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異世界からのスカウト ~光と闇の狭間に立つ英雄~  作者: 城下雪美
1章 魔法使いになります! (1~17話)
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基礎練!まずは瞑想をやってみよう

この世界での魔力コントロールは他のいろんな作品のオーラや気をイメージして作っています。

そう思って読んでいただけるとわかりやすいかと思います。

今話は瞑想という基礎の練習です。


俺はボサツ師匠と昼飯を済ませ30分ほど休憩になった。

今までこの大部屋からまともに移動していないことを相談すると、師匠は気づかずにごめんなさいといって外へ案内してくれた。


俺はてっきり俺の存在を隠すためにこの部屋に軽く軟禁されているのだと思っていたのに。

まぁ、ここ2日はバタバタしていたのは事実だし、外出る暇がなかったと言えなくもないから仕方ないか。


いつもいる大部屋から2つ扉を抜けると、大きなガラスの窓から外が見える部屋にたどり着く。

外は芝生の庭が見えてその先は塀によって囲まれているのがわかった。

塀の外は森になっているのか、大きな木の先の方が見える。この建物は高い位置にあるみたいだった。


「ここ、森の中なんですか?」

なんとなく聞いてみると

「そうですね、簡単に言うとここは森の中です。と言っても不可視化と探知無反応化がかけられているハイスペックな隠れ家ですが」

「えっ」


師匠の言葉を聞いて驚いた。部屋が広くさらに何部屋もあるので結構いい建物だろうし

木造なところから考えて、せいぜい町から少し離れた場所にあるちょっとした別荘と思っていたのに。


RPGの定番では田舎から始まるので、自分がいるのはてっきり田舎にある大きな別荘と思いきや隠れ家とは。

あ、でもそんな雰囲気もなんかあったような…



「コウのことを暫く隠したいという思惑がこちらにはありますので、不便かもしれませんが少し我慢してもらえると助かります」


そういうと師匠は俺の方を向き直り、軽く会釈するかのように頭を下げる。

俺は完全にお世話になっている身なので、師匠に頭を下げられるのもなんだか申し訳ない。


「いえいえ、そんな俺が魔法使いを希望してここに来ているので不満なんてありませんから。余計なことを言ってすみません」

そう謝ると師匠は左手で軽く口を隠すようにしてふふっと少し笑った。


隣の部屋は玄関のようになっていて俺がはいていた学生靴も置いてあった。

他は師匠たちの靴なのだろうか、おしゃれなハイヒールみたいなものは無かったが

宝石や金属みたいな光沢があるものが付いてたり埋め込まれているような布製のスニーカーっぽいものや皮製のブーツが置いてある。


なんにしても高そうなのでとにかく触らないようにしよう。

すごい魔法効果のある装備品の可能性もある。一応凄腕の師匠のものだろうからただの安物ということはないはずだ。



「さて、外へ出て基礎となる瞑想の練習でもしておきましょう」

師匠に促されて外に出るため靴を履こうとしたが止められる。


「今日は裸足でお願いします。ちゃんと戻るときは汚れを落とせますので心配は要りません」


そういわれて仕方なく裸足で外へ出る。先ほど窓から見た庭とは違い左側は土の地面だが広くて奥行きは200m程はありそうだった。

師匠に案内されて右側へ進むと土の地面から先ほど見た芝生の庭のようなところに出る。

その庭の真ん中辺りにそれぞれ距離を置いて、4つの表面が円になっている石が地面に埋まった形で置いてあった。


「コウ、あの石が見えますか?あの石のどれかの上に座ってください。姿勢は楽にして構いません」


師匠に促されて一番手前にある石の上に座る。

石は少し冷たく心地よかった。そもそも高地だからかここの外気温は涼しくて心地いい。


思い出してみるとあの木造の家の中はそこそこ快適な気温だった。

クーラーらしきものは見当たらなかったし、あの隠れ家の中は気温が快適になる魔法がかけられていたのではと思い、隠れ家の方をパッと振り向いた。

その様子を見た師匠は一瞬?となったようだったが、さほど気にはしていないようだった。



石の上で最初は体育座りでいいかと思っていたが瞑想といっていたこともあり、胡坐をかくことにする。

俺が胡坐をかいて背筋を伸ばすと師匠が次の指示を出した。


「まずは目を閉じてください。そして自分から漏れるように出ている魔力を感じてください」


朝、自分の手を見て気付いたあの魔力の感覚を思い出すようにして目を閉じる。

