表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界からのスカウト ~光と闇の狭間に立つ英雄~  作者: 城下雪美
4章 コウ、師匠になる(112話~183話)
114/483

マナと1隊、盗賊退治完了

ここまでのあらすじ


マナと1隊は麻薬製造エリアへと潜入し、問題なく周辺を制圧する。

麻薬製造の工場内にいた女性を一人救出すると、ここからマナによる殲滅ショーが始まる。


2分ほど時間を置いてマナは工場1階で大規模な魔法を使うために沢山の魔核を出すと慎重に型を作り始める。

時間をかけ65個の魔核で出来た型を2セット作り上げると、それを横にわずかにずらしたような配置で型を2セットを密着させた。


「強化はこれで良し。さて、さすがに多量の魔力を放出すれば上の人たちも反応するだろうけど、どっちが早いか勝負」


マナは意気込むと、自分の周りに火属性の魔力を10秒間全力で放出する。

それと同時に精霊からの型への魔力チャージも始めた。


下からかなり大きな魔力を感じて、2階・3階にいる盗賊や傭兵たちが飛び起き騒ぎ始める。

一体何が起こっているのか理解できない者たちは、すぐに部屋を出て魔力を纏わせつつ大きな魔力が発生している1階へと急ぐ。


4階にいた盗賊頭とその取り巻きは落ち着いており、防御系魔法をストックしつつ下の様子を見に行ったものたちが報告に来るのを待っていた。


マナは先ほどの型が完成直前まで来ているタイミングで横で先行して詠唱していた<炎纏い>を発動させる。

マナの周りに揺らめく魔力が発生し、自分の魔法による熱や着火の効果を受けなくなった。


「おっ、足音。でも残念、少し遅かったね~。燃え尽きていなかったら後で戦おうね、いくよ!<火蛇渦・解放>」

マナが大声で叫んで魔法を発動させる。



マナの周囲を大きな炎が取り囲んだかと思うと、直径1mくらいの炎がいくつもマナの周りにぐるぐると巻き付くように発生し、一気に開放されるように9つの炎が様々な方向へと進んで行った。


