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異世界からのスカウト ~光と闇の狭間に立つ英雄~  作者: 城下雪美
2章 下級貴族:アイリーシア家の過去 (18話~46話)
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2章プロローグ 大戦後の光の連合各国

まずは導入から。2章は過去編になります。

切りどころがなくて導入部の短話にしてみました。

引き続き読んでいただけると嬉しいです。


光の連合国、これはルーデンリア光国を中心としてまとまった光属性を主とする国家連合である。


闇の国に対抗するために結束したこの連合は、先の大戦で30数年にわたり戦いを続け

一時期は大幅に光側が押し込まれたものの、光の連合各地に生まれた9人の英雄を中心に各地で闇の勢力を押し返した。


激しい戦いの末に疲弊しきった光と闇の両陣営は互いに接している戦闘地域を徐々に放棄していくことで

光と闇の領土の間に常に小競り合いが起きる程度の中立地帯を生み出した。


この中立地帯がある程度広がっていき両国とも攻め込む気力が無くなった頃、自然に停戦状態へとたどり着いた。

だが両陣営は停戦したものの、相手の国とその属性を滅ぼすこと目標とし続け、いまだに戦火の火種はくすぶり続けている。



その光と闇の泥沼の大戦が終結してから15年、人・物・土地全てにおいて莫大な犠牲を出した光の連合は、各貴族が治める国毎で復興にまい進していた。

だが各貴族の家によって損耗の度合いはかなりの差があり、本来はそこを調整すべき連合の最高会議でも貴族同士の意見がまとまらず、連合内の混迷は徐々に深まっていく。


もちろんこのような危機こそまとまって行かねば闇に対抗できない、という声は強かったが

助けてもらう側の貴族たちが助ける側の貴族より立場が下になることを、一時的でもプライド的に許容できなかったのが最大の問題だった。



連合に所属する国は貴族が複数の都市が治めてまとまることで形成されている。貴族家=1国といった構図だ。

その国を構成する都市はほぼ全て城壁で囲まれている城郭都市となっている。


城郭都市になっている理由は主に、度々起きている闇との大きな大戦での被害を軽くするため

そして城壁の外にいる魔物や兵士崩れの魔法使いから都市の施設や住民を守るためだ。

それらが簡単に進入できないように各都市は様々な形で堅固な城郭都市を築いている。



アイリーシア家が治めているのはアイリーシア小国という名称で、都市アイリー1つだけしかない名前の通りの小国だ。

普通の下級貴族は中級貴族の治める都市の中のはずれの都市を治めていることが一般的で、大きな収入源を持っているところはほとんどない。


だがアイリーシア家は下級貴族が自国所有の都市1つを治める国で、下級貴族の中では恵まれていた。

また各国にとって重要な施設である転移門を作成・修理する部門が国にあるため比較的裕福な財政状況だった。

その収入があるからこそ国を維持できているとも言える。



30年にもわたる長い戦いが収束した戦後間もない混乱期、比較的損耗の度合いが低かった下級貴族のアイリーシア家には優秀な3人の娘が誕生した。

戦火と復興を経て少し落ち着いてきた時期をその3姉妹は幼少期として過ごしたこともあり、周囲を気遣う少女へと育っていった。


子供の頃は魔法の才能など検査することが出来ないため、3人とも一般的な貴族の娘として育ったが

娘たちが11歳になり魔法の才能を調べた時、その才能に国王も王夫もとても驚いた。


アイリーシア家の現国王はそこそこの魔法の才能があったものの

相手の夫は貴族の中ではやや劣る程度の才能しかなかったため、ここまで優秀な子が立て続けに生まれるなんて思ってもみなかったのだ。


アイリーシア家の3姉妹は、それぞれ次のような才能に恵まれた。


第1王女クエス:この一族の伝統的な属性、夢と宙を持つ才能あふれる長女

第2王女エリス:一族の隔世遺伝で時々生まれる氷の属性を持つ次女

第3王女ミント:宙の才能は劣るものの夢に特に優れた三女


その才能は3人とも素晴らしかった。だがあまりに素晴らしすぎたため、この復興期に悪目立ちすると思った国王は

すぐに娘たちの情報を隠したものの噂までは止めるとは出来なかった。


その噂は徐々に広がっていき、他の貴族からも才能の段階で既に一目置かれることとなる。

3人続けて優秀な才能を持つ子が生まれるというのは相当珍しく

この先アイリーシア家は金と力の両方を持つことで、中級貴族まで上り詰めるのは確実だろうと目されていた。

そしてその話はアイリーシア家の守護家である中級貴族のフィラビット家も賛成していた。



しかし、まだ復興途中の戦後の時代。あまりに恵まれた環境というのは周辺の貴族に強い嫉妬という悪意を生み出す。

比較的消耗の少ないルーデンリア光国を盟主として、表面上は結束をしていた光の連合だったが

光という闇を嫌い正しさを知らしめることを尊ぶ国々であっても、貴族同士の悪意・欲望から生まれる内紛が消え去ることはなかった。

また、その内紛を抑える程の力も連合全体になかったことから悲劇が生まれる。


下級貴族で貴族のごたごたに直接的に巻き込まれることの少なかったアイリーシア家では

復興という厳しい状況でも豊かな財政と素晴らしい人材により充実した日々が過ぎていく。


その充実っぷりは困窮する他の貴族の嫉妬を生み、その嫉妬が憎しみを育てていく。

そしてその充実した日々は、憎しみを抱く他の貴族によって悲劇へと変えられた。


やっと戦闘シーンが出てきます。直前までうまく伝わる戦闘シーンになるように修正&修正で模索していますが、すごく不安。

何はともあれ頑張りまっす!(毎日更新は無理だと思いますが・・)


いつも読んでくれている皆様には本当に感謝です!やる気が出ます♪

修正履歴

19/01/28 改行の追加

19/06/30 表現を一部修正

20/07/15 表現の一部をさらに修正

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