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魔女と使い魔  作者: ゴフェル
2/2

魔女と使い魔2

「子供って、どうしてこう甘いモノが好きなのかしら」

エルルの店の新作チョコレート菓子「三層のチョコレートケーキ」

その甘ったるいにおいを嗅いで

「うっ、気持ち悪い」

マノアは眉を寄せた。


古城へ戻るなり、人間の気配を感じ取る。

「人間を招き入れるなんて、馬鹿なの?」


鞭を片手に、ゼレトを威圧。

「だって、困ってるみたいだったから」

壁際に追い詰められ、ゼレトは小動物のように萎縮。

「はぁ……」

マノアは額に手をあてると

(よく考えれば、私の領域に人間が迷い込むなんておかしい)

誰かが、意図的に入り込ませた。

「性格の悪いやり方だわ」

♦︎♦︎♦︎


マノアは奥さんの状態を診察すると

「これは、魔女の力でも無理です。馬車を用意しますので、お帰りください」


「いい加減なことを言うな!!」

男は声を荒げる。

「魔女は、不老不死だろう。その力を、独占するつもりか」

本当に人間は面倒な生き物だ。

「別に、独占してるつもりはないわ」

男は頭を抱え

「ああ、教皇様……教皇様さえ居てくだされば」

どうして死んでしまったのか、と嘆く。


その言葉に、マノアは眉を寄せる。

「……まあ、別に方法がない訳じゃないわ。ゼレト、来なさい」

「はい、マノア様」

使い魔をそばに呼ぶと、マノアはナイフを取り出す。


そしてーー


ゼレトの首を切り落とした。激しい血飛沫が床と、マノアに飛び散る。


「ひっ」


突然の凶行に、男は顔を強張らせた。


「あーあ、これは洗濯しても落ちないわね」


床に転がったゼレトの頭を持ち上げ、切断面を黒衣の袖で隠すように元にもどす。


「ひどい、痛みはあるのに」


再び動きだしたーーゼレトを前に


「ば、化け物だ。お前らは、イカレてる」


怯えながら男が言った。


「これが、あなたの求めているものよ」


魔女は冷たく言い放った。


♦︎♦︎♦︎


「結局、帰っちゃいましたね」


マノアが買ってきたチョコレートケーキを食べながら、ゼレト。


「人間なんて、あんなものよ」


マノアは溜息をつくと

「服を着替えてから、食べなさい。血がついて見っともないわ」

これしか持ってないんです、とゼレトが言った。

「……何かと、町に行きたがるわね」


そう言って踵を返すと、談話室へと向かう。


ソファーの上でくつろいでいる黒い狼を見て

「性格が悪すぎではありませんか?」

「ククッ、人間の欲を図っただけのことだ」

低い声で、黒い狼が答える。


「どこまで、信用してよいのやら。用件は何かしら?」

マノアは肩を竦め、対面のソファーに腰を下ろした。

































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