直径1m長さ50m程もある炎がかなりの速さで建物内を蛇のように這いずり回り、通り道にある多くの可燃物は一気に燃え上がる。


素体の者はそのワームのような炎にのみ込まれた瞬間、高温で息も出来ないまま燃え上がり即死する。

あまり実力のない魔法使いは一瞬抵抗できるもののすぐに素体の者と同じように燃え上がり命を落としていった。


「おい、とにかくヤバイぞ。部屋へ戻れ」


2階の傭兵3名はすぐ傍の部屋に入り扉を閉め扉と重なるように<光の盾>、<光の強化盾>を使う。

だが炎の塊はお構いなしに扉へ向けてぶち当たってきた。


炎が纏った魔力で直ぐに木製の扉は砕けて燃え落ち、傭兵たちが張った魔法障壁も即砕け散る。

そのまま長い炎の塊は部屋をぐるぐると回り傭兵たちを焼き尽くす。

扉を破られた後の対処が遅れたこともあり、傭兵たちは10秒ももたなかった。


いくつかの炎の塊は廊下や部屋の窓ガラスから外へと飛び出す。

別の4つの巨大なワームのような長い炎の塊は2階をぐるぐると回り、3階へと突入し始める。

そして3階もあっという間に炎に包まれた。



既に炎の塊が3階をうごめいているのを確認していた盗賊頭とその取り巻きは、4階に上った直ぐの廊下に慌てて<光の強化盾>を4重5重に重ねて配置する。


「これなら大丈夫だと思うが・・あれは一体なんだよ」


取り巻きの一人が震えた声で回りに尋ねるが誰一人その疑問には答えられなかった。


「下はどんな感じだ?」

落ち着いた様子の盗賊頭は奇襲として想定される魔法を思い浮かべつつ部下に尋ねる。


「ワームみたいな炎がぐるぐる下の階の廊下を動いている感じで・・訳が分からないっす」


「大人数で討伐に来たにしては派手過ぎる。このままここにいるよりは飛び降りて物見塔の奴らと合流した方がいいだろう、行くぞ」


盗賊頭の合図で皆が外に出ようと動き出した時だった。

炎が4階まで上がってきて強化盾に激突する。

1発で1枚目が割れ、2枚目にもひびが入る。


想像以上の威力を目の前にして命危機を感じた盗賊たちは、慌ててバラバラに窓に向かって走り出した。

直ぐに2発目、3発目の炎が強化盾に激突し、5枚すべてが割れ、複数の炎の塊が重なるようにして4階に侵入した。


この炎にはある程度魔力に対する追尾機能が付いていて、それなりに魔法使いを狙う仕組みになっている。

その場にいる全員が必死になってバラバラに窓へと走り、体当たりで窓枠やガラスごとぶち破りながら5人の盗賊が外へと脱出した。


だが、ワームのような炎の方が速度が速く、盗賊の2人は飛び出した窓のすぐそばの空中で炎に絡まれ飲み込まれた。

さらに遅れて2つの炎がそれぞれ燃えている盗賊の炎に加わり、2人の盗賊は抵抗むなしく焼き尽くされる。


頭とその側近の盗賊2人は何とか逃れたと思ったのも束の間、2階や3階から飛び出して工場の周辺を徘徊していた3つの炎にそれぞれ空中で飲み込まれた。

うち一人にはさらに上から炎が加わり完全に焼き尽くされ、盗賊頭とその側近1人がかろうじて魔力障壁で炎を防ぎきり、慌ててこの場から脱出を図ろうとする。



バラバラに逃げる2人のうち、盗賊頭の目の前に黒髪で赤い瞳の少女が立ちはだかる。


「残念だけど、逃がすつもりはないのよね」

マナは盗賊頭を目の前にしてにっこり笑う。


「誰か知らんが邪魔をするな!」


盗賊頭はハルバードを取り出しマナへ向かって走るが、マナは向かってくる盗賊頭の目の前に<中爆発>を使った。


家を半壊させるほどの大きな爆発が目の前で起こるが、盗賊頭はとっさに<光の強化盾>で威力を殺し、盾を割られつつも残った魔力障壁で何とか爆風を防ぎきる。

が、安心したのも束の間だった。


後ろからさらに2つの炎が追ってきて、盗賊頭を再び炎で包み込む。

2つ分の炎が来たことと先ほどの強化盾で魔力を消費していたことから、盗賊頭の周りにある魔力障壁では完全に防ぎきれず炎の塊によって手足の先や体の一部が焼かれ始めた。


「えっ、ちょっと・・自分の魔法に横取りされるって。もぅ、嫌な気分だなぁ。でも止めは私がするんだからね」


既に<爆発付与>で切ると数秒後には爆発する効果を付与した剣を持ってマナは炎に絡まれた盗賊頭に剣を向ける。

ほとんど火だるまにしか見えない必死に抵抗している盗賊頭をお構いなしにマナは型を作り詠唱し始める。


出来上がった魔法は、弓なりの形に紅い炎が燃え盛り真ん中には紅く光る魔力で出来た剣先が付いている。


「よし、今日はちゃんと出来た。<一閃紅爆>くらって・・ねっ」


そう言うと同時に、剣先のついた弓なりの形をした紅い炎が燃え続ける盗賊頭に飛んでいく。

盗賊頭が何とかまとわりついた炎を消し去ろうとしたところに、残った炎を切り裂くようにしてマナの放った魔法が着弾する。


盗賊頭がそれに気づき、必死に魔力を放出しながら胸を守るように両腕でガードするも直撃し、縦一直線に紅い炎が盗賊頭に燃え移る。


と、その直後盗賊頭の両腕が爆発で吹っ飛び、さらに赤く光る剣先のような部分が胸にまで突き刺さる。

そのまま大きな魔力が発生したかと思うと盗賊頭は爆散し、はじけ散った体は即魔力になって集まっていき魔石へと変わった。


