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第6話「女神様の忠告」

 『起きるのです、アルバよ』


 頭の中に声が響いてくる...聞いたことある声だが今はとにかく眠い。


 「あと5時間55分...」


 こちとら濃厚な一日を過ごして疲れとるんじゃい。寝かせてくれい。


 『起きろや』


 あぁこのホールド感は間違いない。女神様だ。

 アイアンクロー好きだな~頭痛いな~宙ぶらりんだし。

 となれば2回目の女神様鑑賞タイムですよ。


 ん?俺にアイアンクローをして下さっている最初にお会いした女神様と、人間サイズの小さめの女神様がいますね。

 あ、最初にお会いした方はかなり大きいですよ。5~6メートルはあるんじゃないでしょうかね。

 顔はそっくりですが、姉妹でしょうか?

 むむ!胸もそっくりですね。ちょっぴり残念です。

 服装も同じですね~シミ付きですね。

 今回は新たな発見は期待できないようです。


 「女神様、おはようございます。小さいサイズの女神様、はじめまして。」


 頭は固定されているので、右手を胸に当てて挨拶をする。


 『あ、大きいのは業務用の女神だから。本体は私ね。』


 と小さい女神様が話しかけてきた。


 「なるほど、だから同じ位置にシミがあるのですね。」


 えっ?という顔をして、自信をチェックしている姿は愛らしい。

 シミを見つけて一言、


 『浄化』


 と言うと女神様が淡い光に包まれ、次の瞬間シミが綺麗に消えていた。

 よしっという顔してそのまま話し始める。


 『お待たせ、アルバ。アライブに降り立ってみてどうだった?』


 同年代の友達に話すような喋り方だったので一瞬戸惑ったが、なんだか落ち着くなぁ。


 「ん~どうと言われましても...ヴュステは綺麗で良い街だな~ゼルバさん服着てくれないかな~って感じですかね。まだ傭兵登録しただけで戦闘した訳でもないので。あ、もしよかったら降ろして頂けないでしょうか?」


 『あ、ごめんね~全然起きなかったから』


 俺の足が地面に着くと業務用女神様は消えてしまった。目の前の小さい女神様もカワイイのだが、対外的には神々しい業務用の方がいいのかな。


 「ありがとうございます。色々と聞きたいことがあったんですが、質問してもよろしいですか?」


 いいよ~と気軽に応えてくれたので、しっかり確認しておこう。


 まずは〈吸魂師〉について。平和をもたらしてくれって言われても実際何をしたらいいのかわからないもんね。

 あとアライブに降り立った勇者少なくない?

 全世界でサービス開始って宣伝してたからプレイヤーもっと多いのかと思ったけど、それらしいシステムアイコンが付いた奴は傭兵ギルドで会った2人だけだったし。


 『あぁ~そっか。ちょっとイライラしちゃってたから、餞別あげてアライブに放り込んじゃったもんね。ごめん、ごめん。説明するね~』


 〈吸魂師〉という職業のスキルは2つだけ。【吸魂】と【転生】。


 【吸魂】

 憑代志願者の魂を自身の周囲に留めて対話することができる。その間は能力値上昇。スキル貸与。


 【転生】

 憑代志願者の魂の憂いを解消した場合のみ使用可能。魂の職業、能力値、スキルを引き継ぐ。


 ふむふむ。ゼルバさんが見えるのは【吸魂】スキルが発動したのか。ステータスウィンドの使い方も教えてもらったので、これで能力値やスキルも詳しく確認出来るな。

 転生が出来ない場合は悪霊になってしまったりするらしい。しばらくは30人を転生させるのが目標だな。もちろん死者がでればその魂も対象になっていく。


 平和を~ってのは、邪神とやりあってるからガンバっ!という事らしい。


 そもそも勇者としてアライブに来る人数は多くないらしい。

 地球のプレイヤーが誰でもいいって訳ではなく、きちんと選定され強い者が【本物】のアライブに降り立ち、その他大勢は【ゲーム】のアライブで遊ぶだけという事だ。


 俺からはシステムアイコンで勇者かどうかわかる(死んだら俺の仕事だからね)けど、他の勇者はアイコン出ないのでプレイヤーとNPCの判断できないらしい。


 『こんな感じの回答で大丈夫かな?基本的にはアルバが思うように行動してもらって大丈夫だよ。何かあればその都度呼び出すから。時間も迫ってるから今日はこれまでだね。』


 「お答え頂きありがとうございました。では、今回呼び出された用件はどのような事でしょう?」


 『武器渡してなかったからさ。本当の餞別で〈弓師〉の武器だよ。私の加護があるから弦は張ったままで大丈夫だから。矢は矢筒から無限に出せるから気にしなくていいよ。』


 貰った弓は綺麗な銀色で、弓道とアーチェリーの中間位の大きさだった。

 弓本体はかなり軽いが引いてみるとなかなか重いな。威力はありそうだ。

 普通の弓と違い、握りの上部に刃が付いている。剣と弓を片手で一緒に持ってる感じだ。弓に内蔵されているようで、自由に出し入れできた。

 近接戦闘も考慮してるのか?使いこなす自信が全く無いけどね。

 無限矢筒は本当にありがたいな。


 「ありがとうございます。アーティファクトってやつですか?」


 『そんな上等な物じゃないよ。でも大切に使ってね。』


 もちろんですとも!

 ニヤニヤしながら、ぺたぺた触って感触を確かめていると、


 『あとね。すぐに戦闘が始まるから死なないでね。』


 はい?まだ戦闘チュートリアル終わってないんですけど...

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