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秋の風  作者: shu
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はじまり

画面から目を逸らし、携帯を握り締める。

別に私達は告白しあったわけでもないし、ましてや付き合っているわけでもない。

出会ってまだ1週間だし、君の事なんて何にも知らない。

私が今のところ気に入っているのは君の職業だけだし、

人格に対してそれなりの好意は抱いているけど、それ以上はないのだ。

それに私と君じゃ年齢も離れているし、住んでいる世界も全然違う。

私は頭が悪いから、君はきっとすぐに飽きてしまうだろうし、

私は頑張ることに急に疲れたりなんかして、きみの前から姿を消すかもしれない。

そんなことをだらだらと考えながら、それでもやっぱり君の言葉が気になっていた。

「今夜飲み会に行ってくる」たったそれだけの言葉が気になってしょうがなかった。


会いたいなんて言葉じゃあまりにも重過ぎるし、甘すぎる。

だからって会いたくないわけじゃなくて、なんというか、そう、

顔を見て安心したいのだ。


君は意地悪や嫉妬をさせるのが好きらしい。

そうやって関心を引こうとするくせに、肝心なことは言わない。


私は誰かと飲みに行くときにとやかく聞かれるのが好きじゃないから、

君には何も聞かないし、彼女でもないからやっぱり聞けない。

合コンじゃないといいなってこっそり思いながら、

私も合コンに行きたいなって思う。


今夜の予定が空っぽのまま定時を迎えて、

明日お休みだというのにさっさと帰宅しなければならないのはあまりにも寂しい。


今夜一人で飲み屋にでも行こうか。

それとも適当に空いてそうな人を見繕うか。


どちらもやっぱり寂しい気がした。




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