「うん、今のは完璧に決まったね」

魔石に変わっていく様子を見て相手が確実に死んだことを確認すると、マナはその場で立ったまま右手を握りしめて上へと突き出していた。



その少し前、2つの物見塔では中央の工場から大きな魔力を感じたのか、中にいた者達が慌てて外へと飛び出していく。


が、既にフィルフィー側にはメリシアが、ドンギュオ側にはアルディオスが傍に駆け付けており

慌てて飛び出していったものたちを後ろや横から不意打ちで即殺していった。


それぞれの物見塔の人員を片付けた頃、工場の2階の窓から長い炎の塊が飛び出してきて工場の周囲を回り始める光景が見える。


「まーた派手にやってる」

その様子をフィルフィーが呆れながら見ていた。


「暗殺、とはさすがに言えないわね。でも大量の相手を焼き尽くすなら仕方がないでしょう」

不満そうなフィルフィーをなだめるようにメリシアが話しかけた。



一方のアルディオスたちもその様子を見ていた。


「ふぅ、あれはいつ見ても派手だな」

「そうっすね。ただあれって近づけないのが問題なんすよ」


アルディオスの返答に疲れた様子でドンギュオが答える。


「まぁ、その分我々が楽できるからいいじゃないか」

「いや、まぁ、そうっすけど。それで今回は何人あの炎の中から脱出してくることやら」


そう言いながら2人は工場の裏門側をカバーするように別れて配置に着く。

反対側のフィルフィーとメリシアも正門側をカバーすべく別れて配置に着いた。



5人が4階から飛び出すのを各人が確認出来たが、すぐに2人は炎に呑まれてしまう。


「あ、二人減った。楽できるのはいいけど、本当に怖くて近づけないわよね、あの魔法。確か術者以外の識別ができないらしいし」


炎のワームが取り囲み炎上する工場を少し離れた位置、フィルフィーがぼーっと見つめていた。

フィルフィーから少し離れた位置にいるメリシアは、他に逃げるものがいないか注意深く状況を観察していた。


1人が3階から出てきたの炎をくらいつつも振り切れるかと思いきや、2階からの追加の炎に呑まれて地面に落下しあえなく動かなくなってしまった。


「残念、こっちへの残り物はなさそうね」


そう言いながらもメリシアは警戒を緩めず工場から生きて逃げ出すものがいないか確認を続けた。



アルディオスの方には2人無事に燃える工場から脱出できたものがいた。

だがそのうち1人はマナが前に立ちはだかって足止めしている。


その様子を見てアルディオスはもう1人工場から遠ざかっていく盗賊へと狙いを定めた。

あまり近づき過ぎるとマナの炎のワームに巻き込まれかねないので、離れた位置から足を止めのために2発盗賊の前方に<光一閃>を打ち込む。


だが炎から逃げるのに必死な盗賊はその攻撃に気付くも、一応2枚の<光の盾>を張りつつとにかく走り続けた。

1回目は何とか回避できたが、2回目の攻撃で光の盾は簡単に砕け、盗賊の足をかすり腕は貫抜かれる。


このまま逃がすわけにはいかないとアルディオスは追撃として<8光折>を使い、屈折しながら目標にめがけて飛んでいく8本の光を飛ばす。

さすがにまずいと盗賊は立ち止まって<光の強化盾>を張るが、型を組むため立ち止まったことでマナの炎に追いつかれてしまい、その盗賊は炎に包まれる。


「少し近いな。これなら炎ごと吹き飛ばさないと俺の方に来かねん」


仕方なくアルディオスは多くの魔核を作り出し、型を組み上げ、炎と盗賊を丸ごと貫くように<収束砲>をぶっ放した。

そして太い光線に炎ごと盗賊は飲み込まれて、消滅してしまった。


「ふぅ、マナの方は終わっているか?」


そう言いながらマナの方を見ると紅い炎のが見え爆発が起こったのが確認できた。

これは確実に終わっだろうと思い、アルディオスは<光の槍>を2本続けて真上に発射して終了の合図をした。


その合図を見てマナは近くにいた炎のワームを自分の真上に集めて消し去ると、1本の<火の矢>を上空に飛ばし全員が到着するのを待った。


今話も読んでいただき誠にありがとうございます。


次話は日曜更新予定です。 挿絵は次話挟む予定です。(やったことないので・・今から予習しなきゃ)


魔法紹介

<炎纏い>火:自分が使った火属性魔法の攻撃効果を99%カットし自他の火では燃えなくなる。

<火蛇渦・解放>火:大きな炎が生まれ、複数個の直径1mの炎がいろんな方向に飛んでいく。基本近くの魔法使いを狙う。軌跡の100m程は炎が残ることから移動する(ワーム)のように見える。

<中爆発>火:木造の一件やくらいなら吹き飛ばせる爆発魔法。巻き込まれ厳禁。

<爆発付与>火:付与された武器で切った個所をある程度任意の方向に飛ばす様に爆発させる。レジスト可

<一閃紅爆>火:弓なりの形の紅い炎の真ん中に持ち主の武器の威力や効果を反映した尖った部分がある刃のような魔法を相手に向けて飛ばす。


変更履歴

19/09/08 火災事件に関する注意書き部分を削除しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=977438531&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