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第4話「それなんてゼルバ?」

 全裸で駆けてくムキムキなゼルバさんの後ろを、あの引き締まったお尻は羨ましいな~と少し思考がおかしくなりつつ傭兵登録所を目指す。


 『勇者殿、そういえば名前はなんというのじゃ?』


 名前?あぁそういえば言ってなかったな。

 ...あれ?俺の名前ってなんだっけ?なんか靄がかかってて色々と思い出せない。

 きっとあの女神様が何かやったんだろうな。


 「あ~俺は《アルバ》だ」


 なんとなく思いついて、自分自身を命名しておいた。


 『アルバ殿か、うむ。良い名じゃ!』


 良いのか?と思いながら思い出せないものは仕方ないし、これからはアルバとして生きていこう。そう心に名を刻み、街の中心街を歩いていく。


 【中立貿易国ヴュステ】

 その一番の特徴は、海に浮かぶ「国」であること。

 元はただの科学者だった王は、蒸気機関を発明し、列車や戦車、戦闘用アーマーなどを開発し、一国の主となったそうだ。

 剣と魔法の世界にもたらされた新しい技術は各国からしてみれば独占したいはずだ。だが、取り込まれることもなく独立を果たしたこの国には、それを可能にした軍事力があるのだろう。

 さらにヴュステはどこかに決まった領地があるわけでもなく、目的に合わせて国自体を移動している。攻め込まれそうになれば海へ逃げればいいのだから防衛の面でも優秀だな。


 そんな国だからか街中は賑わっていた。

 大きな商店が連なり、美味そうな出店もある。服装もただの布切れとかではなく、染色されたオシャレな服を着た女性が多い。男?知りません。普通です。

 水上都市なのに緑も多く、素直に歓心してしまった。


 『おーここじゃ、ここじゃ』


 傭兵ギルド《ヴュステ・ヴェント》と書かれた看板を見つけ、全裸のおっさんは嬉しそうに入って行った。もちろん扉は動かなかった。

 透明ですり抜けて行けるっていいな~お風呂行ったらのぞ...

 お風呂はゆっくり湯船につかりたいね。


 中にはいかにもって感じの装備に身を包んだ男女が大勢いた。クエストボードっぽい掲示板の前はごった返しており、併設してある酒場ではまだ日が落ちてないのに酔いつぶれている奴もいる。


 「あの~よかったら一緒にクエストいきませんか?」


 若い男女のペアから、急に話しかけられて固まってしまう。


 「あれ?自動翻訳できてないのかな~クエスト行きませんか~?」


 なるほど、地球のゲームプレイヤーなのね。


 「ごめんなさい。まだ傭兵登録してないので、またの機会に」


 そう言って断ると、二人は気にした様子もなく他の人に話しかけに行った。決してコミュ障というわけではない。きちんとチュートリアルを受けてから俺は進めるタイプなのだ。

 というわけでまずは傭兵登録だよな~俺の場合チュートリアルはゼルバさんがやってくれるのかな?


 「すいません。傭兵登録したいんですけど」


 カウンターに座っていた、綺麗なお姉さんにちょっとドキドキしながら話しかける。


 「傭兵登録の方はあちらでお願いします~」


 声も素敵だ。担当が違うなら仕方がないな。

 指示された先をみると、女装したゼルバさん?が待ち構えていた!



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