付けようとするやつが増えてきてさ」
彼らは準貴族のため端からチャンスが回ってこず正確な状況を知らないが、今やコウと面会でき話すチャンスのある朝食会は貴族たちですら日々取り合っている状態だ。
だからといって、その場でコウに取り入ろうとアピールする者であふれているわけではない。
このところの事業は安定しており担当に任命する貴族の枠もないので、別段コウから募集をしたりしていないからだ。
それでも積極的にアピールする者がいればコウ側も何か考えたかもしれないが、朝食会前は互いにけん制合戦が行われており
この大して広くない都市ないでは素性の知れた者ばかりなので、至る所で抜け駆けはさせまいと醜い足の引っ張り合いが行われている。
そのことをある程度聞いていたコウは、朝食会の場でトラブルになるのを避けるためにメイネアスにも募集のような話はしないよう指示している。
一応、新食糧事業の責任者であるネネミから、旧食糧事業とは関係のない派閥の人材を欲しいと言われているが
支給金を増やす発表まで待ってもらうようお願いしているくらいだ。
ちなみに支給金を増やすという噂はメイネアスが指示をして流しており、それはコウも了解済みだ。
これはコウへの不満を和らげ水面下で恭順する者を増やすと同時に、朝食会で発表したときに貴族たちが『俺が都市長様を説得した』などと吹聴する馬鹿をけん制するためでもある。
現時点でも、都市の税収は上がっているのでは?と朝食会で尋ねる貴族たちは多く、俺が説得したという流れを作ろうとする動きがある程だ。
そこはあくまで、今はまだ予測数値を計算中だとコウたちは聞き流しているのだが。
このことに関してはコウが、支給金を増やすだけでもここまで気を使わないといけないのかと仲間内に不満を漏らしている。
ここにいる準貴族たちも収入が増える期待とともに、これから身の振り方をどうするべきか悩んでいた。
皆悩みながらこうやって仲間内で集まって話しているが、それでも腹の中ではお互いを疑っている。
ひょっとして目の前のこいつはすでに都市長様に従う誓いを立てており、より良い暮らしが約束されているんじゃないかと。
数十年来のビッグチャンスになるかもしれないし、ノットリスのようにすでに抜け駆けを決めている者もいるので皆が気が気じゃない。
「なっ、なぁ。俺たちも都市長様のところに行かないか?」
相談しているうちに焦り始めたのか、1人の男が皆を誘い始める。
「馬鹿言え、何の用で行くつもりなんだよ。大した用もなく尋ねようとすれば門前払いされるぞ。
そもそも都市長様は自分の自室にほとんどいないらしいからな」
「それなら、シーラさんに繋いでもらえるようお願いするってのはどうだ?あの人なら城内で時々見かけるし、都市長様と親しいんだろ」
「お前、シーラさんと親しいのか?」
「いや…結構いい感じの人だなとは思っているけど…親しいわけじゃないが…」
「おいおい…」
「こりゃだめだ」
周りの2人にダメだしされてその男は落ち込む。
このような結論の出ない秘密の話し合いが、城内のあちらこちらで行われていた。
今話も読んでいただきありがとうございました。
ちょっと…いや、かなり体調が悪く仕事から戻るなりすぐに寝てしまったのですが、何とか更新できました。
(予告はできるだけ守りたい)
誤字脱字等ありましたら、ご指摘いただけると助かります。
感想やブクマもいただけるとうれしいです。
次話は5/10(日)更新予定です。ではでは。




