短いプロローグ
「…………はぁ、疲れた………」
大きなため息を吐きながら、駅のホームに立っている私は、入社したばかりの会社に馴染めずにいた。
黒い長い髪をひとつに結び、ぶ厚いレンズのメガネをした見るからにオタクの私は、23歳、彼氏いない歴=年齢、そこそこの大学を卒業したものの、面接に落ちまくり、結局どこにでもあるような会社に入社した。
そんな非リア充の私はアニメ、漫画、ゲームが大好きだった。
最近は乙女ゲームにハマっていて、様々な種類の乙女ゲームをプレイした。
「この前やり終わったやつは、最後の最後まで最低だったなぁ」
そんなことをつぶやいた時だった、聞き慣れた電車のメロディーとともに誰かに背中を押された。えぇ、誰ーー、見た目はあれだけど、心は綺麗に生きてきたつもりなんだけどなぁ。
状況にふさわしくないことを考えながら、ギュッと目を瞑って死を覚悟した。
…………あれ、痛くない、ん?、なんだこれ
恐る恐る目を開けると、きらびやかな部屋。お姫様のようなベッドにいる、私…………!?
なんで、こんな場所にいるの!?でも、なんだかすごく体が動かしづらい。
あれ、なんか私小さくない!?なにこれーーーーーー!!!
ちらっと横を見ると大きな姿見…………あら、可愛い赤ちゃん………?
え、この赤ちゃん、私じゃね??
あれーー?夢かな?夢だよね?ありえないよね…………
だって、ほら、考えてみて、死んだ直後に赤ちゃんになってるとか……………転生かな?
ん?転生?まじで???
うわぁーーーーーーー誰か夢だと言ってー!!!!
言葉にならない叫びを心の中で叫んだ。