次第に体の周囲に出ているようなものをなんとなく感じる。これが俺の魔力なのだろうか。


俺の魔力の動きが見えているのだろう。師匠が俺の状態を見ながら、次の指示を出す。

「そうです。コウはもう魔力をちゃんと感じれるみたいですね」

ちゃんとという言葉は少し違うと思うんだけど…そう思っているとそのまま師匠が言葉を続ける。


「それをもっと放出してみてください。感覚で構いません。

 そしてその放出した魔力を貴方の体から一定の距離で留めてみてください。コウの体の形の延長上でも球状でも構いません」


そういわれて魔力と思しき物を朝に手でやったように全力で体中から放出するイメージを描く。

と同時に何かが強く体から出て行く感覚を覚えた。


「放出は上手くできています。それを自分の周囲に押しとどめてください。無駄に流し続けるとそのうち魔力が切れて気絶します」


なんか恐ろしいアドバイスを平然と混ぜてきた気がしたが、ひとまず自分の周囲に魔力を留めるようにイメージする。

自分からちょっと離れた魔力はどんどん離れて消えていこうとする。

これを維持するというのは結構厳しいな。


闇雲に体の周囲に魔力を留めるのは厳しいので、自分の周りに球体を描く感じで魔力を引き留めようとする。

まだところどころ球体の表面が波打って安定していない気がするが

とにかくやれる範囲で師匠の指示を全うしたつもりだ。


これでいいのだろうか?そう思っていると、周囲から魔力の圧というべきか自分の魔力を押しつぶす圧力を感じて冷や汗が出る。

何か得体の知れないものに潰されそうな感じに恐怖を抱き、思わず魔力を留める感覚を捨て目を開き石の上から逃げ出そうとする。

が同時にさっきまで周囲から押しつぶそうとしてた魔力が霧散し、胡坐の体制からあわてて石の外側に逃げようとして転ぶという無様な格好を晒しただけになった。


「だ、大丈夫です?急に動くと危ないですよ?」

心配そうな師匠の声を聞きまわりに何も無いことを確認できて俺はほっとした。


「急に動くとは思いませんでした。何か感じたのです?」

「は、はい。自分を押しつぶそうとする何かを感じて……恐ろしくなったもので」


嘘か本当か自分ではわからないがとにかく恐ろしかった間隔をありのままに師匠に話すと

師匠は少し困った顔をした。


「それは貴方の魔力を維持する球体の形が悪かったので私が直そうとしたものです。それを感じ取ってしまったのです。

 普通は初日からここまで敏感に感じることは無いのですが・・仕方ないので我慢してください。もちろん押し潰したりはしません」


師匠の説明を聞いて俺はひとまず安心した。と同時に自分の無様な行動が少し恥ずかしくなった。

自分が上手く球体を作れなかったのを修正してもらったのに恐怖を感じてしまったからだ。


とはいえ俺はまだ初日。今はひたすら前に進むのみだ。そう思って再チャレンジを願い出た。

「またお願いします。次は大丈夫ですから」


俺は再び石の上で胡坐をかき目を閉じる。

それと同時にもっと明確に球体のイメージを作り魔力を放出しつつ留めた。


再びイメージした球体の外から圧を感じる。

その圧に逆らわないようにしつつも、球体内に魔力を押しとどめ維持する。

圧を感じなくなり今のイメージがきれいな球体だろうか、そう思いながらその形を維持して俺は指示を待った。


「そうそのままでいい感じですよ、後はそれを30分は維持してください」

ボサツはそう言うと黙っているコウの魔力が均一かどうか、濃さはどうかチェックしていく。


(普通は球体があんなに歪まないのですが、魔力の出力が強い割に扱いに慣れてないからでしょうか?ただイメージが下手なだけの可能性もありますが…)

そう思いコウが最初につくった球体をボサツは思い出す。


横周囲はぐにゃぐにゃと波形になっていて、上の方は落ちてくる水滴のように伸びていた。

とにかく球体を1人で上手くつれることを目標に、そうボサツは思いながら瞑想をするコウを眺めた。


進行スピード遅くない?と思われた方→同意します。

他のキャラ全然主人公に絡んでなくない?と思われた方→同意します。

まだまだ、頑張っていきます。1章終わりまでは毎日更新、はい!


誤字脱字が目につきましたら、ご指摘いただけると助かります。


読んでくれた方、ブックマークしてくれた方、評価や感想を送ってくれた方

皆様に感謝しつつ続きを書いていきます。


修正履歴

19/01/30 改行追加

20/07/15 主にボサツの口調を変更

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